
| 有川 浩 | (1972.6.9−) |
| ありかわ・ひろ(女性) 1972(昭和47)年、高知県生まれ。 2004年、『塩の街』で電撃小説大賞を受賞し、デビュー。 2006年の『図書館戦争』は、本屋大賞で第5位を獲得。 2008年、『図書館戦争』シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。 2009年の『植物図鑑』も本屋大賞にノミネートされた。 |
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*読んだ著書*
阪急電車
(2008年刊/幻冬舎)
映画化『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011年日本)
〔概要〕
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。
片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。
乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。
恋の始まり、別れの兆し、途中下車−。
人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。
〔感想〕
すごくほのぼのとしてて、面白かったです。
ウチの奥さんがこの作家さんを好きで前からよく読んでいたので、気にはなってたんだけどね。
同じ電車に乗り合わせたのが縁で始まる、いろんな物語。
「こんなにうまくいかんやろ〜(笑)」とつっこんだりしながらも、どこか懐かしい憧れのような気持ちが
心にやさしい風を吹かせてくれるような…そんな一冊です。
「折り返し」で微妙に時間が経って、登場人物たちのエピソードが進んでいるのも面白かったです。
また1人、いい作家と出会えたなぁ。
評価/★★★★☆
シアター!
(2009年刊/メディアワークス文庫)
〔概要〕
小劇団「シアターフラッグ」には、ファンも多いが、解散の危機が迫っていた。そう、お金がないのだ!
その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに
「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
新星プロ声優・羽田千歳が加わり、一癖も二癖もある劇団員は10名に。
そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。
〔感想〕
すごく面白かったです。僕も何度かお芝居を観に行ったことがあるから、演劇というのがそもそも興味のあるテーマだし、その中で繰り広げられるドタバタ劇というのがとても面白かったです。登場人物もそれぞれキャラが立ってるし。『阪急電車』同様、悪い人がいなくて、ほのぼのとした空気感もいいです。
ただ、借金返済に向けた物語はまだ始まったばかり。主人公たちが中心だから、どうしてもあまり出番のないキャラもいたし、いろんなところで、いい意味で「物足りない」。彼らの物語をもっと読みたい!と素直に思いました。
当然のように、続編がありましたね(笑)司や巧たちを中心とした劇団の今後。千歳や牧子たちの恋愛の行方。いろいろ気になります。
評価/★★★★☆
シアター!2
(2011年刊/メディアワークス文庫)
〔概要〕
「2年間で、劇団の収益から300万を返せ」
鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した小劇団「シアターフラッグ」。
社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。
しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!
それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。
そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。
〔感想〕
すごく面白かったです。そうそう、こういうのが読みたかったんだよ〜!という期待通りの展開。前作で形作られた登場人物像をしっかりと生かしつつ、そこにたくさんの味付けがなされています。メンバーたちの悩みや、葛藤、恋。面白くて、あっという間に読み終わっちゃいました。特に好きだったのが、ゆかりと小宮山のエピソードかな。
更なる続編がありそうだけど、2014年3月現在、まだ出ていないみたいです。早く続きが読みたいです。
評価/★★★★☆
Story Seller annex
(2014年刊/新潮社)
〔概要〕
大好評アンソロジー「Story Seller」の姉妹編。
6人の超人気作家が豪華競演。オール読みきりで、読み応え抜群の作品を詰め込んだ。
あっと驚かされるミステリ、くすりと笑える話から、思わず涙がこぼれる恋愛小説まで。
物語の力にどっぷり惹き込まれる幸せな読書体験。
3.有川浩/R-18-二次元規制についてとある出版関係者たちとの雑談
ある作家は、編集者待ち合わせた喫茶店で、二次元と三次元の性的表現についてある仮説を立てるのだった…。
〔感想〕
なかなか面白かったです。こういう考え方もあるね、という意味ではこういう話題がオープンに語られる世の中のほうが望ましいのかもしれないね。
評価/★★★☆☆
三匹のおっさん
(2009年刊/文藝春秋)
〔概要〕
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!と、かつての悪ガキ三人組が自警団を結成。
剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!
その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与えてゆき……。
痛快活劇シリーズ始動!
〔感想〕
すごく面白かったです。キャラ立てがスッキリしていてわかりやすいので感情移入がしやすいし、出てくる人たちもみんな朗らかで(斬られる犯人は悪人ですが)、読んでいてとても痛快でした。定年退職を迎えて、ただ単に老け込んでいく年寄りにはなりたくない。華麗にもう一花咲かせるぞ!というお父さんたちに送る痛快傑作です。既に続編が出ているようなので、そちらもぜひ読んでみたいです。
『シアター!』もそうだけど、有川浩さんの作風はほんわかしていて、とても読みやすいですね。
評価/★★★★☆
三匹のおっさん ふたたび
(2012年刊/文藝春秋)
〔概要〕
剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた!
書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火…。ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。
清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。
ノリにはお見合い話が舞い込み、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動!
ますます快調、大人気シリーズ第二弾。
〔感想〕
前作同様、すごく面白かったです。
あとがきにも書いてあるように、三匹と祐希&早苗、前作からの登場人物を引き継ぎ、今回は三匹の子どもたち世代にもスポットを当てています。
三匹が解決する事件は、殺人事件でも、迷宮入りの凶悪事件でもなく、ご近所の、ほんのささいな…だけど当人にとってはすごく大きな事件で。
周囲からは鬱陶しがられながらも、いてくれると心強い、昔ながらのおっちゃんたち。
そんなほのぼのとした舞台がすごくあったかくて、読後感もすごくいいです。
書店の万引きの話と、放置ゴミの話が特に良かったです。
シリーズは第2巻までしか出てないみたいだけど、もっと続きが読みたいシリーズだなぁ。
評価/★★★★☆
県庁おもてなし課
(2011年刊/角川書店)
映画化『県庁おもてなし課』(2013年日本)
〔概要〕
高知県庁観光課の末端部署として、“おもてなし課”が突如生まれた。
観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家・吉門喬介に観光特使就任を打診するが、その反応は「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―。いったい何がダメなんだ!?
掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。
〔感想〕
インフルエンザで休養中に読んだんだけど、すごく面白くて、一気に読んでしまいました。物語自体は展開もストレートだし、登場人物間の葛藤や軋轢、人間関係もすごくわかりやすい。だけどそういうのはあくまでも舞台装置なのであって、この作品のキモは「貴方のふるさとをもっと知り、見つけて、愛してあげてください」ということだと思うんだよね。これを読んで高知県に興味を持ったり、行ってみたいと思う人は多いだろうし、同様に、高知以外の道府県にも見つけられる魅力はそれぞれに必ずあるはず。そうやって、みんなが自分の地元のよさを再発見できるきっかけになってほしい、そんな筆者の願いが行間のあちこちからにじみ出ているし、巻末に収録された対談録からもうかがい知れるよね。
物語の序盤で「おもてなし課」が演じる失態は筆者の実際の体験談だし、物語終盤で掛水たちが作る「公式ガイドフック」やパンフレットは実在するそうです。「パンダ誘致論」こそ筆者の父親の与太話ということだけど、どこからどこまでが小説であり事実であるのか、面白いところですね。
しかしこれを読むと、公務員という職が「いかに堅苦しいか」と「どれだけ現実離れした価値観を持っているか」を思い知りますね。施設の不公平感と税金の無駄遣い、どっちのほうが大事やねんと思いますけどね。やっぱり行政もセンスですねぇ。
2013年に映画化もされているそうです。主なキャストは… 掛水史貴/錦戸亮、明神多紀/堀北真希、清遠和政/船越英一郎、清遠佐和/関めぐみ、吉門喬介/高良健吾。うーむ。清遠のイメージが違うなぁ(笑)
評価/★★★★★
図書館戦争
(2006年刊/アスキー・メディアワークス)
〔概要〕
2019年。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年。日本はメディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げていた。笠原郁は、図書特殊部隊に配属されるが……。
2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。
高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から
本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。
不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…。
〔感想〕
この作家を語るのには欠かせないシリーズということで読んでみました。
物語のディテールは好きだし、雰囲気は面白いと思うけど…
図書館を、本をめぐって武器を使ったり、殺人も辞さないというのがどうしても受け入れられないなぁ。
読書ってもっと自由なものだし、安全なものであるはず。
まぁ、そこを裏切る世界観だからこそ、この物語が成り立つんだろうけど。
漫画やアニメ、映画にもなった人気シリーズで、全4巻+2冊の番外編が出ているようです。
評価/★★★☆☆
アンマーとぼくら
(2016年刊/講談社)
〔概要〕
休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。
一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。
観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつくのだが…。
かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。
〔感想〕
とてもよかったです。重松清さんの『流星ワゴン』を彷彿とさせる、ハートウォーミングなファンタジーでした。
主人公のリョウが、継母の休暇に付き合って沖縄各地をまわるんだけど、ストーリーとしては
亡父との思い出をめぐっていくストーリー。タイトルのイメージでは母親がメインに思えるけど
実際のところは、亡くなっている父親の存在感が強すぎるかな。
お母さんはガイドなので、めぐる場所はどれも魅力的に思えます。
読んでいて、すごく沖縄に行きたくなりました。
最後の結末はなんとなく想像できてたけど、やっぱりグッときました。
評価/★★★★☆