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Love Letter
1995年/ファンタジー

<監督・脚本>
岩井俊二
<出演>
渡辺博子・藤井樹/中山美穂
秋葉茂/豊川悦司
藤井樹/酒井美紀
藤井樹/柏原崇
藤井晶子/范文雀
藤井剛吉/篠原勝之
<ストーリー&コメント>
神戸に住む博子は、山で遭難した婚約者、藤井樹を忘れられず、彼が昔住んでいたという、今は存在しない住所に届くはずのない手紙を出す。ところが、その手紙には返事が返ってきた。その手紙を受け取ったのは、偶然にも樹と同姓同名の女性で、しかも彼女は樹の中学時代の同級生だという。樹が博子の手紙を読んだことから二人の奇妙な文通が始まるのだった…。
日本映画界を代表する若手監督、岩井俊二監督の初の長編映画。
すごく綺麗で、暖かい作品でした。場面は大きく分けて二つ、過去と現在。この、過去の回想物語が秀逸でした。透明感のあるノスタルジックな描写が素晴らしい。図書室、自転車置き場、自転車、陸上のトラック。瑞々しい青春の息吹、こういう風景を撮らせたら岩井監督は本当に上手い。酒井美紀と柏原崇のキャスティングも、演技もよかった。『白線流し』みたいだけど、それだけでひとつの物語が確立している。
それに比べて現在の方では、現在を生きる二人のベクトルは決して交わらないので、回想シーンだけを通してつなぎとめられた二つの物語が並行している感じ。だから結果的に、ストーリーの掘り下げが浅く感じられて残念。それでも、全体的に素晴らしい作品であることに変わりはないんですけどね。だからこの作品は、ラブストーリーではなく、「失われた時をもとめて」のファンタジーに位置付けられると思う。この作品が好きな方は、きっと『リメンバー・ミー』『オーロラの彼方へ』なんかも高い評価になるはず。
116分/★★★★
(2003年2月21日)

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39/刑法第三十九条
1999年/サスペンス

<監督>
森田芳光
<出演>
小川香深/鈴木京香
柴田真樹/堤真一
岸部一徳
杉浦直樹
吉田日出子
樹木希林
江守徹
<ストーリー&コメント>
住宅街で起きた残酷な殺人事件。逮捕された犯人・柴田真樹には事件当時の記憶がなく、精神障害の兆候を見せる被告人に対して、弁護人は司法精神鑑定を請求する。精神鑑定の第一人者である藤代教授は、被告人が多重人格であると結論付けるが、教授の助手・小川香深は被告人の精神障害は詐病だと直感していた。検事によって再度の精神鑑定を依頼された香深は、独自の調査で柴田の内面を探って行く…。
鈴木京香と堤真一が息詰まる心理戦を熱演。これに尽きます。
刑法第三十九条とは、心身衰弱者は刑罰を軽くするというもの。昨今の凶悪犯罪者にも同様の症例が認められる場合があり、とても興味深い問題提起をしている作品です。
心を病んでいる人はたとえ人を殺しても罪が軽くなるのか?個人的には間違っているとしか思えない刑法です。
133分/★★★★
(2002年3月31日)

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アイ・ラヴ・ユー
1999年/ヒューマンドラマ

<監督>
大澤豊
米内山明宏
<出演>
水越朝子/忍足亜希子
水越隆一/田中実
水越愛/岡崎愛
森田雄功/不破万作
今野夏美/植村梨奈
村上今日子/西村知美
<ストーリー&コメント>
“耳が聞こえない”というハンディキャップを背負う朝子は、娘・愛が自分が原因でクラスでいじめを受けていることに愕然とする。そんな娘に自分が力一杯生きている姿を見せなければと感じた彼女は、劇団に入り手話演劇公演を目指して奮闘するが…。
家族、そして劇団の仲間たちとの交流を通して、一人の女性が人間としてたくましく成長していく過程を描いたハートウォーミングな感動作。 
世界で初めて、ろう者と聴者の監督二人が共同演出した笑いと涙の感動作。
素晴らしいです。絶対オススメ。
110分/★★★★★
(2001年5月20日)

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絵の中のぼくの村
1996年/ファンタジー

<監督・脚本>
東陽一
<原作>
田島征三
<脚本>
中島丈博
<出演>
田島瑞枝/原田美枝子
田島征三/松山慶吾
田島征彦/松山翔吾
田島健三/長塚京三
田島育子/真々田瑞季
センジ/田宮賢太朗
八木ハツミ/山内美佳
<ストーリー&コメント>
絵本作家の田島征三は、京都に住む双子の兄の征彦を訪ねた。二人は兄弟そろって絵本作家になっており、少年時代の思い出を共同で絵本にしようというのだった。戦後まもない昭和23年、少年時代を過ごした高知県の田舎の村。二人はその思い出話に花が咲くのだった…。
絵本作家・田島征三の自伝的エッセイを映画化。少年時代の夢と現実が交錯する世界を描いたファンタジー。1996年のベルリン国際映画祭で特別銀熊賞(監督賞)、主演の原田美枝子はブルーリボン賞で主演女優賞を受賞。
『となりのトトロ』か、はたまた井上陽水の「少年時代」か…。雑木林や小川に遊び、日が暮れるまで遊びまわった夏の日。誰もが懐かしいと思える、そんな日本の原風景を瑞々しい映像で描いた良作。
オーディションで選ばれたという子役の双子は、演技がどうこうというよりも、田島兄弟の役を借りて遊んでいる感じでした。映像は当時の風景を描いているけど、撮影と映画製作は平成の現代。パソコンやケイタイに慣れた今時の子供でも、田舎の遊びには楽しそうに遊べるんですね。時代は変わっても人間の中身ってあまり変わらないのかも。
ストーリーはあまり起伏がなく、ただひたすら「あの夏の日の思い出話」です。エンターテインメントな映画作品というよりも、ノスタルジックな記録映像というテイストです。
112分/★★★☆☆
(2003年9月15日)

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菊次郎の夏
1999年/ヒューマンドラマ

<監督・脚本>
北野武
<出演>
菊次郎/ビートたけし
正男/関口雄介
菊次郎の妻/岸本加世子
正男のおばあさん/吉行和子
優しいおじさん/今村ねずみ
デブのおじちゃん/グレート義太夫
ハゲのおじちゃん/井手らっきょ
優しいお姉さん/細川ふみえ
こわいおじさん/麿赤兒
<ストーリー&コメント>
祖母と二人暮らしの小学3年生の正男は、夏休みを利用して、写真でしか見たことのない母親に会いに行くことを決心する。そんな正男を心配して、近所のおばさんは、自分のやくざな夫、菊次郎を同行させる。嫌々引き受けた菊次郎は、少年との旅もいい加減。だが、そんな二人の間にも、やがて見えない絆が生まれていくのだった…。
少年と中年男の交流を描く、ひと夏の思い出を綴ったロードムービー。
とても面白くて、心が温かくなる作品でした。浅草から豊橋までは、日帰りでもいいぐらいの距離。ところが、グウタラ男は競輪場で金を使い果たし、二人はヒッチハイクや野宿をしながら旅を続けることになります。その間に出会う様々な人との交流、ハプニングの数々は、少年にとっては初めてのことばかり。競輪、ラブホテル、ヒッチハイク、野宿、変態男、タコ男…。そのひとつひとつが孤独な少年の大切な「夏休みの宝物」になっていく。だから、「少年の絵日記」という構成になっているんだと思います。最初は「辛気臭いガキ」だったのが、様々なことを経験してだんだん表情豊かになっていく様子はとても素敵。形はちょっと違うけど、『パーフェクト・ワールド』に近いものを感じました。
後半はコメディばかりで飽きるという見方もできるけど、あれは少年のために大人たちが必死になっている時間、少年の心に占める大切な思い出と考えれば、欠かせないファクターだと思う。『オレたちひょうきん族』世代の僕には、笑いも純粋に面白かったし。
監督・脚本・主演を兼務の北野武も、さすが。演技なのか地なのか、やくざな男はハマり役。時々テレながらもつっこみ漫才で笑わせてくれます。温かいストーリーも抜群。車のホイールに映る景色やや、トンボの視界で見た景色、土管の構図とか。映像的にもすごいと思える場面が多数。ダンスとか、ちょっと奇抜なものも自然にとりこんでいる演出も新鮮。
久石譲の音楽も素敵だし、その他、ここに書ききれないぐらいたくさんの魅力がつまった作品。文句なしに満点です。
122分/★★★★★
(2003年10月10日)

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きみのためにできること
1998年/ラブストーリー

<監督>
篠原哲雄
<原作>
村山由佳
<脚本>
高橋美幸
<出演>
高瀬俊太郎/柏原崇
吉崎日奈子/真田麻垂美
鏡耀子/川井郁子
木島隆文/岩城滉一
近藤/田口浩正
西田/大杉漣
<ストーリー&コメント>
番組制作のプロダクションで録音技師をしている高瀬俊太郎は、仕事熱心なせいか、恋人の日奈子となかなか会えず、もっぱらメールと電話でのやりとりが続いている。ある日、ドキュメンタリー番組のロケで沖縄・宮古島を訪れることになった俊太郎は、レポーターを務めるヴァイオリニストの耀子と出会う。取材クルーに溶け込めずにいる耀子を気に掛けるうちに、次第に彼女に惹かれてゆく俊太郎。だが、耀子はベテラン録音技師の木島と親密な関係にあるのだった…。
「原作を読んだ映画は観ないほうがいい」という言葉がある。この作品は、まさに僕にとってのそれだ。村山由佳の原作がそれなりに面白かっただけに期待して観たんだけど、その想いは始まってすぐに打ち砕かれてしまった。原作の面影は人物の名前ぐらいで、全く別の内容と言いたいものだった。僕は、普段はキャストに関してはうるさくない。どんな人物設定にしろ、作り手なりの意図があるだろうと思うからだ。だけどこの作品に関しては、全くのミスキャストと言わざるを得ない。自信満々すぎる俊太郎、原作とは全く別人の鏡耀子、配役が逆にしか思えない西田と近藤、軽すぎるキジマ・タカフミ、原作には登場せず存在価値の全くない若林…。書き出すとキリがないが、特に鏡耀子の配役ミスは作品の存亡に関わるものだ。俊太郎が恋人がいながらも耀子に惹かれてしまうのは、彼女が毅然とした強い女性であるにも関わらず、時折見せる弱さを感じてしまったからだ。しかし、この配役ではそれが有り得ない。
さらに言えば、俊太郎の決定的なミスが電話で起きてしまうので、メールの必要性も感じられない。作品のテンポにも疑問を感じる。なぜ機織りにばかり必要以上に時間を割くのか。ドキュメンタリーとラブストーリーの比重が間違っているとしか思えない。
とにかく全てが中途半端で、映画化は完全な失敗。かなりの辛口だが、原作を読んだ方なら僕の言うこともきっと理解してもらえるはずだ。
113分/☆☆☆☆
(2002年12月1日)

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君を忘れない
1995年/青春ドラマ

<監督>
渡邊孝好
<出演>
唐沢寿明
木村拓哉
松村邦洋
袴田吉彦
反町隆司
池内万作
水野真紀
長塚京三
<ストーリー&コメント>
第二次世界大戦の戦火も激しくなった頃、望月大尉は特別飛行隊の隊長として日本の南端に位置する蓑屋航空基地に着任した。各基地から集められた7人の若いパイロットたちは厳しい訓練を重ねるうちに、堅い絆と友情で結ばれていく。そして遂に、出撃命令が下る…。
ゼロ戦に乗って特攻した若き青年兵たちの青春を描く。
今をときめく豪華キャストが話題になったが、内容もまぁまぁだった。ただし、戦争をしている最中とは思えないあまりの緊迫感の無さを除けば、だが。
もうひとつだけつっこむなら、松村邦洋は絶対に間違い。あんなに太った飛行機乗りがいるはずない!(笑)
個人的には佐伯少尉役の池内万作が良かったかな。彼の奏でる物悲しいメロディに戦争に散る若き命の儚さみたいなものが感じられた。
それにしても…「時のすぎゆくまま」のメロディはこの当時日本に伝わってきていたのだろうか?
116分/★★★☆☆
(2002年4月2日)

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黒い家
1999年/サスペンス

<監督>
森田芳光
<原作>
貴志祐介
<脚本>
大森寿美男
<出演>
若槻慎二/内野聖陽
菰田幸子/大竹しのぶ
菰田重蔵/西村雅彦
黒沢恵/田中美里
三善茂/小林薫
葛西好夫/石橋蓮司
<ストーリー&コメント>
北陸の保険会社でクレーム処理や不正受給の調査をしている若槻は、ある日「自殺でも保険金は下りるのか」という問い合わせの電話を受ける。翌日、電話の主・菰田幸子から自宅に呼び出された若槻は、そこで幸子の子供の首吊り死体を発見する。保険会社は夫婦の行動に不審を抱き、保険金の支払いを滞らせるのだが、翌日から菰田夫妻が保険会社の窓口に日参し、若槻の近辺でも不審なことが起き始める…。
『39/刑法第三十九条』など、現代ホラーの描き手となった森田芳光監督作品。貴志祐介の同名小説の映画化。
なんだかちょっと変な作品でした。主人公の若槻は、小心者すぎる気もするし。菰田夫婦も、かなりの狂演。重蔵の登場シーンで必ず流れる機械音みたいのはなんだろう?でも、なんといっても菰田幸子を演じた大竹しのぶ。怖いぐらいのハマり方でした。
物語全体を見ると、前半がちょっとコメディタッチでダラけた感じ。それだけに後半が盛り上がるんだけど、「怖い」というよりはなんだか「気持ち悪い」ホラーでした。展開がかなり読めてしまうのもマイナスかな。
118分/★★★☆☆
(2002年12月3日)

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恋と花火と観覧車
1997年/ラブストーリー

<監督>
砂本量
<出演>
森原邦彦/長塚京三
野々村史華/松嶋菜々子
西荻洋一郎/生瀬勝久
森原ひとみ/酒井美紀
立花澄江/深浦加奈子
森原のぞみ/風吹ジュン
海老原義和/佐野重樹
<ストーリー&コメント>
愛する妻を病で失い、8年間娘を男手一つで育てた朴訥な男、森原。そんな父に幸せになってほしいと願う娘に押し切られ、結婚情報サービスに入会。お見合いパーティに出席した森原は、取引き先のOL・野々村史華に出会う。次第に惹かれ会う2人だったが、森原は娘ほども年齢の違う史華を恋愛の対象と認めることができない…。
「恋は遠い日の花火ではない」というコピーで人気を呼んだ洋酒CMを、同じ長塚京三主演で映画に膨らませた大人のロマンス・ストーリー。
松嶋菜々子の映画デビュー作。
炎には2種類ある。激しく燃え盛ってたちまちのうちに消えてしまうものと、静かだが、その分熱く静かに燃え続けるもの。恋も同じではないだろうか。後者の恋を表現したひとつの結実がこの作品だ。一度は恋を諦めた大人たちにおくる恋物語。
史華が恋に落ちるまでが唐突な気もするし、全体的にコントラストのおかしい部分も気にはなるけど、内容的には素晴らしいものです。
ただ、最後の画は…どうなんだろう(笑)
世界中がカップルばかりじゃないぞ!とつっこんでしまいましたが、円満な画ということで黙殺。
104分/★★★★★
(2002年4月11日)

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死国(しこく)
1999年/オカルトホラー

<監督>
長崎俊一
<原作>
坂東眞砂子
<出演>
明神比奈子/夏川結衣
秋沢文也/筒井道隆
日浦莎代里/栗山千明
日浦照子/根岸季衣
日浦康鷹/大杉漣
仙頭直郎/佐藤允
<ストーリー&コメント>
持ち家を処分するため、15年ぶりに故郷の高知県・矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの文也と再会する。小学生の頃、比奈子と文也、そして莎代里の3人は大の仲良しだった。比奈子は莎代里との再会を楽しみにしていたが、莎代里はすでに事故死していた。だが、比奈子は村に入った時から莎代里の気配を感じていたのだった。莎代里の死に疑問を持った比奈子と文也だったが、やがて四国の88ヶ所の霊場を巡礼するお遍路には禁じ手があることを知るのだった…。
アイデアは面白かったけど、ホラーとしてはあまり怖くないかな。お化け役の栗山千明が可愛いので、とても怖いという雰囲気ではないし(笑)
夏川結衣さんもとても綺麗なので、ウットリ。
最後、期待のわりにはかなりアッサリしたものだったし…2人の綺麗な女性を見ているだけのような映画でした。
102分/★★★☆☆
(2002年6月10日)

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女優霊
1996年/ホラー

<監督・原案>
中田秀夫
<脚本>
高橋洋
<出演>
村井監督/柳ユーレイ
黒川ひとみ/白鳥靖代
村上さおり/石橋けい
大杉漣
根岸季衣
高橋明
<ストーリー&コメント>
新人の映画監督・村井が未編集フィルムを見ていると、途中から別の映像が重なり、そこには謎の女優が写っていた。それ以来、撮影現場で次々と奇怪な事件が起こる。村井は謎の映像をもとに記憶を辿り、撮影スタジオにまつわる過去の事件に発端があるとつきとめるのだが…。
『リング』の中田秀夫の長編監督デビュー作品。随所に後の『リング』に通ずるようなシーンが出てくるので、とても興味深いです。
友達に「すごく怖い」と薦められて観た。日本ならではの「心霊系ホラー」で、所々怖かった。何もないはずの闇に怖さが漂っているし、突然の音響にも驚かされた。だけど、一番怖かったのは笑い声かな。というか、子役の女優がなんだか不気味でした。
結末はちょっと消化不良な感じ。
75分/★★★☆☆
(2003年9月2日)

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空がこんなに青いわけがない
1993年/ドラマ

<監督>
柄本明
<脚本>
田村和義
<出演>
小林健太郎/三浦友和
小林佐和子/岸本加世子
小林ふみ/久我美子
青木かおる/夏川結衣
小林翔一/山崎雄一郎
<ストーリー&コメント>
商事会社課長の小林健太郎は、無気力だが何事もそつなくこなす平凡なサラリーマン。彼はいつも周囲の人間に振りまわされていた。OLの青木かおるとの社内不倫、区画整理にかこつけてマンションへの引っ越しに夢中の妻・佐和子、ボケの始まった母、無愛想なひとり息子・翔一。
何か起こりそうで何も起こらない、そんなサラリーマン一家の日常をブラックなユーモアで描く。俳優・柄本明の監督デビュー作。
何が言いたいのか、サッパリわからなかった。途中で何度も観るのをやめようかと思ったけど、「もしかしたら何かあるかもしれない」と思って観続けた。だが、最後まで不可解なままだった。ほんと、「映画がこんなに面白くないわけがない」って感じです。
本作が映画デビューの夏川結衣が奇怪でハイテンションな演技を見せています。彼女のファン以外は、観ることのない作品でしょうね。
94分/☆☆☆☆
(2003年2月19日)

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のど自慢
1998年/コメディ

<監督・脚本>
井筒和幸
<脚本>
安倍照男
<出演>
赤城麗子/室井滋
マネージャー/尾藤イサオ
麗子の父/小林稔侍
荒木圭介/大友康平
高橋里香/伊藤歩
耕太郎老人/北村和夫
近藤/竹中直人
<ストーリー&コメント>
群馬県のとある小さな町に、人気番組「のど自慢」がやって来る。憧れの晴れ舞台を目指して、様々な想いを胸に人々が予選会場へと集まって来る。さっぱり売れない演歌歌手、何をやっても上手くいかない中年男、家族への想いをうまく伝えられない女子高生、自閉症ぎみの孫を預かったガンコな老人…。そしてついに予選の幕が開いた。
日本人なら誰にでもお馴染みの長寿番組を舞台に、小さな町の人々の様々な人生模様を描く。
ほのぼのとしていて、すごく面白かったです。僕たちは画面の中だけでしか知らない世界だけど、あの番組の出場者はそれぞれにドラマを抱えているんだなぁというのがよく伝わります。登場人物は、みんながみんな実際にいそうなキャラクターだし。また、それぞれのエピソードがとても微笑ましいんだよね。悲壮感がないというか。当落の判定とか、賄賂の果物を審査員室に持っていったり、表からは見えない裏話のサイドストーリーも見ることができて楽しい。
実際に番組の司会を長く務めていた金子辰雄アナウンサーや、坂本冬美、その他にも豪華キャストが大勢出演しているのも見所。
112分/★★★★
(2003年9月7日)

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破線のマリス
1999年/サスペンス

<監督>
井坂聡
<原作・脚本>
野沢尚
<出演>
遠藤瑤子/黒木瞳
麻生公彦/陣内孝則
赤松/山下徹大
森島一朗/筧利夫
春名誠一/白井晃
倉科/篠田三郎
阿川孝明/中原丈雄
淳也/堤寛大
麻生の妻/秋本奈緒美
須崎/辰巳琢郎
有川/中尾彬
<ストーリー&コメント>
報道番組の中で「事件検証」という小さなコーナーを持つ編集者の遠藤瑤子は、独自の切り口で視聴者の関心を集めていた。そんなある日、彼女のもとに郵政省の贈収賄事件に絡んだ殺人疑惑を内部告発する1本のビデオテープが持ち込まれた。彼女は早速そのテープをもとに事件を検証する番組を作るが、その官僚、麻生の証言から事件は意外な方向へと波紋を広げていく…。
自らが仕掛けたはずの映像の罠に巻き込まれていく編集者の姿に、テレビ報道の欺瞞と原罪を問うサスペンス・ミステリー。
なかなか面白かった。編集という仕事ひとつで、事件の真相を伝える報道の視点が180度変わってしまう怖さがある。テレビがメディアの中心を占め、テレビが黒と言えばそれは黒になり、白といえばそれが白になる現代。ある番組によって殺人犯に祭り上げられ、社会から抹殺された男。『日本の黒い夏[冤罪]』なんかでも描かれたテーマだけど、まだまだ掘り下げるべきところがありそうだね。
主演の二人はなかなかの好演。特に黒木瞳は、姿の見えない影に怯えるヒロインをうまく演じていたと思う。
最後の結末は…怖ッ!あれは全く予想していなかった。
108分/★★★☆☆
(2005年11月6日)

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(ハル)
1996年/ラブストーリー

<監督・脚本>
森田芳光
<出演>
藤間美津江/深津絵里
速水昇/内野聖陽
速水の元恋人/山崎直子
戸部正午/竹下宏太郎
ローズの婚約者/鶴久政治
山下博幸/宮沢和史
ローズ/戸田菜穂
<ストーリー&コメント>
腰を痛めてアメフトの選手生活を断念した速見昇(ハル)は、ある日パソコン通信の映画フォーラムにアクセスし、そこで(ほし)というハンドルネームの人物に出会う。自分を見失いかけていた(ハル)に(ほし)は電子メールで励ましの言葉を送ってくれるのだった。遠く離れた場所に住む二人は、直接会ったことはないものの、メールのやりとりでお互いを理解しあい、支えあうようになってくのだが…。
今でこそネット恋愛は珍しくないご時世だが、1996年の時点(インターネットという言葉も登場していない)でこれを描いていることにまず驚かされた。物語中では(ほし)と(ローズ)、二つのタイプの出会いが対照的に描かれているところが面白い。
冒頭から気になっていたのは、役者の演技のシーンと、パソコンの画面が全く別のものとして描かれていること。画面に文字が出てくるときは、入力している人物の横顔でも映せばいいのに、と思った。だけど途中から、もうひとつの解釈が芽生えた。無機的なネット上でのやりとりだからこそ、相手には感情や温もりが伝わりにくいということを、あえて殺風景な文字だけの画面で表現しているのかも、と。しかしこちらの解釈をすれば、最終的に導かれる結論は「やはりネットでやりとりしているよりも、直接会わなきゃね」というメッセージにも感じ取れる。解釈によっては全く別のテーマを生んでしまうが、そんな幅を持たせてあるところも「いい作品」の条件なのかもしれない。
118分/★★★★
(2003年3月12日)

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鉄道員(ぽっぽや)
1999年/ヒューマンドラマ

<監督>
降旗康男
<原作>
浅田次郎
<出演>
佐藤乙松/高倉健
杉浦仙次/小林稔侍
佐藤静枝/大竹しのぶ
佐藤雪子/広末涼子
杉浦明子/田中好子
杉浦秀男/吉岡秀隆
加藤ムネ/奈良岡朋子
吉岡敏行/安藤政信
<ストーリー&コメント>
廃線が決まった北海道のローカル線・幌舞線の終着駅・幌舞。駅と運命を共にするかのように定年を迎える駅長の佐藤乙松は、筋金入りの鉄道員(ぽっぽや)だった。生まれたての娘が死んだ日も、妻が病に倒れた日も、彼は休むことなく駅に立ち続けた。知人たちは彼の定年後をあれこれと心配するが、当の乙松は鉄道員以外の仕事など考えもよらない。そんなある日、彼は見慣れぬ少女と親しくなるのだが…。
大ベストセラーとなった浅田次郎の直木賞受賞作を映画化。原作もいいけど、映画の方がもった素晴らしい。
不器用な生き方しかできない男の人生を、高倉健が好演。ただ雪の中に立っているだけで、圧倒的な存在感がある。やっぱり健さんだなぁ〜と思ってしまう。
作品全体を通して漂う物悲しさ。それは、廃線により忘れ去られてしまう運命にある駅と一人の男の人生そのものだ。時折挿入される回想シーンによって語られる彼の頑固な生き様。
静かな中にも言い知れぬ感動を誘います。
112分/★★★★★
(2002年4月4日)

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らせん
1998年/サスペンス

<監督・脚本>
飯田譲治
<原作>
鈴木光司
<出演>
安藤満男/佐藤浩市
高野舞/中谷美紀
高山竜司/真田広之
宮下/鶴見辰吾
山村貞子/佐伯日菜子
吉野/松重豊
前川警部補/小木茂光
<ストーリー&コメント>
最愛の息子を事故で死なせて以来、自暴自棄になっていた解剖医・安藤の元に、かつての同級生である高山竜司の変死体が運び込まれる。解剖によって死因は心筋梗塞と判断されるが、不明な点も多かった。突如発生したと思われる潰瘍、胃の残留物から発見された暗号の書かれた紙片。安藤はそれらの謎を解く手がかりを求め、高山の恋人・舞と接触するのだが…。
『リング』の続編。前作の最後と、物語はつながっています。
ホラーというよりも、前作で発生した幾つかの謎を解いていくサスペンス仕立てになっています。物語としては、こちらのほうが面白かった。続編でありながら、突然死した人々の死因が「呪い」ではなく、科学的に証明される「ウィルス」であるとの見方が新しく生まれたことで、全くテイストの異なる物語になっています。確証のあるものだけを信じる医師という立場でありながら、ビデオと呪いという非科学的なものに苦悩する安藤を演じた佐藤浩市が好演。
ただ、終盤の展開には苦笑。あまりにも話が飛躍してしまって、両作の全否定ともとれる結末でした。「そりゃないだろぉ」な終わり方。
98分/★★★☆☆
(2003年6月22日)

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リング
1998年/ホラー

<監督>
中田秀夫
<原作>
鈴木光司
<脚本>
高橋洋
<出演>
浅川玲子/松嶋菜々子
高山竜司/真田広之
高野舞/中谷美紀
山村敬/沼田曜一
山村志津子/雅子
大石智子/竹内結子
山村貞子/伊野尾理枝
<ストーリー&コメント>
TVディレクターの浅川玲子は、若者たちの間で「見ると7日後に死ぬ」と噂される呪いのビデオについて取材をすすめるうち、それは単なる噂ではなく、実際に犠牲者が出ていることを知る。彼らの死因に疑問を抱いた玲子は、入手したビデオを確認のために見てしまう。玲子は元夫・高山竜司の力を借り、死の恐怖に怯えながらも真相に近づこうと懸命に調査を続けるのだが…。
公開当時から盛んに話題になっていたホラー作品をついに観た。何人かの友達に「すごく怖かった」と聞かされていたので、泣いてしまうほど、ものすごく怖いというイメージがあっただけに、思っていたほど怖くはなかった。怖いというよりも「気持ち悪い」作品だった。
それでも序盤は、かなり怖かった。「学校の怪談」系の噂話、歪んだ写真、そして噂のビデオ…。中盤、主演の二人が共同で調査をするあたりからちょっと下降線。最後の場面もたしかにすごかったけど、『呪怨』を先に観ていたのであまり衝撃はなかった。邦画ではかなり怖い部類に入るホラーであることは間違いないと思うが。
個人的には、玲子の一番最後の冷徹な行動が何よりも怖かった。
95分/★★★☆☆
(2003年6月22日)

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リング2
1999年/ホラー

<監督>
中田秀夫
<原作>
鈴木光司
<脚本>
高橋洋
<出演>
高野舞/中谷美紀
倉橋雅美/佐藤仁美
沢口香苗/深田恭子
浅川玲子/松嶋菜々子
高山竜司/真田広之
浅川陽一/大高力也
岡崎/柳ユーレイ
川尻/小日向文世
<ストーリー&コメント>
恋人の突然の死に疑念を抱いた舞は、浅川玲子の同僚・岡崎とともに、呪いのビデオの謎の真相究明に乗り出す。高山の死には、行方不明の玲子と陽一の母子が関わっているらしいのだが…。一方その頃、古井戸から遺体として発見された貞子は、30年前に死んでいるはずが、解剖の結果では死期は1、2年前にすぎないと判明した…。
『リング』のもうひとつの続編。原作通りの正統な続編は『らせん』の方だけど、この作品では前作の設定をそのまま引き継いで新たに作られたストーリー、パラレルワールド的な続編になっています。
個人的には、こちらの方が続編としては面白かった。新たな主人公が登場し、視点が大きく変わってしまう『らせん』と比べると、こちらの主人公は前作にも登場していた舞だし、事件に対する視点も大きく変わってはいない。その分、より続編らしく感じられたんだよね。
前作と設定の点で大きく違うのは、ビデオに関する知識がより多くの人間に広まっていること。警察もビデオに関してある程度の知識を持っているし、「ダビングして広める」という呪いの回避策も噂として広まっている。そこに新たな人物の登場など、創作の余地が生まれている。
結末はいかにもという感じだが、破天荒な展開だった『らせん』よりは好感が持てた。
95分/★★★☆☆
(2003年6月22日)

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私たちが好きだったこと
1997年/ラブストーリー

<監督>
松岡錠司
<原作>
宮本輝
<脚本>
野沢尚
<出演>
北尾与志/岸谷五朗
柴田愛子/夏川結衣
荻野曜子/鷲尾いさ子
佐竹専一/寺脇康文
愛子の母親/藤田弓子
鈴木/田口トモロヲ
曜子の不倫相手/四方堂亘
<ストーリー&コメント>
照明デザイナーの北尾与志は競争率76倍の公団マンションに当選。古い友人、ロバこと佐竹専一を誘って部屋をシェアすることにし、近くのバーで新生活を祝っていた。たまたま席が一緒になった二人の女性、柴田愛子と荻野曜子と彼らは気が合い、一緒に飲み明かすのだった。翌日、マンションに愛子と曜子が現れ、四人の奇妙な共同生活が始まる。それぞれに仕事や夢、不安を抱えていたが、信頼と友情、ほどなく芽生えた愛情で充実した生活の日々。だが彼らを取り巻く環境は次第に変化していくのだった…。
宮本輝の同名小説を映画化。原作のファンだった僕の淡い期待は、結果的に裏切られてしまった。設定も、ストーリーも、ほとんどが原作通りなのに、何かが違う。時間枠のために必要な登場人物、エピソードが省かれてしまったのはやむを得ないとしても、何かが違う。思うに、各人物の描写が丁寧に描かれていないからではないだろうか。ストーリーを追うことに執心しているので各人物の性格づけや行動が曖昧だし。原作のテーマである「無償の愛」と「エゴ」についての追求も薄い。映画では与志と愛子の二人を中心に据えたラブストーリーのテイスト。あくまでも「映画化してみたらこんな感じになりました」という域を脱していない。
もちろん、原作と映画は別物として考えなければならないのだが、原作は面白かったし、映画の作り手の意識もできるだけそれに沿おうとしている感があるだけに比較してしまうんだよなぁ。
109分/★★★☆☆
(2002年12月1日)