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ピアノ・レッスン
THE PIANO
1993年オーストラリア/ラブストーリー

<監督・脚本>
ジェーン・カンピオン
<出演>
ホリー・ハンター
ハーベイ・カイテル
サム・ニール
アンナ・パキン
<ストーリー&コメント>
19世紀半ば、幼い娘と1台のピアノを携えた失語症の女性が写真結婚でニュージーランドへと嫁いでくる…。
劇中で実際にピアノソロの演奏もこなしたホリー・ハンターの演技はもちろん、娘役を好演したアンナ・パキンの演技力に驚かされます。
女性監督とは思えぬ重厚だが全体的に暗めの映像と、素晴らしいピアノの演奏が印象的。
ラストがちょっと意外だった。
121分/★★☆☆☆
(2000年3月22日)
第66回アカデミー賞(1993年) 主演女優賞、助演女優賞、脚本賞

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引き裂かれたカーテン
TORN CURTAIN
1966年アメリカ/スパイサスペンス

<監督>
アルフレッド・ヒッチコック
<脚本>
ブライアン・ムーア
<出演>
ポール・ニューマン
ジュリー・アンドリュース
リラ・ケドロバ
ハンショルグ・フェルミー
ウォルフガング・キーリング
ガンター・ストラック
<ストーリー&コメント>
対核防衛兵器の開発プロジェクトに携わったマイケル・アームストロング教授とサラ博士は結婚を控えた仲。揃って国際物理学者会議に出席した二人だが、いつもと違うマイケルの様子に疑問を抱いたサラは、密かに彼の跡を追跡する。ストックホルム行きのはずの飛行機は、なんと東ドイツのベルリンへ向かっていた。実はマイケルは、新開発されたミサイルの軍事機密を探ろうと亡命者を装って鉄のカーテン内へと潜入したスパイだったのだ…。
「キューバ危機」を描いた『トパーズ』同様、国際情報戦争を背景とした作品。得意の「巻き込まれ型サスペンス」とは違い、スパイの逃亡劇を描く。序盤はいまいち盛り上がりに欠けるが、逃亡劇を描いた中盤以降はハラハラドキドキの展開。逃走は現地の組織の協力を得てのものなんだけど、次に何が起こるかわからないだけに、主人公と同じような緊迫感が味わえました。
128分/★★★★
(2003年3月3日)

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ピクチャー・クレア
PICTURE CLAIRE
2001年カナダ/サスペンス

<監督>
ブルース・マクドナルド
<脚本>
セミ・チェラス
<出演>
ジュリエット・ルイス
ジーナ・ガーション
ミッキー・ローク
カラム・キース・レニー
ケリー・ハームス
カミーラ・ラザフォード
ピーター・ステッビングス
<ストーリー&コメント>
火事で住居を失ったクレアは、かつての恋人・写真家のビリーを頼ってトロントへとやってきた。だが、フランス語しか話せない彼女は見知らぬ街で苦労の連続。しかも、女ギャングのリリーと間違われ、警察から目をつけられることになる。だが本人はそんなこととは知らず、ビリーの個展会場へ。するとそこには、知らぬ間に撮られていた自分の寝顔の大写しが。腹を立てたクレアは、彼のアパートへと忍び込むのだが…。
ひとつの事件をきっかけに2人の女性の運命が複雑に交錯していく一夜の様子をスリリングに描く。
面白さ的にはごく普通だけど、内容的にはなかなか新鮮な感じがした。ヒロインが言葉の通じない街で苦戦するという設定はあまり効果的に活かされていない気がしたけど、逆にセリフが少ないことでジュリエット・ルイスの演技力が目立ってるね。分割画面を使った映像もスタイリッシュ。
物語の進行的には、いきなりの放火とか、鍵を開けて侵入…とかツッコミたいところがあるけど、その答えは後でちゃんと出てくるので安心。
91分/★★★☆☆
(2005年2月18日)

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美女と野獣(2017)
BEAUTY AND THE BEAST
2017年/ミュージカル

<監督>
ビル・コンドン
<脚本>
スティーヴン・チョボスキー
エヴァン・スピリオトポウロス
<出演>
エマ・ワトソン
ダン・スティーヴンス
ルーク・エヴァンス
ケヴィン・クライン
ジョシュ・ギャッド
ユアン・マクレガー
イアン・マッケラン
エマ・トンプソン
<ストーリー&コメント>
ロココ時代のフランス。姿は美しいが傲慢だった王子は、魔女によって恐ろしい野獣の姿に変えられてしまう。呪いを解く方法はただひとつ、魔法のバラの花びらがすべて散る前に誰かを心から愛し、愛されること。だが野獣となった彼を愛するものなどおらず、彼はひとり心を閉ざしてしまった。そんなある日、野獣の城にアート職人のモーリスが迷い込んでしまう。父親を捜して娘のベルが現われるのだが、美しく聡明なベルに野獣は惹かれ、ベルもまた、野獣が本当は優しい心を持っていることを知るのだった…。
フランスの民話『美女と野獣』に基づき1991年に制作され、大ヒットをおさめたディズニーの長編アニメーション映画作品を『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン主演で実写映画としてリメイク。孤独を抱えていた美女と野獣が真実の愛に目覚めていく物語と、A・メンケンによる名曲の数々、ポット夫人らのユニークなキャラクターたちもそのままに、実写ならではの豪華な衣装や美術で新たな魅力が備わった。
すごく面白かったです。過去にもアニメ化や実写映画されているので、なんとなく物語は知っていたけど、こんなに面白い物語だったのかと驚きました。ディズニーアニメ版も観てみよう。
それにしても、エマ・ワトソン。『ハリー・ポッター』の初期の子役時代しか知らないから、急に大人になっていて驚きました。エマ・ワトソンも、野獣を演じたダン・スティーヴンスも、歌が上手くてウットリ。失礼ながら、日本映画ではここまでのクオリティのものは作れないだろうね。ガンダルフことイアン・マッケランら、他のキャストも豪華。
130分/★★★★
(2023年8月6日)

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陽だまりのグラウンド
HARD BALL
2001年アメリカ/スポーツドラマ

<監督>
ブライアン・ロビンス
<脚本>
ジョン・ゲイティンス
<出演>
キアヌ・リーブス
ダイアン・レイン
ジョン・ホークス
ブライアン・ハーン
ジュリアン・グリフィス
マイケル・B・ジョーダン
D・B・スゥイーニー
<ストーリー&コメント>
ギャンブルに溺れる自堕落な生活がたたって借金がかさみ、ついに身動きが取れなくなったコナー・オニール。定収入を確保するため、シカゴのスラム地区の少年野球チームのコーチ役をしぶしぶ引き受けた彼だったが、少年たちの純真な心に触れ、次第に本来の自分を見つめ直していくのだった…。
人間的に問題のある人物がコーチとして駄目チームとともに自分自身も成長していくという、悪く言えば定番な作品だけど、それでもやっぱり感動してしまった。この作品が他とちょっと違うのは、少年たちが裕福な暮らしではなく、銃弾の飛び交い、治安も悪い危険な地域に住んでいること。だから野球に喜びは見出せても、どこかで現実を見つめるクールさも持ち合わせているし、それが決して生活の全てではなく、悲惨な状況から一瞬だけでも開放される大切な時間になっているのです。そのことが作品の後半に思いがけない事件を起こしてしまうんだけど…。
作品のハイライトは、コナーが子供たちを野球場に連れていく場面。初めての野球観戦で目をキラキラさせ、サミー・ソーサを見つけて興奮する子供たち。とても感動的なシーンでした。
『スピード』『マトリックス』シリーズでアクションスターのイメージがあるキアヌ・リーブスだけど、社会に落ちこぼれた冴えない主人公を好演。作品自体はとても地味めで、むしろ古くささも感じられるので、製作年度を知らずに見たらそれらの作品より前に出演していたものと思ったかも。
106分/★★★★
(2003年11月8日)

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ビッグ
BIG
1988年アメリカ/コメディ

<監督>
ペニー・マーシャル
<脚本>
ゲイリー・ロス
アン・スピルバーグ
<出演>
トム・ハンクス
エリザベス・パーキンス
ロバート・ロジア
ジョン・ハード
ジャレッド・ラシュトン
デビッド・モスコー
<ストーリー&コメント>
小さいことが悩みの12歳の少年ジョッシュは、カーニバルの会場で願いがかなう不思議な機械「ゾルター」に向かって、大きくなれるよう祈る。翌朝、目が覚めると、不思議なことに彼の姿は30歳の大人に変身していた。誘拐犯と疑われ家を追い出され、当面の生活費のために、おもちゃ会社に就職することになるのだが…。
トム・ハンクスが「外見だけ大人の無垢な少年」という難しい役どころを好演し、アカデミー賞に初めてノミネート(主演男優賞)された。
誰もが持ちながら、忘れかけた子供の心。それを思い出させてくれるハートウォーミングなファンタジー作品です。同様のテーマに2000年の『キッド』があります。最後はどこか切なくて…なんだか、夏休みが終わってしまうかのような寂しさを感じてしまいました。
「一緒に行こう」と誘うジョッシュに対するスーザンの答えに、とても奥深いものを感じてしまいました。そういうのが、大人ってことなのかな。
104分/★★★☆☆
(2003年5月8日)

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ビッグゲーム/大統領と少年ハンター
BIG GAME
2014年フィンランド、イギリス、ドイツ/アクション

<監督・脚本>
ヤルマリ・ヘランダー
<出演>
サミュエル・L・ジャクソン
オンニ・トンミラ
レイ・スティーヴンソン
ヴィクター・ガーバー
フェリシティ・ハフマン
ジム・ブロードベント
<ストーリー&コメント>
国際会議に出席するためフィンランドの首都ヘルシンキに向かって飛行中の米大統領専用機エアフォースワンとその護衛機が、何者かが発射した地対空ミサイルで撃墜された。米国大統領のムーアは間一髪ポッドに乗って脱出し難を逃れる。ムーアの乗ったポッドはフィンランドの森の中に着地。そこで彼はフィンランド人の少年オスカリと出会う。オスカリは13歳の誕生日を迎え、ハンターとして一人前の男と認められる試練の儀式に挑んでいるのだった。だがそこに、ムーアの命を狙う敵が近づきつつあった…。
2010年の『レア・エクスポーツ〜囚われのサンタクロース〜』で脚光を浴びたフィンランドの新鋭J・ヘランダー監督が、自ら執筆したオリジナル脚本を映画化。
ドタバタアクションものですが、なかなか楽しめました。「世界最強の軍隊を率いるアメリカ大統領」を描いたわりには、主な舞台はフィンランドの森の中という、わりとこじんまりとした設定。命を狙われた大統領を守るのは、ハンター見習いの少年だけ。二人の出会いのシーンの糸電話はかなりほのぼのとしました(笑)
始めは弓もまともにひけなかった少年が、立派に成長していくというサクセスストーリーはベタですが、最後にはしっかりまとめてきました。オスカリを演じるオンニ・トンミラは、監督の実の甥ッコなんだそうです。
フィンランドの映画ってなかなか観る機会がないので、山や森林の雄大な景色は、それだけでも観る価値がありました。
91分/★★★☆☆
(2016年10月30日)

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ビッグ・フィッシュ
BIG FISH
2003年アメリカ/ファンタジードラマ

<監督>
ティム・バートン
<原作>
ダニエル・ウォレス
<脚本>
ジョン・オーガスト
<出演>
ユアン・マクレガー
アルバート・フィニー
ビリー・クラダップ
ジェシカ・ラング
ヘレナ・ボナム=カーター
アリソン・ローマン
ロバート・ギローム
マリオン・コティヤール
マシュー・マッグローリー
ミッシー・パイル
スティーヴ・ブシェミ
ダニー・デヴィート
<ストーリー&コメント>
天性の話し上手であるエドワードは、奇想天外な体験談を物語っては、周囲の人々を楽しませてきた。けれど息子のウィルだけは、そんな父親の話を単なるホラ話として切り捨て、まともに口もきかず離れ離れに暮らしていた。そんなある日、ウィルのもとに「エドワードの容態が悪化して余命もあとわずか」との連絡が入る。妻を連れて故郷へ向かった彼は、エドワードの相変わらずのホラ話にやむなく耳を貸すうち、その心境に次第に変化が生じるようになってくるのだった…。
自分の人生を御伽噺で話すのが大好きな父親と、そんな父親を理解できずに反発する息子が、再び親子の絆を取り戻していく姿を現実と空想を織り交ぜながら描いた感動のファンタジー・ドラマ。
すごく面白かったです。ファンタジー映画だけに好みが分かれるかもしれないけど、「時には御伽噺に心躍らせてもいい」と思う人には最高の時間になるでしょう。
エドワードの語るホラ話は、どれも心躍るワクワクの冒険談。「そんなバカな」と思う反面、「現実だったら面白い」というラインとの間で絶妙なバランスだから、引き付けられてしまうんだろうね。森で迷ったり、様々な局面で輝くのはユアン・マクレガーの笑顔。あの笑顔と巧妙な話術、懸命なひたむきさで誰もが彼のファンになってしまうんだね。これ以上ない、最適なキャスティングだと思います。
他のキャストも好演だけど、やっぱり気になるのがスティーヴ・ブシェミ。相変わらずの存在感で、少ない出番ながらも強烈なインパクトを残してくれました。ヘレナ・ボナム=カーターも印象的な役柄で登場。
126分/★★★★★
(2005年11月20日)

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ビッグ・ママス・ハウス
BIG MOMMA'S HOUSE
2000年アメリカ/ポリス・コメディ

<監督>
ラジャ・ゴズネル
<脚本>
ダリル・クォールズ
<製作総指揮・出演>
マーティン・ローレンス
<出演>
ニア・ロング
ポール・ジアマッティ
テレンス・ダション・ハワード
エラ・ミッチェル
アンソニー・アンダーソン
<ストーリー&コメント>
マルコムは変装を得意とするFBIの敏腕捜査官。ある日、凶悪な銀行強盗犯ベスコが脱獄した。レスターの元恋人・シェリーの動向を調査したFBIは、彼女が祖母“ビッグママ”の家に身を寄せると判断、マルコムと相棒のジョンがその任務につき、張り込みを開始する。マルコムはシェリーから情報を聞き出すため、外出したビッグ・ママになりすましてシェリーとその息子・トレントとの同居を始める羽目に…。
捜査官が変装して別人になりすますという手口はけっこうベタ。ストーリーもベタ。だけど、けっこう笑えます。それはやっぱり、マーティン・ローレンスの演技のうまさなんだろうなぁ。方や巨漢の老婆、方や便利屋を装って容疑者の女性に恋する男。一人二役をドタバタとこなす様子は、とてもコミカル。『ブルー・ストリーク』も面白かったし、エディ・マーフィに劣らぬ魅力が彼にはあると僕は思います。
100分/★★★☆☆
(2002年7月11日)

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羊たちの沈黙
THE SILENCE OF THE LAMBS
1991年アメリカ/サスペンス

<監督>
ジョナサン・デミ
<出演>
ジョディ・フォスター
アンソニー・ホプキンス
スコット・グレン
<ストーリー&コメント>
若い女性を殺したあとに皮を剥ぐという、残忍な連続殺人事件が発生した。FBI訓練生クラリスは犯人を割り出すために、元天才精神科医の殺人鬼レクター博士を尋ねる。
アンソニー・ホプキンスの殺人鬼ぶりには背筋も凍る恐怖感が漂う。
シリアスなヒューマンドラマ。
118分/★★★☆☆
(1992年9月23日)
第64回アカデミー賞(1991年) 作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞

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ヒッチコック・天才監督の横顔
DIAL "H" FOR HITCHCOCK : THE GENIUS BEHIND THE SHOWMAN
1999年アメリカ/ドキュメンタリー

<監督・脚本>
テッド・ハイムズ
<ナレーター>
ケビン・スペイシー
<出演>
アルフレッド・ヒッチコック
ロバート・アルトマン(映画監督)
ピーター・ボグダノビッチ(映画監督)
ロバート・ボイル(脚本家)
ウェス・クレイヴン(映画監督)
ジョナサン・デミ(映画監督)
ブライアン・デ・パルマ(映画監督)
カーティス・ハンソン(映画監督)
ティッピ・ヘドレン(俳優)
パトリシア・ヒッチコック
ジャネット・リー(俳優)
ノーマン・ロイド(製作/俳優)
ロナルド・ニーム(撮影助手)
ブライアン・シンガー(映画監督)
ジョゼフ・ステファーノ(脚本家)
ハーブ・ステインバーグ(製作)
<ストーリー&コメント>
映画の草生期に生まれ、映画産業と共に成長し、映画界に多大な影響を残した「サスペンスの巨匠」アルフレッド・ヒッチコック。彼の初期作品、未完成フィルム、新作の予告篇、貴重なプライベートフィルムまで様々な映像を用い、ヒッチコックの真実に迫る。また、彼と共に作品を作ったスタッフや出演俳優、多大な影響を受けた現代の映画監督たち、娘のパトリシア・ヒッチコックなどがそれぞれのヒッチコック像を語る。
番組の案内役は俳優のケビン・スペイシー。
すごく興味深いテレビプログラムだった。イギリス時代からハリウッドでの成功まで、ヒッチコックの半生を代表作とともに追う構成。まさに、「これを見ればヒッチコックがわかる」という決定版の内容だ。人々の不安を煽る術を知り尽くし、計算された映像芸術でそれを表現した。彼が全盛期の頃はサスペンス映画が正当に評価されず、結局アカデミー監督賞をとることはできなかった。しかしその才能に溢れる数々の作品は、映画産業全体を刺激し、現代の映画製作者たちに多大なる影響を与えた。二十世紀に誕生した最大の娯楽である「映画」の発展に最も貢献した人物の一人で、まさに彼は「映画の申し子」と言えるだろう。
知っていること、見たことのある映像も多かったが、最も興味深かったのが『サイコ』の解説。彼の代表作とも言える作品だけど、僕にはその真価がわからなかった。この作品が当時、どれほどの衝撃を人々に与えたセンセーショナルなものだったかを知ることが出来た。主演女優が冒頭30分で殺されてしまうことは、当時は前例のないことだったんだね。
これを観て、あらためて彼の名作群をもう一度観たくなりました。
101分/★★★☆☆
(2004年1月25日)

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人質交渉人
THE HOSTAGE NEGOTIATOR
2001年アメリカ/サスペンス

<監督>
キオニ・ワックスマン
<脚本>
マーク・リー
<出演>
ゲイル・オグラディ
マイケル・ボーウェン
ブライアン・ブルーム
ドン・S・デーヴィス
ジェーソン・ションビング
ブラッド・シヴォン
<ストーリー&コメント>
FBIの女性捜査官テレサは、人質交渉人として優れた功績を挙げていた。一方、同じくFBIの捜査官である彼女の夫フランクは、あまりに優秀な妻に劣等感を覚え始める。そんなある日、彼女によって検挙された強盗犯が脱走した。テレサの同僚ダニーは彼女と家族の身辺を警護するが、フランクはそんな彼とテレサの仲を疑い、ますます精神的に追いつめられて行く…。
実話に基づいて構成されたクライム・サスペンス。
プロットは秀逸なんだけど、作品としては失敗。逃亡したビクターが敵役かと思いきや、実は主犯格は彼女の夫。フランクの狂暴化のキッカケとはいえ、ビクターの逃亡はあまりにも思わせぶりな伏線に過ぎなかった。一度は撃退されるものの、「いつかまた出てくるのでは」という思いがあって終盤まで展開にのっていけなかった。
フランク役のマイケル・ボーウェンは、疎外感と嫉妬に心が崩れていく夫を熱演していたけど、テレサ役のゲイル・オグラディはイマイチ。なんか、どこか演技に身が入っていない感じがした。これが『Profiler』のアリー・ウォーカーだったらもっといい演技を見せてくれるんだろうけど。
89分/★★☆☆☆
(2003年12月26日)

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ヒトラー 〜最期の12日間〜
Der Untergang
2004年ドイツ/伝記ドラマ

<監督>
オリヴァー・ヒルシュビーゲル
<製作・脚本>
ベルント・アイヒンガー
<原作>
ヨアヒム・フェスト
トラウドゥル・ユンゲ
<出演>
ブルーノ・ガンツ
アレクサンドラ・マリア・ラーラ
コリンナ・ハルフォウフ
ウルリッヒ・マテス
ユリアーネ・ケーラー
ハイノ・フェルヒ
クリスチャン・ベルケル
マティアス・ハービッヒ
トーマス・クレッチマン
<ストーリー&コメント>
1942年、22歳のトラウドゥル・ユンゲは、選抜試験を経て、ヒトラーの個人秘書の職を得る。それから3年後の1945年4月20日。第2次大戦も大詰めを迎えてドイツ軍は連合軍に追いつめられ、ヒトラーはごく限られた身内や腹心の部下たちと共に、ベルリンのドイツ首相官邸の地下要塞に退却し、そこで不自由な生活を送ることとなる。敗色の気配がいよいよ濃くなるなか、ヒトラーはなお、とうてい実現不可能な逆転劇のシナリオを熱っぽく語り続けるが、次第に部下たちは彼から離反していく。それをユンゲは、身近から歴史の証人として静かに見守り続けるのだった…。
歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションと、ヒトラーの個人秘書ユンゲの回顧録を原作に映画化。戦後長らくタブー視されてきた悪名高き独裁者ヒトラーを主人公に、彼の生前最期の12日間に焦点を絞って、ナチス帝国の崩壊を目の当たりにしながら、遂に死を決意するに至る彼の人間的苦悩を厳粛なタッチで綴り、ドイツ本国はもとより、世界中で大きな論議を巻き起こした。
すごく重厚なドラマでした。重厚という以外に、言葉がないです。作品の内容が内容だけに、仕方がないけど。ヒトラーを中心に彼の最後の数日間が淡々と描かれていくんだけど、次第に狂気に満たされていくヒトラーとは対照的に、厭戦的な気分に満ちて離れていく側近たち、総統のカリスマ性に魅了された女・子どもや若い兵士たち、その対比が興味深かったです。
エンターテインメント的には、テレビドラマの『ヒットラー』の方が観やすくて面白いかも。
156分/★★★☆☆
(2007年5月27日)

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陽のあたる教室
MR.HOLLAND'S OPUS
1995年アメリカ/ドラマ

<監督>
スティーヴン・ヘレク
<脚本>
パトリック・シーン・ダンカン
<出演>
リチャード・ドレイファス
グレン・ヘドリー
ジェイ・トーマス
オリンピア・デュカキス
ウィリアム・H・メイシー
アリシア・ウィット
<ストーリー&コメント>
1965年のアメリカ。作曲家を目指す30歳のグレン・ホランドは、生活のために高校の音楽教師になる。しかし生徒たちは、音楽にまるで関心がなかった。ホランドは彼らに音楽の魅力を語り、生徒たちの心を少しでも豊かにしようと奮戦する。そんな時、ホランドに待望の子供が誕生。息子にも音楽を教えようと楽しみにしていたホランドだったが、生まれてきた長男は生まれつき耳が聞こえなかった。その現実から逃れるため、ホランドは学校の仕事に没頭するのだが…。
仕事に半生を捧げた音楽教師の姿を描くヒューマン・ドラマ。
「泣ける映画」という前評判を聞いて観たんですが、とてもいい作品でした。だけど、それ以上でもそれ以下でもない作品でした。たしかにラストはとても感動的なんだけど、なんか…全体的に、物足りない気がしてしまいました。長い時間軸をダイジェスト的に見せる構成は『フォレスト・ガンプ』だけど、この作品にはどこか『ミュージック・オブ・ハート』と同じような、エピソードの多さゆえのぎこちなさみたいなものを感じました。その違和感から、観ていてずっと「実話を基にしたものなのかな」と思ったんですが、実際はどうなんだろう?
143分/★★★☆☆
(2003年7月29日)

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陽のあたる場所
A PLACE IN THE SUN
1951年アメリカ/文芸ドラマ

<監督>
ジョージ・スティーブンス
<出演>
モンゴメリー・クリフト
エリザベス・テイラー
シェリー・ウィンタース
アン・リヴェール
<ストーリー&コメント>
野望を抱く貧しい青年が、富豪の令嬢と婚約。ふたりの愛は本物だったが、思わぬことから彼は殺人の容疑で死刑の宣告を受ける。
古典的な悲劇映画。
122分/★★★☆☆
第24回アカデミー賞(1951年) 監督賞、脚色賞、撮影賞

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ピノッキオ
PINOCCHIO
2002年イタリア/ファンタジー

<監督・脚本・出演>
ロベルト・ベニーニ
<脚本>
ヴィンセンツォ・セラミ
<出演>
ロベルト・ベニーニ
ニコレッタ・ブラスキ
カルロ・ジュフレ
キム・ロッシ・スチュアート
ペッペ・バーラ
ミーノ・ベッレイ
マックス・カヴァラリ
ブルーノ・アレーナ
ルイス・モルテーニ
アレッサンドロ・ベルゴンゾーニ
コーラッド・パニ
フランコ・イァヴァローネ
<ストーリー&コメント>
19世紀のイタリア・フィレンツェ。青い妖精が魔法をかけた樫の木の丸太が、町に転がりこんで大暴れする。人形職人のジェペット老人は、その丸太から操り人形を削り出し、ピノッキオと名付けた。だが好奇心旺盛なピノッキオは好き勝手なイタズラを繰り返し、ジェペットを困らせるばかりで…。
世界中で知られるカルロ・コロディの名作童話を、イタリアの喜劇王ロベルト・ベニーニが監督・主演で映画化。
何かの悪い冗談だと思いたい。これは一体、何なんですか?最初から最後までツッコミどころ満載で、駄作という一言だけでは簡単にすませられない。
まず、ピノキオって少年型の木の人形じゃなかったっけ?この作品では、木にも人形にも見えない。同テーマの作品として思いつくのは『A.I.』『アンドリューNDR114』だけど、ハーレイ君は生身でもちゃんと人形に見える熱演だったし、ロビン・ウィリアムスはちゃんとロボットらしい扮装をしていた。ベニーニはどちらもできてない。どう見ても、異様にハイテンションでタチの悪いおっさん。自分で出しゃばらずに、芸達者な子供をキャスティングすればまだマシだったと思う。他のキャストも疑問だらけ。喋るコオロギもなぜかおっさんだし、妖精は…妖精というにはかなり厳しく、妖精より魔女という言葉がピッタリの中年女性。誰かと思いきや、ベニーニの妻なんだとか。キャスティングにかなりの難あり。唯一納得できたのはジェペット老人だけ。
次に、テーマ性も疑問。ピノキオは悪い子供から改心して人形になるんだと思うけど、この作品のピノキオには全く共感できない。人を困らせ、嘘をつき、その場しのぎの豹変した態度。なぜこれで人間になれるのか(しかも子供ではなくおっさんだし)。本来の物語は正しい道徳心を養う子供向けの教訓話だと思うんだけど、この作品のテーマは一体何?憎まれっ子世にはばかる、もしくは要領よく生きよう、ということなのかな。こんな作品が多ウケするから、イタリアにはスリが多いんだよ。
本国イタリアでは、『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』を抜いて興行記録を打ち立てたのだとか。ホントかよ。やっぱり、『ライフ・イズ・ビューティフル』はまぐれだったのかなぁ。
111分/☆☆☆☆
(2004年4月9日)

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ビハインド・ザ・レッドドア
BEHIND THE RED DOOR
2002年アメリカ/ヒューマンドラマ

<監督・脚本>
マティア・カレル
<脚本>
C・W・クレスラー
<出演>
キラ・セジウィック
キーファー・サザーランド
ストッカード・チャニング
チャック・シャマタ
ハンナ・ロックナー
コーリー・ステイデン
フィリップ・クレイグ
ジェーソン・カーター
ローラ・プレス
イアン・ライアン
<ストーリー&コメント>
優れたカメラマンのナタリーは、仕事で訪れたボストンのスタジオで、完璧主義で嫌みな依頼主に反感を覚える。それが疎遠にしていた兄のロイだと気付いた彼女だったが、再会を喜べずに立ち去ろうとする。ロイは何かと理由をつけてナタリーを足止めし、さらに、自分が不治の病であることを明かす。やむなく看病を引き受けるナタリーだったが、ソリの合わない二人は口論が絶えない。ナタリーは傍若無人な兄の姿に、記憶の底に閉じ込めていた暴力的な父の姿を重ね見るのだった…。
早くに母を亡くし、暴力的な父のもとで育ったヒロインが、疎遠だった兄の病をきっかけに、兄妹の絆を取り戻してゆく様を描く。
感動作として話題になった作品で、前から観たいと思っていたんだけど、それほどではなかったかなというのが正直な感想。
幼い頃に母を失い、父と喧嘩別れした兄妹。また、兄妹同士も仲違いしたまま数年が経ち、失われてしまった兄妹の絆を取り戻すという物語。主役の二人はそれぞれに好演だし、海辺の家を舞台にした静かながらも魅力的な雰囲気は素敵。それだけで、十分にドラマとしては構成できると思うのね。そこに、時々フラッシュバックのようにして差し込まれる忌まわしい事件の記憶。あれは必要ないんじゃないかと思う。過去の事件記録を調べたりとかね。じっくりとドラマを味わいたいのに、サスペンス調な回想シーンは刺激が強すぎるんだよね。謎解きよりも、兄妹愛だけで押していくべきだったと思うなぁ。
105分/★★☆☆☆
(2004年2月13日)

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ビフォア・サンセット
BEFORE SUNSET
2004年アメリカ/ラブストーリー

<監督・脚本>
リチャード・リンクレイター
<出演・脚本>
イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー
<出演>
ヴァーノン・ドブチェフ
ルイーズ・レモワン・トレス
ロドルフ・ポーリー
アルベール・デルピー
<ストーリー&コメント>
ヨーロッパ旅行中の車内でめぐり逢い、一夜限りの恋に落ちてから9年。人気作家となり、フランスを訪れたジェシーは、パリでセリーヌと運命の再会を果たす。2人はお互いの近況を熱心に語り合うが、なかなか相手に対する自分の本当の気持ちを切り出せない。だが、時間は瞬く間に過ぎてゆき、ジェシーの帰国の時間が次第に迫ってくるのだった…。
僕も大好きな名作ラブストーリー『恋人までの距離』の続編。続編といっても、一応完結している作品の続きなので、後日談というか、アフターストーリーという感じ。
物語の中でも実際に9年の歳月が流れていて、パリの街で再会したジェーシとセリーヌ。別々に人生経験を積み、恋の酸いも甘いも味わってきた2人が織り成すドラマ。
前作の最大の特色は引き継がれ、全編が主演の二人の会話で構成されています。イーサン・ホークとジュリー・デルピー、この二人の演技がすごく自然でいいんだよね。
(以下、ネタバレ文。観た後で、マウスでなぞってお読みください)
ただ、あの終わり方はない気がするなぁ。こんなところで終わるの?!とつっこんでしまったよ(苦笑)
正直に言えば、こういう続編ならなくてもいいかも、と思う。前作の最後は、やはり人それぞれの解釈ができるんであって。それは序盤で、ジェシー自身の口でも語られているけど、明確に答えを出す必要はないんだろうし。そういう意味では、あの結末にひとつの決まった結論が出されてしまったのは残念。
本作もそういう狙いでこんな中途半端な終わり方なのかもしれないけど、奇を衒いすぎてるような気もする。
だけど、もしまた続編が作られたら、見てしまうんだろうなぁ(笑)結末はどうあれ、作品中の2人の距離感はすごく素敵だからね。
81分/★★★☆☆
(2006年5月6日)

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ビフォア・ミッドナイト
BEFORE MIDNIGHT
2013年アメリカ/ラブストーリー

<監督・脚本>
リチャード・リンクレイター
<出演・脚本>
イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー
<出演>
ウォルター・ラサリー
ゼニア・カロゲロプールー
アリアーヌ・ラベド
ヤニ・パパドプロ
アティナ・レイチェル・ツァンガリ
パノス・コロニス
シーマス・デイヴィー=フィッツパトリ
ック
<ストーリー&コメント>
パリでの運命の再会から9年。元妻との関係は冷え切り、時々会う息子のことを気に病むアメリカ人作家のジェシー。現在の彼はフランス人のセリーヌと一緒に暮らし、ふたりの間にはかわいい双子の娘がいた。パリに暮らしている彼らは、南ギリシャの美しい港町で夏のバカンスを過ごす。ウィーンでの初々しい出会いからすでに18年。すっかり中年となり、仕事と子育てに追われる日々。楽しいはずのバカンスも、気づくとすぐに言い合いとなってしまうふたりだったが…。
主人公ふたりの儚くもロマンティックな出会いを綴った『恋人までの距離』とその9年後の再会を描いた『ビフォア・サンセット』の名コンビ、イーサン・ホーク&ジュリー・デルピー、そして監督のリチャード・リンクレイターが再び結集し、前作からさらに9年後の物語を描いた恋愛ドラマ。最初の出会いから18年の時を重ねたジェシーとセリーヌの現在が、ギリシャの美しい風景をバックに赤裸々に描かれていく。
あいかわらずの会話劇(あれは台本?アドリブ?)が楽しいストーリーの第3弾です。今回は恋人同士ではなく、事実婚の夫婦としての二人なので、会話の内容も生活感のあるものが多いです。日々の暮らしの中で、お互いあれが気になる、これが気になる…と言い始めたらキリがないですね。仲間たちとのディナーのシーンでは様々な話題が飛び交って興味深いですが、前2作ほどのワクワク感はなくなってしまった感じです。
108分/★★★☆☆
(2015年4月6日)

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ひまわり
I GIRASOLI
1970年イタリア/ラブストーリー

<監督>
ヴィットリオ・デ・シーカ
<脚本>
チェザーレ・ザヴァッティーニ
トニーノ・グエッラ
ゲオルギ・ムディヴァニ
<出演>
ソフィア・ローレン
マルチェロ・マストロヤンニ
リュドミラ・サヴェリーエワ
アンナ・カレナ
ガリナ・アンドレーワ
<ストーリー&コメント>
第ニ次大戦前夜のイタリア・ナポリ。理髪師の娘ジョヴァンナと電気技師のアントニオは海岸で出会って恋に落ち、甘い新婚生活を送り始めた。アントニオは病を装って徴兵を逃れようとするが、見破られて過酷な厳冬のロシア戦線へと送られることになってしまう。やがて終戦を迎えるが、夫の生死すら不明であることに耐え切れなくなったジョヴァンナは、単身モスクワへ夫を捜しに旅立つ。ところが、ようやく彼の居所を突き止めた彼女がそこで目にしたのは、美しいロシア人女性と結婚し、彼女との間に愛児までもうけている夫の姿だった…。
ヴィットリオ・デ・シーカ監督が、戦争に引き裂かれた夫婦の運命を情感豊かに描いたメロドラマの金字塔。序盤から過酷な運命が待ち受けるクライマックスまで、展開に合わせて表情を変えてゆくソフィア・ローレンの熱演が見事で、涙なしには見られない。当時困難だったソ連でのロケ撮影を実現した戦場の描写も効果的で、物語の悲劇性をより一層高めた。アカデミー賞にノミネートされたヘンリー・マンシーニによる哀切なテーマ曲も観客の感涙を誘う。
名作の誉れ高き作品だけあって、重厚なドラマは年月を経ても色褪せないですね。こんな悲しいすれ違いをしてしまった男女が、戦争の時には無数にいたんでしょうね。
ソフィア・ローレンは本作の撮影当時、配偶者のいた製作者カルロ・ポンティと交際をしており、劇中に出てくる赤ちゃんは、実際に2人の間に出来た子供なんだそうです。2人は後に正式に結婚したんだとか。
108分/★★★☆☆
(2023年11月20日)

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百万長者と結婚する方法
HOW TO MARRY A MILLIONAIRE
1953年アメリカ/ラブコメディ

<監督>
ジーン・ネグレスコ
<脚本>
ナナリー・ジョンソン
<出演>
ローレン・バコール
マリリン・モンロー
ベティ・グレイブル
デビッド・ウェイン
ローリー・キャルホーン
キャメロン・ミッチェル
<ストーリー&コメント>
ニューヨークでモデルをしているシャッツィ、ポーラ、ロコの3人の美女は、「愛のための結婚なんて時代遅れ。大金持ちとの結婚こそ女の幸せ」と、なけなしの金で豪華マンションを借り、百万長者を掴まえようとあの手この手の作戦を練る。だがなかなかうまくいかず、家財道具を売り飛ばして何とか食いつなぐ日々。果たして、彼女たちは百万長者をゲットすることができるのか…?
当時の3大美人女優が夢の共演。中でも、ベテラン役者2人に負けないキュートなコメディエンヌぶりを発揮しているマリリン・モンロー。超ド近眼で眼鏡コンプレックスの役で、壁にぶつかったり、本を逆さまに読んだり、とても演技とは思えないキュートぶり。
ちなみに、ストーリーはコテコテのラブコメです。
クールなローレン・バコールは、1940年代は当時夫だったハンフリー・ボガートと共演し、ハードボイルドの女王と呼ばれた。
95分/★★★☆☆
(2003年7月10日)

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ヒューゴの不思議な発明
HUGO
2011年アメリカ/ファンタジー

<監督>
マーティン・スコセッシ
<脚本>
ジョン・ローガン
<出演>
ベン・キングズレー
サシャ・バロン・コーエン
エイサ・バターフィールド
クロエ・グレース・モレッツ
レイ・ウィンストン
エミリー・モーティマー
クリストファー・リー
ヘレン・マックロリー
マイケル・スタールバーグ
フランシス・デ・ラ・トゥーア
リチャード・グリフィス
ジュード・ロウ
<ストーリー&コメント>
1930年代のパリ。幼くして両親を失った孤独な少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、時計の整備をしながら、父の形見である壊れた機械人形を修理し、元通りに動かすことを夢見て暮らしていた。ある老人が経営するおもちゃ屋に出入りするようになったヒューゴは、彼の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが…。
マーティン・スコセッシ監督が夢と希望に満ちた孤独な少年の冒険を自身初の3Dで描き、アカデミー賞で5部門を受賞したファンタジー。
3D映画だからか、奥行きのある立体的な構図のシーンが多かった気がします。特に、大時計台の歯車の描写が綺麗。テレビで観ると普通の映画だけどね。ヒューゴが主役ではあるんだけど、公安官とか、花屋の女性とか、カフェのマダムとか、市井の人々の生活感がいい味を出していました。世界の歯車の話とか、いいセリフもあるし、アドベンチャー的要素もあり、なかなかの佳作かなと思います。
作り話なのかと思えば、わりと実話に沿って作られているんですね。ジョルジュ・メリエスは映画創世期に活躍した実在の人物で、500本を超える映画を作ったものの、人気が落ち、1920年代中ごろにはモンパルナス駅周辺で飴と玩具の売り子をしていたそうです。1925年、長年の愛人だったジュアンヌ・ダルシーと結婚し、パリに移住。1920年代末ごろ、何人かのジャーナリストがメリエスと彼の業績を調べ始め、映画界で再評価されるようになり、1929年12月にはサル・プレイエルで回顧展が開催されたそうです。本作の中でも出てくる、月に宇宙船が突き刺さる映画は『月世界旅行』という1902年の作品なんですね。
128分/★★★☆☆
(2018年12月9日)
第84回アカデミー賞(2011年) 撮影賞、美術賞、録音賞(音響賞)、視覚効果賞、音響編集賞

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ビューティフル・クリーチャー
BEAUTIFUL CREATURES
2000年イギリス/サスペンス

<監督>
ビル・イーグルス
<脚本>
サイモン・ドナルド
<出演>
レイチェル・ワイズ
スーザン・リンチ
ジェイク・ダルシー
イアン・グレン
トム・マニオン
モーリス・ローヴ
<ストーリー&コメント>
恋人の度重なる暴力に耐え兼ねて家を出たドロシーは、その矢先、夜の路上で男に殴られていた若い女ペトゥラと出会う。鉄パイプで男を殴ってペトゥラを救ったドロシーだったが、男は打ち所が悪く、そのまま死んでしまう。動転した二人は、なんとか殺人を隠蔽しようと男が誘拐されたように見せかけようとするのだが…。
コメディタッチに描かれてはいるが、全体的にブラックユーモアなサスペンス。事故とはいえ殺人を犯してしまったヒロイン二人、欲深い悪徳刑事、傲慢な富豪の兄。観終わった後、「なんじゃこりゃ」と言いたくなってしまった。だからどうした、という域を脱しない作品。限りなく2ツ★に近く、レイチェル・ワイズのファン以外は観なくても…という感じ。
見どころはといえば、『ハムナプトラ』シリーズのレイチェル・ワイズが、ブロンドのセクシー美女という全く違った役柄を演じている点と、「半分アクリル犬」かな。『メリーに首ったけ』のギブス犬には到底かなわないけど。
89分/★★★☆☆
(2002年12月25日)

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ビューティフル・マインド
A BEAUTIFUL MIND
2001年アメリカ/ドラマ

<製作・監督・出演>
ロン・ハワード
<脚本>
アキヴァ・ゴールズマン
<出演>
ラッセル・クロウ
エド・ハリス
ジェニファー・コネリー
クリストファー・プラマー
ポール・ベタニー
アダム・ゴールドバーグ
<ストーリー&コメント>
東西冷戦時代の1947年秋。プリンストン大学の大学院に進学したジョン・ナッシュは、すべてを支配する真理、真に独創的な着想をみつけたいと、数学の研究に没頭していた。そんな彼は周囲から変人扱いされ、友達はルームメイトのチャールズだけだった。だが数年後、彼は150年来の経済理論を覆す新理論に到達する。そんな類い希な頭脳に目をつけた国防総省は、彼に暗号解読という極秘任務を課すのだが…。
シルヴィア・ネイサーによる同名の伝記を基に、1994年にノーベル経済学賞を受賞した実在の人物ジョン・ナッシュの半生を描く。
何の予備知識も持たずに観たので、物語の推移にはかなり驚かされました。彼が実在の人物だったことも、偉大な理論を発見したことも知らなかったので。そういうことを知っていれば、もう少し観方が変わったかも。観始めて、「ある数学者が陰謀に巻き込まれていく」というストーリーだと思ってしまったから、後半から終盤にかけての展開にはちょっと拍子抜けしてしまったのは事実。
実際のジョン・ナッシュは、映画で描かれている以上に問題の多い人物だったようです。
136分/★★★☆☆
(2003年5月13日)
第74回アカデミー賞(2001年) 作品賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞

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評決のとき
A TIME TO KILL
1996年アメリカ/サスペンス

<監督>
ジョエル・シュマッカー
<脚本>
アキヴァ・ゴールズマン
<出演>
マシュー・マコノヒー
サンドラ・ブロック
サミュエル・L・ジャクソン
ケビン・スペイシー
オリヴァー・プラット
ドナルド・サザーランド
<ストーリー&コメント>
ミシシッピ州。白人の不良青年二人組に娘をレイプされ、父親で黒人労働者のカール・リーは青年たちを射殺。新米弁護士ジェイクは、聡明な女子法学生エレンの協力も得てその弁護を引き受ける。裁判が進む一方、白人至上主義者たちは、ジェイクやエレンに対して卑劣な方法で圧力をかけていく…。
白熱する法廷、高まる人種間の対立を描く緊迫感満点のサスペンス。
子を思うすべての父親の気持ちを代弁するサミュエル・L・ジャクソンの熱演が胸をうつ。『判決前夜』にも通ずるものがある法廷映画。すごくハラハラします。
ジェイクの妻役でアシュレイ・ジャッドが出演。
150分/★★★★ 関連記事がコラムにもあります。

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ビヨンド・ザ・エッジ/歴史を変えたエベレスト初登頂
BEYOND THE EDGE
2013年ニュージーランド/ドキュメンタリー

<監督・脚本>
リアン・プーリー
<出演>
チャド・モフィット
ソナム・シェルパ
ジョン・ライト
ジョシュア・ルッター
ダニエル・マスグローブ
<ストーリー&コメント>
1950年代、人類未踏の世界最高峰・エベレストの初登頂を成功させようと、各国の登山家たちは凌ぎを削っていた。1953年、陸軍大佐ジョン・ハント率いる362人のイギリス遠征隊が登頂に挑むが、モンスーンが接近しており、登頂アタックのできる刻限は迫っていた。先発の第1次アタック隊は体力・酸素不足により登頂を取りやめ、ニュージーランド人のエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイから成る第2次アタック隊が頂上を目指すことに。皆の期待を背負った二人だが、次々と自然の猛威が彼らを襲うのだった…。
1953年5月29日、ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーとネパール人のシェルパ、テンジン・ノルゲイが、世界最高峰エベレストの登頂に人類で初めて成功した。そんな2人の偉業を、当時の記録映像と迫真の再現ドラマで振り返る山岳ドキュメンタリー・ドラマ。
監督はニュージーランドを拠点に活躍する女性ドキュメンタリー作家、リアン・プーリー。
すごく面白かったです。人類初のエベレスト制覇はイギリスの登山隊だけど、アタッカーはニュージーランド人と現地シェルパのチームだったんだね。主人公のヒラリーはニュージーランド出身で、胸の内は熱いけど、物静かな人だったそうです。エリート意識のあるイギリス人たちのチーム内での葛藤とか、秘めた野心なんかも丁寧に描かれていて、淡々としたドラマの中でも、しっかりとした芯が通っていたんじゃないかな。
登山ドラマとしては『エベレスト』『運命を分けたザイル』もあるけど、史実を基にしたものはやっぱり重みがあるね。
91分/★★★★
(2019年8月12日)

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ビリー・バスゲイト
BILLY BATHGATE
1991年アメリカ/ギャング&マフィア

<監督>
ロバート・ベントン
<脚本>
トム・ストッパード
<出演>
ダスティン・ホフマン
ニコール・キッドマン
ローレン・ディーン
ブルース・ウィリス
スティーブ・ブシェーミ
スティーヴン・ヒル
モイラ・ケリー
<ストーリー&コメント>
1935年、ニューヨークの暗黒街に君臨した実在のギャング、ダッチ・シュルツ。彼に憧れ、子分となった血気盛んな青年ビリー。機転の利くビリーはシュルツの側近にまでのし上がる。ところがシュルツの片腕で親友でもある殺し屋ボーの裏切りが発覚。シュルツはボーを冷酷にも恋人の前で始末する。それを見たビリーは成功の道と信じていたギャングの世界が、裏切りと殺しの横行する恐ろしい世界だと気付き始める…。
憧れていたギャングの世界に飛び込んだ青年が、裏社会の本当の姿を学んでいく姿を描いた人間ドラマ。不況時代、ニューヨークに大勢力を誇った実在のマフィア、ダッチ・シュルツの晩年を、彼の子分となった純朴な青年ビリー・バスゲイトの成長を通して描いたE・L・ドクトローのベストセラー小説の映画化。
ギャングの世界を、ローレン・ディーン演じる青年ビリーの視点で描く。ストーリーは平板で奥行きはあまりないけど、キャストはなかなか豪華です。「ダイ・ハード」なブルース・ウィリスでさえ端役だし。ニコール・キッドマンが惜しげもなく脱いじゃうのもちょっと驚きです。
個人的には、『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』でドナ・ヘイワードを演じたモイラ・ケリーが出ていたのが懐かしかった。
107分/★★★☆☆
(2002年10月9日)