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アカシアの道
2000年/ヒューマンドラマ

<監督・脚本>
松岡錠司
<原作>
近藤ようこ
<出演>
木島美和子/夏川結衣
木島かな子/渡辺美佐子
沢木浩二/杉本哲太
川田新一/高岡蒼佑
小池春子/藤田弓子
<ストーリー&コメント>
編集者として働く30才の独身女性、美和子。幼い頃、教師である母親の女手ひとつで厳しくしつけられた彼女は、大学進学を機に家を出て以来、母親とは連絡が途絶えがちだった。ある日、叔母から母の様子がおかしいと知らされ、彼女は久しぶりに実家を訪れ、母がアルツハイマー病にかかっていることを知る。母を介護するため仕方なく実家に戻ったものの、症状は少しずつ悪化していくのだった…。
かつて自分につらく当たった母親と、否応なくその介護を迫られることになった娘。そんな母娘の間の心の葛藤を描く。
夏川結衣は、困難な問題に立ち向かい苦悩する娘役。一方、記憶障害が進み嫌味な言動ばかりする老母役に実力演技派のベテラン渡辺美佐子。母娘の間の息詰まるような熱演が見所です。
作品は、誰にでも起こりうるとても深刻なテーマ。切実に考えさせられるものがあります。ただ、青年の登場はちょっと都合がよすぎる気が。
90分/★★★☆☆
(2002年10月15日)

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顔泥棒
2000年/オカルトホラー

<監督・脚本>
中西健二
<原作>
伊藤潤二
<出演>
浜岡沙也香/安藤希
亀井桃子/山口あゆみ
日比野孝文/忍成修吾
松田由美/坂本三佳
保健教師/片岡礼子
担任教師/木下ほうか
<ストーリー&コメント>
高校生の亀井桃子は、片想いをしている同級生の日比野孝文に告白するが、恋人がいるからと断られる。嫉妬した桃子は孝文の恋人の沙也香に執拗につきまとい、「彼女のようになって彼に振り向いてもらいたい」と思ううちに、桃子は相手の顔を手に入れることができる不思議な能力を身につけてしまうのだった…。
原作は、『富江』などの原作コミックで知られる伊藤潤二。2000年にテレビ朝日で放送されたドラマ『顔泥棒』を再編集したビデオ映画です。
一応ホラーなんだけど…怖さの前に、キャストの未熟さが気になってしまった。よく言えば「フレッシュな顔ぶれ」だけど、悪く言えば演技力の未知数な「学芸会ノリ」。これは日本の若手俳優に多く言えることだけど、歌手なのかコメディアンなのか俳優なのかわからないような中途半端な人たちが、話題性だけで出演しているから起こる現象だと思うんだよね。ドラマも映画も。
山口あゆみは『ちゅらさん』の祥子役が印象に強いので、ギャップが大きくて怖かった。
72分/★★☆☆☆
(2003年8月30日)

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仮面学園
2000年/学園ミステリー

<監督>
小松隆志
<原作>
宗田理
<出演>
堂島暁/藤原竜也
川村有季/黒須摩耶
矢場守/渡辺いっけい
堂島レイカ/栗山千明
段田の彼女/小野麻亜矢
芦原貢/石垣佑磨
<ストーリー&コメント>
高校生の川村有季と芦原貢は、中学時代の元同級生で、内気な少年だった殿村秀治から仮面パーティの案内を受ける。時を同じくして、有季のクラスメートで登校拒否を続けていた段田徹が不気味な仮面をつけて突然学校に姿を現した。その日を境に、次々と仮面をつけ別人に生まれ変わった生徒が増え、それはいつしか若者の変身願望を取り込み、仮面ブームという社会現象にまで広がっていった。匿名という名の仮面をつけて狂暴化する若者たち。そんな中、殿村が遺体で発見される…。
藤原竜也の映画初主演作品。
うーん。先が読めたかな。かつて宗田理の熱心な読者だった僕にはほどほど楽しめたけど。
91分/★★☆☆☆
(2002年2月20日)

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呪怨 (ビデオ版)
2000年/オカルトホラー

<監督・脚本>
清水崇
<出演>
田村瑞穂/栗山千明
小林俊介/柳ユーレイ
由紀/三輪ひとみ
村上柑菜/三輪明日美
中村/洞口依子
佐伯伽椰子/藤貴子
佐伯俊雄/小山僚太
鈴木響子/大家由祐子
<ストーリー&コメント>
小学校教師の小林は、不登校の生徒・佐伯俊雄の様子を見るため家庭訪問に赴いた。だが、両親は留守で家の中は荒れ、俊雄はなぜか多くのアザをつけていた。小林は、親の帰宅を待つことにするのだが…。何の変哲もない一軒家に関わった人間たちに、次々と悲劇が襲いかかっていく…。
「呪怨の家」による惨劇を短編オムニバス形式で描き、事件の全容が少しずつ明らかになるという構成になっている。
連作形式は面白いんだけど、時系列がちょっとわかりづらかった。佐伯家と村上家の前後さえ理解できてしまえば、問題はないんだけどね。
それにしても…かなり怖かったです。伽椰子もだけど、子供が不気味すぎ。あんな子供、絶対にヤダ。しばらく屋根裏を見上げるのが怖くなりそうです。あと、妊娠中の人は絶対に見てはいけません。
洋モノホラーは殺戮鬼がハデに人を殺しまくる「動」の恐怖だけど、日本のホラーは廃屋とか、旧校舎とか、暗い物陰とか…目に見えないところに潜む、音のない「静」の恐怖だよね。日本人には絶対こっちの方が怖いと思うわけです。
70分/★★★☆☆
(2002年8月21日)
(再観・2003年8月24日)

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呪怨2 (ビデオ版)
2000年/オカルトホラー

<監督・脚本>
清水崇
<出演>
鈴木響子/大家由祐子
鈴木達也/芦川誠
鈴木信之/郭智博
北田良美/藤井かおり
小林俊介/柳ユーレイ
佐伯伽梛子/藤貴子
佐伯俊雄/小山僚太
神尾刑事/諏訪太朗
<ストーリー&コメント>
霊能力に長けた響子は、不動産業を営む兄・達也から、曰く付きの物件を見て欲しいと依頼された。問題の家を訪れた彼女は、底知れぬ不気味さを感じ、この家を売るときは注意しろと兄に警告して足早に立ち去る。後日、家が売られたことを知った響子は、不安に駆られてその家について調べ、かつてそこで起こった複数の惨劇を知るのだった…。
オムニバス形式で繰り広げられる惨劇は前作と同様の構成。ただ、作品の前半はほとんど前作の繰り返しなので、続けて見るとちょっと気が削がれる。前作で描かれなかった部分の謎が解明されるんだけど、前作と併せて1つの作品に出来なかったものなんだろうか。
ただ今作は、前作とはちょっと趣が異なる。前作は「呪怨の家」での惨劇が淡々と描かれていたんだけど、今作ではその謎を解こうと響子や刑事らが謎解きをしようとする部分の方に重点が置かれている。前作で地縛霊のような扱いだった血まみれの女は、まるでクモのようにあちこちを這いずり回り、挙げ句の果てに分身の術まで。まるでただの怪物扱いに成り下がり、逆に怖さが半減した気がする。
75分/★★☆☆☆
(2002年8月21日)

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すずらん−少女萌の物語−
2000年/ヒューマンドラマ

<監督>
黛りんたろう
<出演>
橋爪功
柊瑠美
黒木瞳
池内博之
萬田久子
石倉三郎
<ストーリー&コメント>
吹雪の夜、北海道留萌線・明日萌駅に置き去りにされた赤ん坊。一年前に最愛の妻を失った駅長の常磐次郎は、この赤ん坊に「萌」と名を付け、育てることに。実の子以上に愛してくれる父親に感謝しながらも、心のどこかで、いつかはきっと母が迎えに来てくれると信じる萌。はたして母との再会は…。
極寒の北海道を舞台に展開する愛と感動の物語。
NHKの朝の連続ドラマの一部を映画化したもの。
ドラマは見ていなかったんだけど、楽しめました。
102分/★★★☆☆

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バトル・ロワイアル
2000年/アクション

<監督>
深作欣二
<原作>
高見広春
<出演>
七原秋也/藤原竜也
中川典子/前田亜季
川田章吾/山本太郎
教師キタノ/ビートたけし
千草貴子/栗山千明
相馬光子/柴咲コウ
桐山和雄/安藤政信
<ストーリー&コメント>
全国の中学3年生4万3000クラスの中から無作為に選ばれた1クラスを、最後の1人になるまで殺し合わせる新世紀教育改革法・通称「BR法」。1人ずつ支給される様々な武器。ルールを破ると爆発する首輪。外界から遮断された無人島で、42名の中学生たちの血塗られた3日間が唐突に、そしてあまりに理不尽に幕を上げてゆく。七原秋也と中川典子は、謎の転校生・川田と共に、なんとかこの窮地を脱する方法を探るが、そんな彼らを否応無しに親しかったはずの級友たちが襲撃する…。
いろいろと物議をかもしたこの作品。結論的には、思っていたよりも面白かったです。ただ、「なぜ殺し合いをしなければならないのか」という道義づけが希薄な感じがして、ただひたすら殺戮だけが繰り返されたような気がした。個人的にいちばん凄惨だったのは、灯台のシーン。あそこまでやらなくてもって感じ。
114分/★★★☆☆
(2002年2月6日)

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ひまわり
2000年/青春ドラマ
 or ミステリーホラー?

<監督・脚本>
行定勲
<脚本>
佐藤信介
<出演>
真鍋朋美/麻生久美子
紺野輝明/袴田吉彦
葉山由香里/河村彩
北岡洋平/マギー
湊弓子/粟田麗
小出翔子/土屋久美子
木村三香/ひふみかおり
<ストーリー&コメント>
海沿いにある故郷を離れ、東京で暮らす輝明は、偶然、小学校の同級生だった真鍋朋美が海難事故で行方不明になったことを知る。葬儀で久しぶりに集まった同級生たちは、様々な噂、思い出話を通して彼女の本当の姿を探ろうとし、次々と現れる彼女の元恋人たちも加わり、やがて朋美が大切に抱えていた想いが浮かび上がっていく…。
懐かしい旧友たちとの思い出話を通して、甦る切ない記憶、青春の日々への憧憬をセンチメンタルに描く青春ドラマ。
『贅沢な骨』もそうだったけど、この監督は描きたいものがぼんやりとしてつかみづらい。だけどこの作品では、わりと作品の方向性がわかりやすく、なかなか面白かったです。
ドラマの始まりを予感させる冒頭。会話と回想シーンを中心に、誰も知らない「彼女」の真実を探る中盤。多少予想できつつも、驚きの展開の終盤。そして、爽やかな結末。キャストもちょっと地味だし、とりたてて優れた作品ではないかもしれないけど、ノスタルジックな感傷がとても心地いい作品でした。麻生久美子さんがとても可愛いです。
…で、終わりかと思ったら。
この作品、実はとんでもない可能性を秘めていることがわかりました。その可能性に、背筋が寒くなる思いが…。詳細は「コラム」にて。
121分/★★★☆☆
(2003年9月9日)
関連記事がコラムにもあります。

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ホワイトアウト
2000年/アクション

<監督>
若松節朗
<脚本>
真保裕一
<出演>
富樫輝男/織田裕二
平川千晶/松嶋菜々子
宇津木雅彦/佐藤浩市
奥田勲/中村嘉葎雄
吉岡和志/石黒賢
<ストーリー&コメント>
日本最大の貯水量を誇る新潟・奥遠和ダムの運転員・富樫は、同僚の親友・吉岡と共に遭難者救助に赴いた。だが、猛吹雪で視界を奪われるホワイトアウトに襲われ、吉岡は遭難者をかばって命を落としてしまった。2ヶ月後。吉岡の婚約者・千晶がダムを訪れるが、到着した矢先にテロ一味が現れ、ダムは占拠されてしまう…。
映像化不可能といわれた真保裕一のベストセラーを、ハリウッドにも負けない大スケールで映画化した2000年日本映画最大級のヒット作。
日本版『クリフハンガー』。織田裕二の迫真のアクションが熱い。白銀の世界を舞台に、日本映画にしては堂々たる作品に仕上がっている。
128分/★★★★
(2001年10月9日)

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映画版・未来日記
2000年/青春ドラマ

<監督>
杉本達
<脚本>
南原清隆
<出演>
佐藤友香
鶴野太朗
三島邦起
柳沢慎吾(友情出演)
山田花子(友情出演)
<ストーリー&コメント>
一般から募集された男女が、未来に起こる出来事の記された不思議な「未来日記」のとおりに、ドラマみたいな恋愛を演じていく。顔も名前も知らないふたりが、この「未来日記」によって、信じられないような出会いをする。会うたびにお互いが惹かれあい、感動的な愛の告白をする。そして、突然別れが訪れる…。
当時放送されていたTBSテレビの人気番組『ウンナンのホントコ』の人気コーナーを映画化。
島根県隠岐の島を舞台に、爽やかな恋の物語に仕上っている。
103分/★★★☆☆
(2001年5月31日)

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EUREKA/ユリイカ
2000年/ドラマ

<監督・脚本>
青山真治
<出演>
沢井真/役所広司
田村梢/宮アあおい
田村直樹/宮崎将
秋彦/斎藤陽一郎
弓子/国生さゆり
茂雄/光石研
犯人/利重剛
松岡/松重豊
田村美都/真行寺君枝
河野圭子/椎名英姫
美喜子/尾野真千子
<ストーリー&コメント>
九州・福岡の地方都市でバスジャック事件が発生。犯人や数多くの乗客が命を落とすなか、幼い兄妹、バス運転手の沢井の3人だけが生き残るが、彼らも心に深い傷を負う。時は流れ、家族を捨てて消息を絶っていた沢井が、久々に故郷の町に戻ってきたのと時を同じくして、周辺で謎の連続殺人事件が発生する…。
深い心の痛手を負った者たちが、重い過去を振り払い、癒されていく様子をじっくりと描く。2000年のカンヌ国際映画祭で絶賛を浴びた。
全篇に渡って、「クロマティック・ブラック・アンド・ホワイト」という映像色彩処理技術が採用されています。セピアカラーのような白黒映像に、かすかに被写体本来の色が残っている不思議な色彩。これがカンヌで絶賛されたそうです。
テーマは「心の再生」。事件の後も引きずった心の傷が色彩で表現されています。その過程はゆるやかなテンポでじっくりと描かれていくのですが、これは賛否両論あると思う。カットできそうなシーンはたくさんあるけど、それをしてしまったらこの作品の味わいが薄くなってしまう。ただ、「映画」として観た場合に3時間37分という上映時間はどうなのか、と。正直、僕は「長すぎる」と思いました。
あと、これは純粋に作品の演出についてなんだけど、全体的に淡々とした雰囲気で平板なテンポなのは減点。ただでさえ緩やかな流れが、さらに退屈さを招いている気がするし、僕は原作を同時に読みながら観たんだけど、原作では描かれている人物の心理描写(特に兄妹の)が理解しにくくなってしまっている。秋彦だけは感情が比較的明快だけど。あと、暗めな画面なのに「引き」の映像がばかりなので、細かい部分(沢井がナイフで手の平から出血する場面とか)が見辛い。内容はなかなか深いものだけに、ちょっと残念。
あと、2000年5月3日、佐賀県で起こったバスジャック事件は作者に何らかの影響を与えていたのだろうか?
ちなみに「EUREKA」とはギリシャ語で「発見」の意味だそうです。
217分/★★★☆☆
(2003年5月15日)

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リング0〜バースデイ〜
2000年/ホラー

<監督>
鶴田法男
<原作>
鈴木光司
<脚本>
高橋洋
<出演>
山村貞子/仲間由紀恵
遠山博/田辺誠一
立原悦子/麻生久美子
宮地彰子/田中好子
重森勇作/若松武史
葉月愛子/奥貫薫
有馬薫/高畑淳子
伊熊平八郎/伴大介
山村志津子/雅子
<ストーリー&コメント>
昭和43年。雑誌記者の宮地彰子は、自殺した超能力者・山村志津子の娘・貞子の消息を探していた。その頃、貞子は東京の劇団に所属していた。だが、劇団では奇怪な出来事が次々と起こっていたのだった…。
『リング』シリーズの完結編となる第4弾。第1作の30年前、18歳のミステリアスな貞子像を仲間由紀恵が好演。
ただ、このシリーズ…観れば観るほど怖さがなくなっていきます。今になって振り返ってみれば、第1作のワケわからなさが怖い理由だったようにも思う。登場人物の背景がどんどん明らかになっていくことで、今までの作品の怖さの度合い、価値も下がっていくような気がします。
この作品だけに関して言えば、それなりに面白かった。ただ、全てを一連の流れとして見ずに、それぞれに「貞子」というキーワードでつながった「独立した作品」として観なければいけないかもしれません。つじつまが合わないことが多いし、とってつけたような設定もあるからね。
個人的には、主演の二人が可愛いかったのでそれだけでヨシ(笑)仲間由紀恵、麻生久美子ともにとてもよかったです。仲間由紀恵の演じる貞子は、ミステリアスな部分もあるけど、それ以上に可愛いので、全然怖くない。『死国』の栗山千明もそうだけどね。
99分/★★★☆☆
(2003年7月6日)