.

セイヴ・ザ・タイガー
SAVE THE TIGER
1973年アメリカ/ドラマ

<監督>
ジョン・G・アヴィルドセン
<脚本>
スティーヴ・シェイガン
<出演>
ジャック・レモン
ジャック・ギルフォード
ローリー・ハイネマン
ノーマン・バートン
パトリシア・スミス
<ストーリー&コメント>
ハリー・ストナーは衣料メーカーを経営する社長。だが昨年から経営不振に陥り、資金繰りに苦労していた。ハリーと会計士のフィルは監査が入ることに怯える日々。資金繰りに困ったハリーは、工場の保険金目あてに、裏の仕事屋チャーリーに自社の工場への放火を依頼する…。
衣料メーカーの経営者が資金繰りに苦労し悩む姿を描いたドラマ。
物語としては、あまり「面白い」というものではありません。ジャック・レモン演ずる会社社長のハリーが、あれこれと苦難する様を延々と描いています。豪邸をかまえたものの妻や娘とはすれ違いの日々、社員の文句を聞き流し、有力取引先役員には取り引きの名目で若い女性をあてがい、自らはショーの挨拶中に幻影を見てしまう始末。資金繰りに苦しみ、自社工場への放火を思いついたり…。「こんなことなら野球選手になるんだった」と現実逃避してしまいたくなる、そんな憂鬱な日々なのです。そんな苦悩の日々を、ジャック・レモンが悲哀タップリに演じています。オスカーを受賞した彼の演技を堪能する作品、と言えそうです。
101分/★★★☆☆
(2003年3月23日)
第46回アカデミー賞(1973年) 主演男優賞

.

セイビング・ジェシカ・リンチ
SAVING JESSICA LYNCH
2003年アメリカ/戦争ドラマ

<監督>
ピーター・マークル
<脚本>
ジョン・ファサーノ
<出演>
ニコラス・グイラック
ローラ・リーガン
マイケル・ルーカー
ブレント・セクストン
マーク・モーゼス
ベンジャミン・キング
クリスタル・ライトニング
スーザン・パリ
<ストーリー&コメント>
2003年3月、アメリカ軍は大量破壊兵器の廃棄とフセイン独裁からの解放を大義にイラクへ侵攻、イラク戦争が勃発する。各地で激しい戦闘が続く中、米軍の507整備補給中隊はナシリヤ郊外で敵の待ち伏せに遭い、ジェシカ・リンチ上等兵ら数人の米兵が捕縛されてしまう。米軍はあらゆる手段を使って彼女たちを捜索するが、発見は困難を極めた。そんな中、イラク人弁護士が尋問を受けているジェシカを目撃し、米軍へ通報するのだが…。
イラク戦争で捕虜となった19歳のアメリカ人女性兵士ジェシカ・リンチの救出作戦を描いた実録戦争ドラマ。
やっぱり作っちゃったんだ、というのが正直な感想。当時この捕虜救出事件のニュースは、大きく取り上げられていたよね。『プライベート・ライアン』になぞらえて、ジェシカ・リンチの物語を映画化するとかなんとか。こういうところ、いかにもアメリカ的だなぁと思ったものでした。
肝心の内容としては、テレビ映画ということもあり、『プライベート・ライアン』には遠く及ばない。淡々と事実をエピソードとして紡いでいったもので、ドラマ風ドキュメントという感じ。ただ、イラク人の家族が英語で会話してるのはいかがなものか。
それにしても、マイケル・ルーカー。怖ッ!何もしてなくても、その雰囲気だけでかなり怖い。
95分/★★☆☆☆
(2005年8月1日)

.

西部戦線異状なし
ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT
1930年アメリカ/戦争ドラマ

<監督>
ルイス・マイルストン
<原作>
エリッヒ・マリア・レマルク
<脚本>
マックスウェル・アンダーソン
デル・アンドリュース
ジョージ・アボット
<出演>
リュー・エアーズ
ウィリアム・ベイクウェル
ラッセル・グリーソン
ルイス・ウォルハイム
スリム・サマーヴィル
ジョン・レイ
ウォルター・ブラウン・ロジャース
<ストーリー&コメント>
第一次大戦中のドイツの小さな町。老教師が説く愛国の精神に駆り立てられ、ポールら6人の若者が出征を志願する。だが、現実の戦場は、彼らの想像を絶するところだった。飢えと死の恐怖が連続する毎日の中に、彼らは1人、また1人とその若い生命を散らせていくのだった…。
ドイツ軍兵士として第一次大戦に参戦した体験をもとに描かれたエリッヒ・マリア・レマルクの世界的ベストセラー小説の映画化。愛国精神を胸に志願兵となり、厳しい訓練を経て最前線に送られ、命がいとも簡単に消えていく悲惨な現実を味わい死んでいった一人の若い兵士の姿を通して、戦争の無意味さを描いた反戦映画の古典的名作。
今の時代でこそ戦争批判を扱った映画、小説は数多く発表されているが、当時は活気的なものだったんだと思う。原作の記録小説も、日本だけでなく、世界中で物議を醸しだしたんだそうです。
そういう時代的な背景というのはなかなか伝わりにくいけど、全編を通して描かれている戦争批判、ヒューマニズムの精神は随所からあふれ出しています。
だけど、こんな作品が作られているのに、どうして世界はまた同じ過ちを繰り返してしまうんだろう。
100分/★★★☆☆
(2009年2月6日)
第3回アカデミー賞(1929〜30年) 作品賞、監督賞

.

セッション9
SESSION 9
2001年アメリカ/ミステリー

<監督・脚本>
ブラッド・アンダーソン
<脚本>
スティーヴン・ジェヴェドン
<出演>
ピーター・ミュラン
デヴィッド・カルーソ
スティーヴン・ジェヴドン
ポール・ギルフォイル
ジョシュ・ルーカス
ブレンダン・セクストン3世
<ストーリー&コメント>
マサチューセッツ州立ダンバース精神病院は、閉鎖からかなりの年月が経ち、廃墟となりかけていた。新たに公共施設として生まれ変わらせるため、ゴードンをリーダーとする5人の作業員たちが改修工事にやってくる。本来なら2週間はかかる作業を、多額の報酬と引き換えに半分の日数で終わらせるという取り決めによる過酷な労働と、建物に蓄積された狂気や恐怖が彼らを次第に蝕んでいく。そんなある日、仲間の1人が突然姿を消してしまう…。
約100年間にわたって数多くの患者を収容した末、1984年に閉鎖されたダンバース精神病院。いまや北米一恐ろしい廃墟として名高いこの病院の跡地を舞台に描くサイコ・サスペンス。
キャストは地味だけど、それぞれに一物を秘めたような演技が雰囲気にマッチしていて不気味。最後のオチはちょっと納得がいかなかったけど、暗闇による緊迫感や、古びた映像など全体的な雰囲気はなかなか。
100分/★★★☆☆
(2003年7月11日)

.

セブン
SE7EN
1995年アメリカ/クライムサスペンス

<監督>
デビッド・フィンチャー
<出演>
ブラッド・ピット
モーガン・フリーマン
グウィネス・パルトロウ
ケビン・スペイシー
<ストーリー&コメント>
退職間近のベテラン刑事サマセットと新人刑事ミルズ。2人の前に驚愕の連続殺人事件が発生する。胃袋が破裂するほど食物を詰め込まれた大食殺人、舌と右腕を切り取られ、衰弱していく様を撮った写真が残された怠惰殺人など、犯人の冷酷で残忍な手口が本当に恐い。
結末が…ひどい。後味の悪い映画って、どうもダメなんだよね。
128分/★★☆☆☆

.

セブン・イヤーズ・イン・チベット
SEVEN YEAR IN TIBET
1997年アメリカ/ヒューマンドラマ

<監督>
ジャン・ジャック・アノー
<出演>
ブラッド・ピット
デビッド・シューリス
B・D・ウォン
<ストーリー&コメント>
第二次世界大戦のさなか、インドで捕虜となり収容所に送られた登山家ハラー。脱走を試み、2年にも及ぶ逃亡の末チベットにたどり着き、そこで西洋文化に興味を示す若きダライ・ラマの家庭教師を依頼される…。
禁断の地チベットを舞台に、オーストリアに実在の登山家ハインリヒ・ハラーと、若き日のダライ・ラマとの魂の交流を壮大なスケールで描く一大叙事詩。
荘厳なチベットにブラッド・ピットの演技が光る。
136分/★★★★

.

セル
CELL
2016年アメリカ/ホラー

<監督>
トッド・ウィリアムズ
<原作・脚本>
スティーヴン・キング
<製作総指揮・出演>
ジョン・キューザック
<出演>
サミュエル・L・ジャクソン
イザベル・ファーマン
クラーク・サルーロ
オーウェン・ティーグ
アンソニー・レイノルズ
エリン・エリザベス・バーンズ
ステイシー・キーチ
<ストーリー&コメント>
ボストンの空港から別居中の妻子に電話をかけるコミック作家のクレイだったが、途中で電池切れになってしまう。しばらくすると、携帯電話で話していた周囲の人々が一斉に凶暴化する。たちまちのうちにパニック状態となった空港から地下鉄に逃げ込んだクレイは、車掌のトムと、自宅アパートの階上に住む少女アリスと協力しあいながら、妻子のいるニューハンプシャーを目指すのだが…。
スティーヴン・キングの同名ベストセラーを映画化したホラー・サスペンス。携帯電話で謎の電波に感染した人々が次々と凶暴化していくパニック状態の世界で決死のサバイバルを繰り広げる主人公たちの運命を描く。
ネタバレ覚悟で一言で言ってしまうと「ワケのわからないゾンビ映画」です。携帯電話から出る「パルス」が人々を狂わせて狂暴化。「携帯人」たちは群れを作り、何かの目的に向かって集団行動をしているんだけど、その目的や、黒幕の正体などは謎のまま。クレイの作った想像上の悪魔とも考えられるし、携帯依存の現代人への警鐘とも考えられるけど…真相は不明です。そういうのが「不気味で不条理なもの」として受け入れられる人じゃないと、このテの映画はキツイですね。
エンディングでは2つの異なるエンディングが用意されています。果たしてどちらが相応しいのか…。僕は後の方がシックリくるんだけどね。
98分/★★★☆☆
(2018年9月24日)

.

セルラー
CELLULAR
2004年アメリカ/サスペンス

<監督>
デヴィッド・R・エリス
<原案>
ラリー・コーエン
<脚本>
クリス・モーガン
<出演>
キム・ベイシンガー
クリス・エヴァンス
ウィリアム・H・メイシー
ジェーソン・ステーサム
ジェシカ・ビール
ノア・エメリッヒ
<ストーリー&コメント>
住宅街で夫や息子と平和に暮らす、高校の科学教師ジェシカ。だがある朝、息子を学校へ送った直後に数人の男に連れ去られ、彼らのアジトに監禁されてしまう。ジェシカは壊された電話を修理し、誰かに救出を求めようとする。それは偶然、お調子者の青年ライアンの携帯電話につながるが、ライアンは最初はいたずらだと思う。だがジェシカが必死なことに気づき、彼女に協力することに。まずはジェシカの息子を誘拐犯たちから守ろうとするが…。
携帯電話という小道具を存分に活かした、スリリングなサスペンス。ラリー・コーエンが『フォーン・ブース』の脚本に続き、電話スリラー(?)の面白さをたっぷりと楽しませてくれる。監督は『デッドコースター』の活劇派デヴィッド・R・エリス。
ものすごく面白かったです。理由も分からず拉致されたジェシカ、偶然事件に巻き込まれてしまったライアン。その2人は全く見ず知らずの他人なんだけど、2人が協力しあう構図に自然と導かれていく演出が巧い。キム・ベイシンガーもいいけど、やっぱりクリス・エヴァンスの奮闘ぶりが光る。充電器を手に入れようと、発砲までしてしまう暴走ぶりがすごい。
カーチェイスの大事故など、事件とは全く関係ないところで多数の死傷者が出ているのに、全てが丸くおさまったエンディングもハリウッド映画ならではの痛快さだ!(笑)
95分/★★★★
(2006年7月4日)

.

セレンディピティ
SERENDIPITY
2001年アメリカ/ラブコメディ

<監督>
ピーター・チェルソム
<脚本>
マーク・クライン
<出演>
ジョン・キューザック
ケイト・ベッキンセール
ジェレミー・ピヴェン
モリー・シャノン
ジョン・コーベット
ブリジット・モイナハン
ユージーン・レヴィ
<ストーリー&コメント>
クリスマスを控えたニューヨークのデパートで、ジョナサンとサラは偶然知り合う。運命的な出会いを感じた二人だったが、サラは「自分たちが運命の恋人なら、どこかでまた出会えるはず」と言って姿を消す。だが、運命の再会はならないまま数年が過ぎ、それぞれ結婚を間近に控えていたが、それぞれにあの出会いが忘れられないでいた…。
冬のニューヨークを舞台に、「幸運な偶然」という名の「セレンディピティ」という店から始まる、偶然の恋の行方を描くラブ・ストーリー。
とても素敵な作品でした。最近観たラブストーリーものでは一番好きかも。『めぐり逢えたら』『猟奇的な彼女』と同じように、「運命の出会い」がテーマ。たしかに展開はコテコテだし、結末も読めてしまうんだけど、こういう王道作品はそれだけに安心して楽しめる良さがあります。
何が素敵って、ヒロインのサラ。ものすごく綺麗でキュートで、「この人誰だろう」と思いながら観てたら『パール・ハーバー』のケイト・ベッキンセール。全然雰囲気違ってたからわかりませんでした。今作の方がずっといいよ。綺麗で、知的で、清涼感があって…。キャサリン・マコーマックナオミ・ワッツなんかもそうだけど、イギリスの女優さんって、アメリカ人女優とは違う雅さがあっていいですよね。
ジョン・キューザック、いつもよりさらに鼻の下がノビてたような気がするのは僕だけだろうか?
91分/★★★★
(2003年11月2日)

.

ゼロ・グラビティ
GRAVITY
2013年アメリカ/SFサスペンス

<製作・監督>
アルフォンソ・キュアロン
<脚本>
アルフォンソ・キュアロン
ホナス・キュアロン
<出演>
サンドラ・ブロック
ジョージ・クルーニー
エド・ハリス(声の出演)
<ストーリー&コメント>
スペースシャトル「エクスプローラー」に搭乗した女性エンジニアのストーン博士は、今回が初めてのミッション。ベテラン宇宙飛行士コワルスキーのサポートを受けながら船外での修理作業に当たっていたが、その時、ロシアが自国の衛星を爆破したことが原因で大量の破片が軌道上に散乱し、猛烈なスピードでスペースシャトルを襲う。衝撃で漆黒の宇宙へと放り出された2人は、互いを繋ぐ1本のロープを頼りに、絶望的な状況の中、奇跡の帰還を信じて決死のサバイバルを繰り広げるのだが…。
船外活動中に予期せぬ事故で宇宙空間へ放り出され、救助も期待できない絶望的状況で漂い続ける2人の宇宙飛行士の運命を、無重力の世界を圧倒的な臨場感で再現した3D映像でスリリングに描く。アカデミー監督賞のほか、技術的な部門の賞を独占、7部門受賞に輝いた。
正直「まぁまぁかな」と思ったけど、評価がすごく高いので逆に驚きました。「孤独な宇宙空間での生存劇」と言えば響きはいいけど、ジョージ・クルーニーの軽口やラジオで逆に真剣味がそがれたのと、サンドラ・ブロックの脱出劇(生存劇ともいう)が、止まらないバスのようにも思えて…。映画館で3Dで観たら、もっと感想違ってたのかなぁ。
(以下、ネタバレ文。観た後で、マウスでなぞってお読みください)
ザックリ言っちゃうと、ロシアの爆破行動で他の国は大迷惑。国際宇宙ステーションや中国の宇宙基地までもエラいことになるし、スペースシャトルのクルーたちはほぼ全滅。損害の規模はまさに宇宙規模。これ、どうやって保障すんのかな?放り出された2人は国際宇宙ステーションに救助を求めるけど、なぜかそこはもぬけの殻。最後には地上からのサポートもなしで中国の船(ここもなぜか無人)を自在に操作して、操作パネルが読めないのに、複雑な大気圏突入とかできるもんなの?突入艇も、外から来た救助員が操作して開けるイメージだけど…。
91分/★★★☆☆
(2017年12月17日)
第86回アカデミー賞(2013年) 監督賞、撮影賞、録音賞、編集賞、作曲賞、視覚効果賞、音響編集賞

.

戦火の勇気
COURAGE UNDER FIRE
1996年アメリカ/戦争ドラマ

<監督>
エドワード・ズウィック
<出演>
デンゼル・ワシントン
メグ・ライアン
ルー・ダイアモンド・フィリップス
スコット・グレン
マット・デイモン
<ストーリー&コメント>
米軍大佐サーリングは女性パイロットの戦死の謎を追う。ある者は彼女を臆病者と呼び、ある者は英雄と尊敬しており、彼は混乱するのだが…。湾岸戦争の映像を交えつつ展開するミステリー風のドラマ。
はりめぐらされた伏線と主演陣の熱演が素晴らしい。
複雑に絡み合うストーリーの展開。衝撃の真相は、感動モノです。
117分/★★★★

.

戦艦バウンティ号の叛乱
MUTINY ON THE BOUNTY
1935年アメリカ/ドラマ

<監督>
フランク・ロイド
<脚本>
タルボット・ジェニングス
ジュールス・ファースマン
ケイリー・ウィルソン
<出演>
チャールズ・ロートン
クラーク・ゲイブル
フランチョット・トーン
ハーバート・マンディン
エディ・クィラン
ダドリー・ディッグス
ドナルド・クリスプ
ヘンリー・スティーヴンソン
フランシス・リスター
スプリング・バイイントン
<ストーリー&コメント>
1787年12月23日、イギリスのポーツマス港を出航した軍艦バウンティ号は、奴隷用の食料品としてパンノキの苗を西インド諸島に運ぶ任務のため、南海の楽園・タヒチを目指した。悪天候に悩まされながらも、1788年10月26日にタヒチ島に到着。約6ヶ月の滞在の後、帰路についたものの、ブライ艦長によって往路から繰り返された過酷な重労働を強いられた船員たちの怒りが爆発してしまう。航海士の1人フレッチャー・クリスチャンをリーダーに、叛乱軍はブライ艦長らを小船に置き去りにしてしまうのだが…。
南太平洋で実際に起こった叛乱事件をもとに、チャールズ・ノードホフとジェームズ・ノーマン・ホールが書いたベストセラー小説の映画化。日本での劇場公開当時は検閲のため大幅にカットされ、邦題は『南海征服』だった。
史実を元にした映画ということで、とても興味深く観ました。当時としては破格の値段を投じて作られた大作ということで、船や海でのシーンがとてもリアルでした。
何がすごいって、日本が第二次世界大戦で敗北するより10年も前にこんな映画作品が作られていたこと。クラシック映画を観るたび、アメリカとの国力の差をまざまざと見せ付けられる思いがします。
主演の三人はいずれも公演でアカデミー賞にノミネートされましたが、3人同時のノミネートで票が割れ、結局誰も受賞はなりませんでした。
132分/★★★☆☆
(2016年5月15日)
第8回アカデミー賞(1935年) 作品賞

.

戦場にかける橋
THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI
1957年イギリス/戦争ドラマ

<監督>
デビッド・リーン
<原作・脚本>
ピエール・ブール
<出演>
ウィリアム・ホールデン
アレック・ギネス
ジャック・ホーキンス
早川雪洲
ジェイムズ・ドナルド
ゲオフレー・ホーン
<ストーリー&コメント>
日本軍の斎藤大佐はクワイ河への鉄道橋架設工事を英国軍捕虜に科す。だが英国軍大佐ニコルソンは将校への待遇をめぐり反発。始めは衝突のあった両者だが、次第に歩み寄り、強固な橋を架けるべく一致協力する。しかし一方では、英国軍の手によって鉄橋の爆破作戦が着々と進められていた…。日本軍の占領下にあった第ニ次大戦中のビルマ(現ミャンマー)を舞台に、鉄橋をめぐって繰り広げられる日・米・英の人間の名誉と誇りを賭けた凄まじい戦いを描いた、映画史上に輝く不朽の戦争巨編。アカデミー作品賞、監督賞等7部門受賞作。
素晴らしいです。最初はちょっと退屈したんだけど、状況が把握できてからは惹き込まれるように見てしまいました。戦争の状況下、過酷な労働を強いる日本軍大佐と、厳しい軍律と己の主義を尊重しこれに対抗する英国軍大佐。その図式は、あたかも日本の武士道と英国の騎士道の対決のよう。息詰まる両者の合間に介入するアメリカ人シアーズが、またいい味を出しています。
戦場の最前線での激闘の裏で、補給線を保つべく繰り広げられた静かな戦争。武器をとって戦うわけではないけど、こういう形の戦争映画もあるんだと思いました。特にラストシーンは、ドキドキの展開でした。
163分/★★★★★
(2002年8月23日)
第30回アカデミー賞(1957年) 作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞

.

戦場のピアニスト
THE PIANIST
2002年フランス、ポーランド、ドイツ/歴史ドラマ

<製作・監督・脚本>
ロマン・ポランスキー
<脚本>
ロナルド・ハーウッド
<原作>
ウワディスワフ・シュピルマン
<出演>
エイドリアン・ブロディ
トーマス・クレッチマン
フランク・フィンレイ
モーリーン・リップマン
エミリア・フォックス
エド・ストッパード
ジュリア・レイナー
ジェシカ・ケイト・マイヤー
ミハウ・ジェブロフスキー
ワーニャ・ミュエス
ルース・プラット
ロナン・ヴィバート
ヴァレンタイン・ペルカ
ポペック
<ストーリー&コメント>
1939年9月1日、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻。ワルシャワはナチスに占拠され、ユダヤ人に対する迫害が次第に激化していく。ラジオ局でピアノ演奏の仕事をしていたウワディスワフ・シュピルマンも、家族や他の大勢のユダヤ人とともにゲットー(ユダヤ人居住区)に移り住むことになる。やがて彼らはユダヤ人強制収容所へ送られるのだが、シュピルマンは辛くも移送を免れる。その後、息を潜めて必死に生きていた彼だったが、ある日ドイツ人将校に見つかってしまう…。
第二次大戦中のポーランドでナチスによる迫害に苦しめられ、絶えず死の恐怖に曝されながら遂に戦後まで生き延びた実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン。そんな彼の実体験を綴った回想録をもとに、自らもゲットーで過ごし、実母をユダヤ人強制収容所で失った悲痛な原体験を持つ、ロマン・ポランスキーが映画化。各国の映画祭で絶賛された感動作。
シュピルマンの生き様にスポットをあて、淡々と、抑制の利いた演出で格調高く描写しています。それだけに、歴史の悲劇の重みが響くんですが、このあたりの作風は人によっては退屈に感じるかもしれません。『JFK』なんかもそうだけどね。『シンドラーのリスト』のように登場人物が多かったり展開が豊かなわけではなく、内容的にはむしろ『キャスト・アウェイ』に近いものがあります。
戦争を描いた映画作品やドキュメンタリーはたくさんあるけど、どれがいいとか悪いじゃなく、それぞれに悲劇や沈鬱なドラマがあるわけで。この作品もそのうちのひとつだと思うんですね。結論から言うとシュピルマンは生き延びるわけですが、この作品で彼は人としての尊厳、誇りを次第に失っていきます。それらは、生きることの前には、ひとかけらのパンほどの価値も持たない。逃亡生活のうちに彼は次第に己を忘れ、夢や希望もなく、ただひたすら食べ物を探すこと、身を隠して生きることにのみ執心していきます。戦争の巨悪は、人間からすべてのものを奪い去るのです。最後に残るのは、生きる本能だけ。しかし、生き延びられるかどうかは己の意思と肉体、そして運。最後に彼はある出来事で本来の己を取り戻し、絶望に痩せ細っていたその四肢に生きるための活力が漲っていきます。そんなふうに、奇跡的に生き延びた一人の人間がいたことを描きたかったんだと思うんですね。ピアノがどうとかじゃなく、彼はただ生き延びたかったんじゃないかと。極限の状態で思考能力も衰え、ただ生きる本能のみが人間をここまで強く突き動かしたんだということを。
とてもすばらしい作品でした。エイドリアン・ブロディ、まさにオスカーにふさわしい熱演だったと思います。
(以下、ネタバレ文。観た後で、マウスでなぞってお読みください)
シュピルマンがホーゼンフェルト大尉の前で弾いた曲は、映画では「バラード第一番ト短調」になっていますが、実際には「ノクターン嬰ハ短調」だったそうです。
148分/★★★★
(2004年4月3日)
ウワディスワフ・シュピルマン公式サイト(英語)
第75回アカデミー賞(2002年) 主演男優賞、監督賞、脚色賞

.

センター・オブ・ジ・アース
JOURNEY TO THE CENTER OF THE EARTH
2008年アメリカ/アクションコメディ

<監督>
エリック・ブレヴィグ
<脚本>
マイケル・ワイス
ジェニファー・フラケット
マーク・レヴィン
<製作総指揮・出演>
ブレンダン・フレイザー
<出演>
ジョシュ・ハッチャーソン
アニタ・ブリエム
セス・マイヤーズ
ジャン・ミシェル・パレ
ジェーン・ウィーラー
フランク・フォンテイン
<ストーリー&コメント>
10年前に行方不明になった兄マックスの学説を証明するため、地質学教授トレバーは地底世界の存在について研究していた。そんなある日、兄の13歳になる息子ショーンを預かることになったトレバーは、ショーンの愛読書『地底旅行』の中に、マックスが書き記したメモを発見する。それが彼の失踪と関連があると考えたトレバーは、調査を進めるためショーンと共にアイスランドへと向かう。そして、現地の女性山岳ガイドのハンナを案内人に、ヴェルヌの『地底旅行』で“地球の中心へとつながる入口がある”と書かれているスネフェルス山へ向かうのだが…。
冒険SF小説の巨匠ジュール・ヴェルヌによる『地底旅行』の世界を最新の3D技術を駆使して映画化したアクション・アドベンチャー。
ツッコミどころは満載なんだけど、高速トロッコや人食い魚の飛び交う地底湖など、ノンストップアクションの連続で楽しめました。いろんな穴が多いけど、そこにいちいち目くじらを立ててたらこのテの作品は楽しめないよね。僕がこれを観たのはテレビだけど、この作品は劇場公開時は3Dだったんだね。そう考えると、冒頭の歯磨きのシーンで画面の方に向かってうがいをしていたのも理由に納得。飛び交う人食い魚とか、襲い来る恐竜なんかもすごい迫力だったんだろうね。
『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』もそうだけど、ブレンダン・フレイザーはこのテの作品がハマリ役ですね。
ちなみに、ディズニー・シーに同名アトラクションがあるけど、映画はディズニー製作ではないんだね(笑)
93分/★★★☆☆
(2018年11月6日)

.

セント・エルモス・ファイアー
ST. ELMO'S FIRE
1985年アメリカ/青春ドラマ

<監督>
ジョエル・シュマッチャー
<出演>
エミリオ・エステベス
ロブ・ロウ
アンドリュー・マッカーシー
ジャド・ネルソン
デミ・ムーア
アリー・シーディ
メア・ウィニンガム
<ストーリー&コメント>
ビリーとウェンディが交通事故にあったという知らせを聞きつけ、大学時代の仲間達が病院に駆けつける。その後彼らは、学生時代から良く集まった”セントエルモの店”で盛り上がり、セピア色の青春は永遠に続くかのように思えたのだが…。
年上の女性に恋するカービー、恋とキャリアの両立を望むレスリー、頼るものがなく情緒不安定になるジュールスら、社会に出たばかりの男女7人の姿を描く。
108分/★★★☆☆

.

セントラル・ステーション
CENTRAL DO BRASIL
1998年ブラジル/ドラマ

<監督・脚本>
ウォルター・サレス
<脚本>
ジョアン・エマヌエル・カルネイロ
マルコス・ベルンステイン
<出演>
フェルナンダ・モンテネグロ
マリリア・ペラ
ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ
ソイア・リラ
オトン・バストス
オターヴィオ・アウグスト
<ストーリー&コメント>
リオの中央駅で代筆屋を営む中年女ドーラのもとへ、少年を連れた母親がやって来た。だが夫への手紙を依頼した直後、母親が交通事故で急死してしまう。ドーラは行き場を失った少年・ジョズエを家に連れ帰る。母親の遺した手紙の住所を頼りに父親に会いに行きたいというジョズエを放っておけないドーラは、仕方なく父親探しの旅に同行することにするのだが…。
父親探しを通して芽生えた少年と中年女性の心の交流を暖かく描いたロードムービー。1998年のベルリン映画祭金熊賞(グランプリ)銀熊賞、主演女優賞受賞。第71回(1998年度)アカデミー主演女優賞でも2部門にノミネートされた佳作ドラマ。出演はブラジルの名女優フェルナンダ・モンテネグロ、本作が映画初出演の子役ヴィニシウス・デ・オリヴェイラほか。
いわゆるロードムービーですが、いろんなことが衝撃的でした。文字の読み書きができない人が多く代筆屋がいるというブラジルの識字率の低さ、映りの悪い旧型テレビ、万引きをしたら射殺される環境、詐欺や臓器売買が普通に行われている治安の悪さ。そんな中、乗り心地の悪そうな長距離バスで移動する様子がすごく牧歌的。相性最悪でスタートしたドーラとジョズエの旅ですが、次第に二人が心を通わせていく様子が微笑ましいです。
ラストで美しい涙を流していたジョズエを演じたヴィニシウス・デ・オリヴェイラ。現在は38歳となり、まだ俳優を続けているみたいですが、この作品以上のヒットには恵まれなかったみたいですね。
111分/★★★☆☆
(2023年8月6日)

.

ゼンの災難
ZEN AND THE ART OF LAND SCAPING
2001年アメリカ/コメディ

<監督・脚本>
デヴィッド・カーチ
<出演>
グレッグ・ハバーニー
キャスリーン・ギャレット
ジェイコブ・ピッツ
マーク・ブラム
<ストーリー&コメント>
芝刈りの仕事で生計をたてている青年・ゼン。彼は、ある時訪れた依頼先で、帰宅した妖艶な夫人の誘惑に乗ってしまう。キッチンで熱い抱擁を交わしているとき、息子や夫が次々に帰宅してきて、次々と衝撃の事実が暴露され、思いもしない騒動が起こってしまう…。
米国サンダンス映画祭でも話題を呼んだショートフィルム。
なんともイタイコメディです。短篇ならではのスピード感で、次々と明かされる真実。邦題タイトルは「ゼンの災難」だけど、4人の登場人物で本当に一番災難だったのは、果たして誰なんだろう。
(以下、あらすじ紹介文。マウスでなぞってお読みください)
夫の浮気を知った妻は、あてつけに庭師のゼンを誘惑しようとする。ところがそこに現れたのは息子の方。彼は高校時代、ゼンに虐待されていたのだった。しかも出しぬけに、ゲイであることを告白。ところが、そこに帰ってきた夫は息子が養子であることを暴露。さらに夫の浮気相手は、ゼンの恋人だった。4人が4人とも気まずい思いで、そこにはやりきれない空気が流れるだけだった。
17分/★★★☆☆
(2005年1月7日)