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風の谷のナウシカ
NAUSICA OF THE VALLEY OF THE WIND
1984年東映

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
ナウシカ/島本須美
ジル/辻村真人
ユパ/納屋悟朗
大ババ/京田尚子
ミト/永井一郎
クシャナ/榊原良子
<ストーリー&コメント>
かつて人類は自然を征服し繁栄を極めた。だが、「火の七日間」と呼ばれる大戦争で、栄華を誇った産業文明は崩壊した。それからおよそ1000年、わずかに生き残った人類は蟲と瘴気の森「腐海」に征服されようとしていた。風に乗り蟲と心を通わせ、自然とともに生きる少女ナウシカは、人間同士の争いに巻き込まれながらも、たった一人の力でこの未来の地球を救うために立ち上がる。
感動です。まさに宮崎映画の原点ともいえる作品。
116分/★★★☆☆
主題歌:「風の谷のナウシカ」安田成美

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天空の城ラピュタ
LAPUTA : CASTLE IN THE SKY
1986年東映

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
パズー/田中真弓
シータ/横沢啓子
ドーラ/初井言榮
ムスカ/寺田農
ポムじいさん/常田富士男
将軍/永井一郎
<ストーリー&コメント>
かつて、超常の科学力で地上を支配した空の帝国の血を引く少女と、鉱山で機械見習い工として働く少年が出会う。少年は、少女との触れ合いにときめき、献身し、軍、海賊というとてつもない力を向こうにまわし、わずかな可能性を信じて行動していく。
キャラクターも、ストーリーも、主題歌も。すべてがいい。ジブリの作品の中でも、特に人気の高い作品。僕も大好きです。
124分/★★★★★
主題歌:「君をのせて」井上あずみ

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となりのトトロ
MY NEIGHBOR TOTORO
1988年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
サツキ/日高のり子
メイ/坂本千夏
おとうさん/糸井重里
おかあさん/島本須美
おばあちゃん/北林谷栄
トトロ/高木均
<ストーリー&コメント>
仲良し姉妹が出会った不思議な生き物 トトロとの心温まるファンタジーストーリー。
子供たちに大人気!トトロといえばジブリ。ジブリといえば、トトロ。「スタジオジブリの顏」ともいえるキャラクターたちが盛りだくさんです。
86分/★★★☆☆
主題歌:「となりのトトロ」井上あずみ

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火垂るの墓
GRAVE OF THE FIRE FLIES
1988年東宝

<監督・脚本>
高畑勲
<原作>
野坂昭如
<声優>
清太/辰巳努
節子/白石綾乃
志乃原良子/山口朱美
端田宏三/酒井雅代
野崎佳積/松岡与志雄
<ストーリー&コメント>
第ニ次世界大戦下、空襲によって廃虚となってしまった神戸の町。家、両親をも失い、幼い兄妹だけで生きていくことを強いられた14歳の少年・清太と、その4歳の妹・節子の悲しくて、心温まる物語。
敗戦前後の神戸を舞台に、幼い兄弟のひたむきな姿を通して描く、生きることへの讃歌。
アニメという枠を超え、生命の尊さや痛いくらいのピュアな思いが胸の奥までしみ込んでくる。
88分/★★★☆☆
主題歌:「はにゅうの宿」アメリータ・ガル=クリチ

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魔女の宅急便
KIKI'S DELIVERY SERVICE
1989年東映

<監督・脚本>
宮崎駿
<原作>
角野栄子
<声優>
キキ、ウルスラ/高山みなみ
ジジ/佐久間レイ
コキリ/信沢三恵子
おソノ/戸田恵子
トンボ/山口勝平
<ストーリー&コメント>
13歳になり、一人前の魔女になるための修行の旅に出たキキ。港町コリコにたどり着いた彼女は黒猫のジジを共に宅急便の仕事を始めるのだが…。
荒井由実の軽やかな曲をバックに、魔女見習いキキの成長を爽やかに描く。
「おちこむこともあるけれど、私は元気です」は名言。
久しぶりに観ても、何年経って観ても、まったく色褪せない名作。この頃のジブリ作品は素直に楽しめるし、やっぱり面白いね。
102分/★★★★
(再観・2024年4月15日)
主題歌:「ルージュの伝言」、「やさしさに包まれたなら」荒井由実

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おもひでぽろぽろ
ONLY YESTERDAY
1991年東宝

<監督・脚本>
高畑勲
<原作>
岡本螢
刀根夕子
<声優>
タエ子/今井美樹
トシオ/柳葉敏郎
タエ子(小5)/本名陽子
母/寺田路恵
父/伊藤正博
祖母/北川智絵
<ストーリー&コメント>
現在の自分に漠然とした物足りなさを感じている27歳の岡島タエ子は、休暇を取って姉の夫の実家がある山形へ出掛ける。東京育ちのタエ子は、小さな頃から田舎のある生活に憧れていたのだ。旅の途中で、彼女はふと小学5年生の自分を思い出してしまう。一度蘇った思い出はタエ子から離れていかなかった。もう一度、自分を見つめ直す時なのかもしれないと、タエ子は思いをはせていく。そして、山形駅に着いたタエ子を新たな出逢いが待っていた…。
ジブリの作品は、わりとターゲットとした年齢層があるように思う。26歳だった僕は、この作品に見事にとらえられました。大人になってから観たほうが、この作品の良さが再認識できるかも。
ジブリ作品の声優が、専門の声優さんよりも俳優の方が多くなったのはこの頃からかな?
118分/★★★★
主題歌:「愛は花、君はその種子」都はるみ

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紅の豚
PORCO ROSSO
1992年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
ポルコ・ロッソ/森山周一郎
マダム・ジーナ/加藤登紀子
フィオ/岡村明美
ピッコロおやじ/桂三枝
マンマユート団ボス/上條恒彦
ミスター・カーチス/大塚明夫
<ストーリー&コメント>
時は第一次大戦後の1920年の末、舞台は世界恐慌の嵐が吹き荒れるアドリア海。その頃、食い詰めたパイロット達は、海賊ならぬ「空賊」となって地中海を荒し回っていた。かつての空軍のエースだった男は迫り来る新たな戦争を前に、再び「国家の英雄」になることを拒み、自分に魔法をかけてブタになってしまった。そして、ブタになってしまった男は、賞金稼ぎとなって、空賊たちと勇敢に闘っていた。そんな彼を空賊達は「紅の豚」=ポルコ・ロッソと呼んで恐れるのだった…。
ジブリ作品の中で、僕の好きな作品ベスト3に必ず入れる作品。「カッコイイとは、こういうことさ」と言ってのけるのは、ブタ。なんとも言えず、とにかくカッコイイです。それしか言えない。
<再観>
何度観ても面白いですね〜。この作品の世界観がとても好きなんです。イタリアという国の持つ気楽さというか、快活さが、すごく心地よくて。Blu-ray Discで欲しいなぁ。
93分/★★★★★
(1992年8月28日)
(再観・2003年4月4日)
(再観・2012年6月30日)
主題歌:「さくらんぼの実る頃」、「時には昔の話を」加藤登紀子

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海がきこえる
THE OCEAN WAVES
1993年日本テレビ

<監督>
望月智充
<原作>
氷室冴子
<脚本>
中村香
<声優>
杜崎拓/飛田展男
武藤里伽子/坂本洋子
松野豊/関俊彦
小浜裕実/荒木香恵
山尾忠志/緑川光
清水明子/天野由梨
<ストーリー&コメント>
東京の大学へ進学した杜崎拓は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子に見えた。だが、里伽子は高知の大学へ行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの夏の日へと戻っていた。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは…。
原作本もあわせて読むと、より一層楽しめます。
72分/★★★★
主題歌:「海になれたら」坂本洋子

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平成狸合戦ぽんぽこ
POMPOKO
1994年東宝

<監督・原作・脚本>
高畑勲
<声優>
語り/古今亭志ん朝
正吉/野々村真
おキヨ/石田ゆり子
青左衛門/三木のり平
おろく婆/清川虹子
権太/泉谷しげる
<ストーリー&コメント>
宅地開発で自然がどんどん失われていく東京の多摩丘陵を舞台に、そこに棲むタヌキたちが人間に反旗をひるがえすべく、人間に化けたりする訓練を始めていく。
彼らは二本足で歩けば言葉もしゃべる。やがては、他所からも助っ人タヌキが現れて妖怪に化けるなど、設定がとにかくユニーク。日本古来の民族伝承なども巧みに取り入れており、おもしろさの中に文化人類学的興味も漂う。
大学時代、友達の家でビデオで観たんだけど…ほとんど印象が残っていません。ジブリ作品の中では地味な作品に位置づけられるかも。
118分/★★★☆☆
主題歌:「アジアのこの街で」、「いつでも誰かが」上々颱風

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耳をすませば
WHISPER OF THE HEART
1995年東宝

<監督>
近藤喜文
<原作>
柊あおい
<脚本>
宮崎駿
<声優>
月島雫/本名陽子
天沢聖司/高橋一生
月島靖也(雫の父)/立花隆
月島朝子(雫の母)/室井滋
バロン/露口茂
西司郎/小林桂樹
<ストーリー&コメント>
月島雫は読書好きの女の子。学校や、市立の図書館の本を片っ端から読み漁っている。そんな雫の前に気になる男の子が出現した。天沢聖司。雫が図書館で借りる本の読書カードに必ずと言っていいほど先に名前がある少年だった。そんなとき、どこからともなく現れたブタ猫のムーンに誘われた二人は出会うことに…。
ごくありふれた中学生の横顔をとらえている、素晴らしい作品です。
少女漫画だけど、原作も買ってしまいました。映画とはだいぶ設定が違うけど、すごく面白いです。
111分/★★★★
主題歌:「カントリー・ロード」本名陽子

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もののけ姫
PRINCESS MONONOKE
1997年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
アシタカ/松田洋治
サン/石田ゆり子
エボシ御前/田中裕子
ジコ坊/小林薫
甲六/西村雅彦
ゴンザ/上條恒彦
<ストーリー&コメント>
タタリ神の呪いをかけられてしまったアシタカは、その呪いを断つためにシシ神の森へと向かった。そしてその途中、アシタカは、山犬とともに行動する一人の荒々しくも美しい少女、サンと出会う。そしてその少女サンこそ人語を解する犬神モロに育てられた「もののけ姫」だった…。
「生きろ」。その一言につきます。
当時、悲惨な事件が相次いだ世相を見事に表現していたといえるかもしれないけど、それだけに気難しい作品になってしまった気がします。
<再観>
公開当時、劇場で観て以来16年ぶりに2回目を観ました。当時は難しくてよくわからなかったけど、大人になってから観ると「人間と自然との調和」を描いた深い物語なんだということが感じられました。最後には多しなる喪失を経て再生へと顔を上げるところで終わりますが、ある種の諦観があって、単なるハッピーエンドになっていないあたりに宮崎監督の「単純なエンターテインメントにはしない」という想いもあるんじゃないかな。
135分/★★★★
(再観・2023年7月23日)
主題歌:「もののけ姫」米良美一

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千と千尋の神隠し
SPIRITED AWAY
2001年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
千尋/柊瑠美
ハク/入野自由
湯婆婆、銭婆/夏木マリ
お父さん/内藤剛志
お母さん/沢口靖子
釜爺/菅原文太
リン/玉井夕海
坊/神木隆之介
番台蛙/大泉洋
<ストーリー&コメント>
主人公の荻野千尋は10歳の女の子。気が乗らない引っ越しの最中、両親とともに不思議の町に迷い込んでしまう。その世界は、神様やお化けが通う温泉街で、働かない人間は消えるか動物になるしかないような、人間が入り込んではいけないところだった。千尋の両親は、そんなことを知らずにおいしそうな料理を食べてしまい、豚に姿を変えられてしまった。千尋は両親を助けるために、この世界を牛耳っている湯婆婆の湯屋で、名前を奪われ、「千」と呼ばれながらもけなげに働き始める。次々に起こる不思議な出来事に遭い、次第に眠っていた千尋の「生きる力」がしだいに呼び醒まされてゆく。千尋は果たして、自分の名前を取り戻し、もとの世界へ生還できるのか…。
2002年度のアカデミー賞で、長編アニメーション賞を受賞。日本の作品としては初めての受賞となる快挙。
すごく面白かったです。前作の『もののけ姫』はちょっと難しかったけど、これはすんなりと楽しめました。
<再観・テレビ初放送〜2003年1月24日>
劇場で観て以来、2度目の鑑賞。やっぱ、最高ですわ(笑)
124分/★★★★★
(2001年7月28日)
(再観・2003年1月24日)
主題歌:「いつも何度でも」木村弓
第75回アカデミー賞(2002年) 長編アニメーション賞

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猫の恩返し
THE CAT RETURNS
2002年東宝

<監督>
森田宏幸
<脚本>
吉田玲子
<原作>
柊あおい
<声優>
吉岡ハル/池脇千鶴
バロン/袴田吉彦
ムタ/渡辺哲
トト/斉藤洋介
ルーン/山田孝之
ユキ/前田亜季
猫王/丹波哲郎
ナトリ/佐戸井けん太
ナトル/濱田マリ
吉岡直子/岡江久美子
<ストーリー&コメント>
ごく普通の女子高校生ハルは、学校の帰り道、たまたまトラックにひかれそうになった1匹の猫を助けた。するとその猫は二本足で立ちあがり、人間の言葉でお礼を言って去って行った。その猫は実は“猫の国”の王子ルーンであり、“猫王”からありがた迷惑な盛大なお返しとともに、「猫の国」へと招待されて困惑するハル。どこからか聞こえた不思議な声に導かれ、ハルは猫の男爵・バロンに出会うのだった…。
『耳をすませば』(以下、『耳…』)の原作者でもある漫画家・柊あおいの『バロン―猫の男爵』を基に、宮崎駿監督が企画し、新鋭の森田宏幸が監督を務めた。
なかなか面白かったです。デザインも全体的にツルッとしているし、ストーリーもわりとまっすぐなので、サラッと観られてよかったかも。
絵も全然ジブリっぽくないし、なんでかなぁと思いながら、なかなか観る機会のなかった作品でした。ジブリ本体は『千と千尋の神隠し』の製作で忙しく、仕方ないので外注の監督、外注のスタッフで作ったというのが真相のようです。『耳…』と世界観は似てるけど、共通するのはバロンと太ったネコ(『耳…』ではムーン、本作ではムタ)ぐらい。全く別の話と言ってもいいかもしれませんが、『耳…』の主人公の雫が書いた物語、という設定もあるみたいです。
75分/★★★☆☆
(2018年8月26日)
主題歌:「風になる」つじあやの

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ハウルの動く城
HOWL'S MOVING CASTLE
2004年東宝

<監督・脚本>
宮崎駿
<原作>
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
<声優>
ソフィー/倍賞千恵子
ハウル/木村拓哉
荒地の魔女/美輪明宏
カルシファー/我修院達也
マルクル/神木隆之介
小姓/伊崎充則
かかしのカブ/大泉洋
国王/大塚明夫
ヒン/原田大二郎
サリマン/加藤治子
<ストーリー&コメント>
魔法と科学が混在する世界のとある国。愛国主義が全盛を誇り、いよいよ戦争が目前に迫っていた。父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、ある日町で美貌の青年と出会う。彼こそは人々が怖れる悪名高い魔法使いのハウルだったのだが、ソフィーは彼の優しさに心奪われる。だがその夜、彼女は荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまう。みんなを驚かせまいと家を出たソフィーは、人里離れた荒地をさまよい、やがてハウルが暮らす動く大きな城に潜り込み、住み込みの家政婦として働き始めるのだった…。
原作はイギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』。前作の『千と千尋の神隠し』は無気力な少女の成長を描いたものでしたが、今作はラブストーリー。宮崎駿監督お得意の西欧風味な世界観はそのままに、主人公も18歳(時には90歳)とちょっと大人になっています。戦争問題とか、背景となる世界の描写が多少浅く感じなくもないですが、主題はあくまでも恋愛モノなので、あまり違和感もなく観られました。
大きなお城がガションガションと動く様子は楽しいし、ハウルの最初の登場シーンもカッコイイ。空を飛ぶシーンの疾走感もジブリならではだし、随所に楽しめるシーンが盛りだくさんです。一番笑えたのは王宮の階段。汗でドロドロの魔女には映画館内が大爆笑でした。
楽しい脇役たちは今回も多数登場。僕が特に気に入ったのは火の悪魔・カルシファーと、マルクルの変装する老人。どよーんとしたヒゲ面と「しばし待つのじゃ」がいい!
<再観・テレビ初放送〜2006年7月21日>
劇場で観て以来、2度目の鑑賞。テレビでやってると、ついつい観ちゃうよね(笑)やっぱり面白いよ、これ。
119分/★★★★★
(2004年12月2日)
(再観・2006年7月21日)
主題歌:「世界の約束」倍賞千恵子

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ゲド戦記
TALES FROM EARTHSEA
2006年東宝

<監督・脚本>
宮崎吾朗
<原作>
アーシュラ・K・ル=グウィン
<声優>
アレン/岡田准一
テルー/手嶌葵
クモ/田中裕子
ウサギ/香川照之
テナー/風吹ジュン
ハジア売り/内藤剛志
女主人/倍賞美津子
王妃/夏川結衣
国王/小林薫
ハイタカ(ゲド)/菅原文太
<ストーリー&コメント>
多島海世界の“アースシー”では、聖なる生物の竜が共食いを始め、農民は田畑を捨て、職人は技を忘れていくなどさまざまな異変が起こり始めていた。崩れつつある世界の均衡を危惧した大賢人ゲドは、災いの源を探る旅に出る。やがて彼は、心に闇を持つ少年、エンラッドの王子アレンと出会う。影におびえるアレンを伴い、旅を続けるゲドは、ホート・タウンを訪れる。そこでアレンは、不思議な少女テルーに出会う。彼女は、自暴自棄になっているアレンを激しく嫌悪するのだが…。
アメリカの女流作家アーシュラ・K・ル=グウィンの名作ファンタジー『ゲド戦記』を、スタジオジブリが映像化。宮崎駿監督の実子である宮崎吾朗の第一回監督作品。
バッサリと一言で言えば、イマイチ。すごくつまらなくはないけど、すごく面白くもない。今やジブリの作品って、誰もが感動の大作を期待すると思うんだよね。『千と千尋の神隠し』然り、『ハウルの動く城』然り。その過剰な期待が、作品の評価にどう影響するか。それは難しいところ。期待しすぎていればつまらないし、「こんなものか」と観ればそれなりではある。ある意味、原点回帰というか、最近のジブリっぽくない作品だね。
映像のテイストは、緻密さを求めた最近の作品とは一線を画して『風の谷のナウシカ』の頃合だし、演出には『天空の城ラピュタ』の影響も多く見られる。今までのジブリ作品が好きな人がアニメ映画を作るとこんな感じなのかな、という以上のものではないかも。吾朗さんに関しては「次回作に期待」、これが最もピッタリくる評価だろうね。一番印象に残ったのは、テルー(手嶌葵)の透き通る歌声だったというのは皮肉(笑)
僕は中学生の時に『ゲド戦記』をちょっとだけ読んだことがあったから、「真の名前」が万物を支配する世界観とか、ゲドの旅のことを理解していたから物語に入り込めたけど、全く知識のない人が観たら、名前呼んだだけで言いなりになったり、「ゲドって主役じゃないの?そもそも、ハイタカって何?ゲドって名前1度しか出てこないじゃん」という罠に陥るだろうね(笑)正直僕も、もっと「戦記」ものなのかと思ったら、かなりこじんまりした話なのに驚きました。全7巻のうちの第3巻のお話なんだね。
115分/★★★☆☆
(2006年7月31日)
主題歌:「時の歌」、挿入歌:「テルーの唄」手嶌葵

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崖の上のポニョ
PONYO ON THE CLIFF BY THE SEA
2008年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
リサ/山口智子
耕一/長嶋一茂
グランマンマーレ/天海祐希
フジモト/所ジョージ
宗介/土井洋輝
ポニョ/奈良柚莉愛
婦人/柊瑠美
ポニョのいもうと達/矢野顕子
トキさん/吉行和子
よしえさん/奈良岡朋子
カヨさん/左時枝
<ストーリー&コメント>
海辺の小さな町の崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、母のリサと二人で暮らしている。船の仕事で留守になりがちな父親の不在を寂しく思っていた宗介だったが、ある日、浜でさかなの子・ポニョと出会う。二人はたちまち仲良しになるが、人間を辞めて海の世界の住人となった魔法使いのフジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。「人間になって、宗介に会いに行きたい」と願うポニョは、危険な力を持つ“生命の水”の力で人間の姿になるのだが、あふれた水の力で海はふくれあがり、嵐が巻き起こってしまう…。
宮崎駿監督が、アンデルセン童話の『人魚姫』をモチーフに描くハートフル・ファンタジー・アニメーション。“人間になりたい”と願ったさかなの子・ポニョと5才の男の子・宗介の愛と冒険を、CGを全く使わず、手描きアニメーションにこだわった迫力とイマジネーション溢れる映像表現で描き出す。
とても面白かったです。複雑なストーリーとか伏線があるわけではなく、ストーリーはかなりの一本道。それだけにスピード感がすごいです。画面のタッチも、いつものような緻密に描かれたものではなく、まるで子どもが描いたような、手書きならではの温かみのあるタッチで、まるで『日本昔ばなし』みたい。系統としては『となりのトトロ』のような子ども向けかな。
アメリカ版の吹き替えはケイト・ブランシェット(グランマンマーレ)、マット・デイモン(耕一)、リーアム・ニーソン(フジモト)ら豪華キャスト。
101分/★★★☆☆
(2009年9月28日)
主題歌:「崖の上のポニョ」藤岡藤巻と大橋のぞみ

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借りぐらしのアリエッティ
The Borrowers
2010年東宝

<監督>
米林宏昌
<企画・脚本>
宮崎駿
<脚本>
丹羽圭子
<声優>
アリエッティ/志田未来
翔/神木隆之介
ホミリー/大竹しのぶ
貞子/竹下景子
スピラー/藤原竜也
ポッド/三浦友和
ハル/樹木希林
<ストーリー&コメント>
とある郊外の広大な古い屋敷の床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッド、母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。彼らは、屋敷の床上に住むふたりの老婦人に気づかれないように、暮らしに必要なモノを少しずつ「借り」て暮らしていた。そんなある夏の日、病気療養のために屋敷にやってきた12歳の少年・翔に、アリエッティはその姿を見られてしまう。「人間に見られたら引っ越さなければならない」という小人族の掟があるが、アリエッティは生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいて行くのだが…。
原作は1952年にイギリスで出版されたメアリー・ノートンの傑作児童文学『床下の小人たち』。舞台をイギリスから日本に移し、小人の少女アリエッティと人間の少年のひと夏の触れ合いを綴る。『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』などで原画を担当した米林宏昌の初監督作品。
なんだかとても、こじんまりとしたお話です。絵とか雰囲気はしっかりジブリなんだけど、やっぱり宮崎駿監督作品の大作と比べると見劣りしてしまう。いつものように大空を翔るシーンもないし、疾走感のあるダッシュや波のシーンもない。小人たちが、生活のためにティッシュや角砂糖を大冒険の末にゲットしてくるという、すごく小さな世界。マチ針でネコと戦うのかと思いきや、武器として使うわけでもなく。とにかく平和な、悪く言えばあまり起伏のない展開。印象に残ったのは、超悪役のハルさんぐらいかな。
94分/★★★☆☆
(2010年7月22日)
主題歌:「Arrietty's Song」セシル・コルベル

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コクリコ坂から
From Up On Poppy Hill
2011年東宝

<監督>
宮崎吾朗
<企画・脚本>
宮崎駿
<脚本>
丹羽圭子
<声優>
松崎海/長澤まさみ
風間俊/岡田准一
松崎花/竹下景子
北斗美樹/石田ゆり子
広小路幸子/柊瑠美
松崎良子/風吹ジュン
小野寺善雄/内藤剛志
水沼史郎/風間俊介
風間明雄/大森南朋
<ストーリー&コメント>
翌年に東京オリンピックを控えた1963年の横浜。港の見える丘に建つ古い洋館“コクリコ荘”。ここに暮らす16歳の少女・松崎海(メル)は、大学教授の母に代わってこの下宿屋を切り盛りするしっかり者。そんな海が通う高校では、老朽化した文化部部室の建物「カルチェラタン」の取り壊しを巡って学生たちによる反対運動が起こっていた。古いものを壊し、どんどん新しいものを作っていこうとする時代の気運のなかで、学生たちを率いる反対メンバーの風間俊と出会った海。2人は次第に惹かれ合っていくのだが…。
1980年に『なかよし』に連載された佐山哲郎の同名コミックを、これが『ゲド戦記』に次ぐ2作目となる宮崎吾朗監督で映画化。1963年の横浜を舞台に、若者たちの姿をノスタルジックに綴る。
すごく面白かったです。過去のジブリ作品に例えるなら、『海がきこえる』とか『耳をすませば』みたいな感じかな。作品全体を通して描かれるノスタルジーは、実写映画なら『Always 三丁目の夕日』(未見)みたいな感じなんだろうね。携帯電話もメールもない時代に、不器用ながらも心を通わせていく少年と少女。まさに「青春」。そう、この作品を一言で言うなら「青春」だろうね。青春なう!な若者も、かつて青春を通り過ぎてきたOB世代も、心の中に大切にしまってある箱をそっと開けたような、そんな切なさ、懐かしさがある。
中盤から「安いメロドラマ」みたいな波紋が起こるけど、あれはあまり本筋ではないよね。昨今の韓流ドラマ的な調味料をちょっと使ってみたけど、それによって料理の味が大きく変わることもなく、これはやっぱり「ジブリの作品」と思わせてくれる爽やかな温かい余韻が観終わった後に残りました。
ゴローさん、2本目で化けたね。次代のジブリを担っていく人だから、もっともっといろんな作品にトライしてほしいな。
<再観・レンタルDVD〜2012年6月24日>
劇場で観て以来、2度目の鑑賞。やっぱり面白かった。個人的にはすごく好きな作品です。
91分/★★★★
(2011年7月28日)
(再観・2012年6月24日)
(再観・2023年8月15日)
主題歌:「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」手嶌葵
挿入歌:「上を向いて歩こう」坂本九

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風立ちぬ
The Wind Rises
2013年東宝

<監督・原作・脚本>
宮崎駿
<声優>
堀越二郎/庵野秀明
里見菜穂子/瀧本美織
本庄/西島秀俊
黒川/西村雅彦
カストルプ/スティーブン・アルパート
里見/風間杜夫
二郎の母/竹下景子
堀越加代/志田未来
服部/國村隼
黒川夫人/大竹しのぶ
カプローニ/野村萬斎
<ストーリー&コメント>
幼い頃から空にあこがれを抱いて育った学生・堀越二郎は、関東大震災の混乱の中で、少女・菜穂子と運命的な出会いを果たす。やがて飛行機設計技師としてその才能を開花させた二郎は、同期の本庄らとともに技術視察でドイツや西洋諸国を訪れ、見聞を広めていく。そしてある夏、二郎は避暑休暇で訪れた山のホテルで菜穂子と再会。愛する人の存在に支えられ、二郎は新たな飛行機作りに没頭していくのだが…。
模型雑誌『月刊モデルグラフィックス』で連載された宮崎監督自身の連載漫画が原作。ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代をいかに生きたか、その半生を描く。
ちょっと意外な作品でした。もっと明るい感じかと思いきや、けっこうダークな感じの作品です。今までのジブリ作品とはだいぶ趣がちがいます。映画館で観たんですが、退屈したのか観ている途中で席を立つ子どももいました。実在の人物をモデルとした物語や作風もそうだし、一枚絵の背景画を大胆に使ったり、テンポの速い展開、回想主導での展開など、新しい試みもいろいろやっているのが興味深かったです。賛否両論ありそうですが、個人的にはすごく面白かったし、好きな作品です。
ただ、主役声優の庵野がやっぱりひどい。プロの声優を使わないのがジブリスタイルだけど、こちらでも違う試みをしてみてほしかった。
ヒロインの菜穂子は、最初から最後まで、健気で、すごく美しいです。歴代ヒロインで一番好きかも。
126分/★★★☆☆
(2013年8月6日)
主題歌:「ひこうき雲」荒井由実
第86回アカデミー賞(2013年) 長編アニメーション賞ノミネート

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かぐや姫の物語
The Tale of the Princess Kaguya
2013年東宝

<監督・脚本>
高畑勲
<脚本>
坂口理子
<声優>
かぐや姫/朝倉あき
捨丸/高良健吾
翁/地井武男
媼/宮本信子
相模/高畑淳子
女童/田畑智子
斎部秋田/立川志の輔
石作皇子/上川隆也
阿部右大臣/伊集院光
大伴大納言/宇崎竜童
石上中納言/古城環
御門/中村七之助
車持皇子/橋爪功
<ストーリー&コメント>
竹を採って生業としていた翁の前に、ある日、不思議な光る竹の中から小さな女の子が現われた。女の子を連れ帰った翁は、媼とともに自分たちの子として大切に育てる。女の子は村の子どもたちと元気に遊び回り、すくすくと成長する。翁は娘を立派な女性に育てようと、都に移り住み、教育することに。そして美しく成長した娘は、かぐや姫と名付けられる。やがて姫の美しさを聞きつけ、5人の求婚者が現われるが…。
日本最古の物語文学『竹取物語』を、野心的な映像表現を駆使して描き出す長編ファンタジー。2012年6月に他界した地井武男が声優として参加しており、これが遺作となった。
日本最古の物語として、誰もが知っている『竹取物語』。知っているようで詳しくは知らないその物語を見事に映像化しています。全体的な流れはだいたい知っている通りのもので、そんなに大きな驚きはないけど、桜の木の下で姫が踊るシーンや、宴会場を飛び出して夜道を猛スピードで走るシーンなど(どちらも各種の予告で何十回と観たシーンですが)、単なる作画にとどまらない「描画」ともいうべき画風が革新的でした。あれは普通の作り方ではできないので、ものすごく長い制作期間の元ともなりました。結局、興行としては赤字になってしまったのかもしれないけど、映像史に残した足跡は大きなものだったと思います。
この物語のコピーは「姫の犯した罪と罰。」だけど、結局このあたりはよくわからなかったなぁ。地球に憧れたことが「罪」で、その体験をすべて忘れさせられたことが「罰」なのかな?
作中で気になったのは、やっぱり「女童」。一人だけちょっと毛色の違うキャラクターで、登場するたびに気になって仕方がなかったです(笑)
137分/★★★☆☆
(2015年6月20日)
主題歌:「いのちの記憶」二階堂和美
第87回アカデミー賞(2014年) 長編アニメーション賞ノミネート

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思い出のマーニー
When Marnie Was There
2014年東宝

<監督・脚本>
米林宏昌
<脚本>
丹羽圭子
安藤雅司
<声優>
杏奈/高月彩良
マーニー/有村架純
頼子/松嶋菜々子
大岩清正/寺島進
大岩セツ/根岸季衣
老婦人/森山良子
ばあや/吉行和子
久子/黒木瞳
彩香/杉咲花
<ストーリー&コメント>
中学1年生の杏奈は、辛い生い立ちから心を閉ざし、誰とも打ち解けることなく孤独な日々を送っていた。そんな中、持病の喘息が悪化し、転地療養のために海辺の村でひと夏を過ごすことに。そこで杏奈は、入江に建つ誰も住んでいない古い屋敷を目にする。地元の人が湿っ地(しめっち)屋敷と呼ぶその建物に、なぜか懐かしさを覚え、惹かれていく杏奈。その屋敷は杏奈の夢の中にも現われるようになり、必ずそこには金髪の少女の姿があった。ところがある晩、湿っ地屋敷へとやって来た杏奈の前に、夢で見た金髪の少女が現われる。少女はマーニーと名乗り、“わたしたちのことは2人だけの秘密よ”と語る。そんなマーニーにだけは心を開き、いつしかかけがえのない友情を育んでいく杏奈だったが…。
『借りぐらしのアリエッティ』で長編デビューを飾った米林宏昌監督が、ジョーン・G・ロビンソンの名作児童文学『思い出のマーニー』を、舞台を北海道に置き換えて映画化したファンタジー。第88回(2015年)アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされた。
ジブリ初のダブルヒロイン、これまでスタジオジブリを牽引してきた二枚看板、高畑勲、宮崎駿両監督が関わらない初めてのジブリ長編映画としても話題になった。
試写会で観に行ったんですが、なかなかおもしろかったです。ストーリーもけっこう一本の道筋で迷いがないし、終始淡い筆致で描かれていく様子なんかを観ても、これまでのジブリとは一線を画すのかなと言えるかもしれません。
宮崎監督の大作は、素材の吟味から、調理法までを凝りに凝ったフランス料理の2時間のフルコース。それに対して米林監督や宮崎吾朗監督の作品は、気軽に買い集めた食材で、仲間同士で楽しくワイワイ作った手料理のような味わい。もちろんいろいろと手は凝らしてあるんだけど、すごくライトで、肩肘張らずに食べやすいお料理のように思えます。時間をかけた大作もいいけど、このぐらいの色合いの作品を短い間隔でどんどん発表してもらえると嬉しいな。
<再観・地上波〜2023年8月14日>
劇場で観て以来、2度目の鑑賞。最後の結末以外はおぼろげな感じで観たんだけど、面白かったです。それにしても、声優のキャスティングがやっぱりひどいと思うんだよね…。
103分/★★★☆☆
(2014年7月11日)
(再観・2023年8月14日)
主題歌:「Fine On The Outside」プリシラ・アーン

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君たちはどう生きるか
The Boy and the Heron
2023年東宝

<監督・原作・脚本>
宮ア駿
<声優>
牧眞人/山時聡真
アオサギ/菅田将暉
若き日のキリコ/柴咲コウ
ヒミ/あいみょん
夏子/木村佳乃
牧正一/木村拓哉
老ペリカン/小林薫
インコ王/國村隼
大叔父/火野正平
<ストーリー&コメント>
第2次世界大戦中の東京。病院の火事で母親を失った牧眞人は、父の再婚に際し、東京から田舎の屋敷へ移り住むことに。そこは母の生家であり、父の再婚相手は母の妹だった。複雑な思いを抱えた眞人は不気味なアオサギに導かれ、異世界に足を踏み入れることになるのだった…。
宮崎駿監督が引退を撤回して『風立ちぬ』以来10年ぶりに手がける長編アニメーション作品。宮崎監督が少年時代に読み愛読書となった吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』からタイトルは借りたものとなっているが、宮崎監督自身が原作・脚本も務めたオリジナルストーリー。
タイトル画となっているアオサギの絵以外は公開日までまったく情報解禁がなく、どんな内容かまったく知らずの鑑賞でした。ストーリーはちょっと難解なので賛否両論ありそうですが、個人的には好きです。過去の作品をオマージュしたシーンが多数あり、「ああ、これでジブリ(=宮崎監督の映画)は本当に終わりなんだなぁ」という感慨がありました。
124分/★★★★
(2023年7月15日)
(再観・2023年9月25日)
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主題歌:「地球儀」米津玄師
第96回アカデミー賞(2023年) 長編アニメーション賞