垣間見えたパラレルワールド
『ひまわり』
| 『ひまわり』を観ました。 ノスタルジックな感傷にひたるのが心地いい、単なる青春ドラマかと思いきや。 この映画、もしかしたらものすごい作品なのかも。 垣間見えたパラレルワールドの可能性に、背筋が寒くなりました。 このコラムには、重要なネタバレを含みます。 今後、この映画を観てみたいと思う方は絶対に読まないでください。 ぜひ、映画を観た直後に読んでみてください。 (なるべくすぐ。特に、レンタルの場合はビデオ(DVD)を返してしまう前に!) きっと、僕と同じ驚きに震えることができると思います。 |
||
| ひまわり(2000年日本/青春ドラマ) <監督・脚本>行定勲 <脚本>佐藤信介 <ストーリー> 輝明は、海沿いにある故郷を離れ、東京で暮らしていた。同棲中の恋人、由香里とは毎日些細なことで喧嘩ばかりの日々。そんなある日、偶然、小学校の同級生だった真鍋朋美が海難事故で行方不明になったことを知る。しかも数日前に、輝明の家の留守番電話に朋美からのメッセージが残っていたのだった。輝明は戸惑いながらも葬式に出席するため故郷に戻る。葬儀で久しぶりに集まった同級生たちは、様々な噂、思い出話を通して彼女の本当の姿を探ろうとし、次々と現れる彼女の元恋人たちも加わり、やがて朋美が大切に抱えていた想いが浮かび上がっていく…。 <出演> 真鍋朋美/麻生久美子 紺野輝明/袴田吉彦 葉山由香里/河村彩 北岡洋平/マギー 湊弓子/粟田麗 小出翔子/土屋久美子 木村三香/ひふみかおり 田中哲郎/ボブ鈴木 酒匂達彦/戸田昌宏 斎藤幸夫/光石研 笹原新次/北村一輝 久世公平/津田寛治 平野雄一/堺雅人 高橋宗次/田中哲司 |
||
驚愕の事実 作品を観終えた時は、「面白かったけど、まぁどうってことない」ぐらいで。 まぁ、よくある★3ツな評価だった。 ところが。 作品のデータを掲載するために、いつものように調べモノをしているとき 驚くべき一文を発見したんですよね。 |
||
| 実は船を掘った主役以外全員は、死んでいた!? あのニュースで、全員の名前がありました。 |
||
「えっ!?マジで!?」って感じでした。 ものすごく驚いて、慌ててビデオを観直して確認してみました。 本当だ…。みんな死んでる。 上のキャスト一覧で、名前を赤字にした12人は、最後に浜辺に集ったメンバー。 この中から輝明を除いて、朋美を加えた12人が海難事故の犠牲者でした。 ちゃんと全員の名前が、ニュースで報道されていました。 全く気がつきませんでした…。 ニュースで、一瞬画像がザザッと乱れるんですよね。 なんかそのあたりが、『リング』なんかを彷彿とさせて。 作品中で、生きていたはずの人物たちが死んでいた。 しかも、「転覆した漁船と同型の船」の映像が、最後に輝明たちが 砂浜で掘り返した船そのものなんですよね…。 その驚きで、なんだか背筋が凍りつく思いがしました。 新たなる可能性のパラレルワールド しかし、そうなると作品の感想が全く違うものになってくる。 頭の中が、一気に混乱してしまったようでした。 普通に何気なく観た段階では、死者として認識しているのは当然朋美一人。 最初は顔の見えなかった彼女の姿が、思い出話でだんだんと明らかに なっていくというストーリー。 それが、一気に逆転してしまうとなると…。 可能性1・「すべては輝明の夢だった」 一番ありがちで、無理にでも納得してしまいたい方のための説。 夜に会った朋美(そもそも、彼女が幽霊か、生きていたのかも不明)同様、 故郷で会った旧友たちはすべて陽炎のような存在だった。 海難事故で死んだ旧友たちが、現実に生きている輝明の夢に出てきた。 そして最後の、由香里からの電話で現実に戻る、と…。 釈然としない感覚は残るけど、一番定番と言える説。 可能性2・「死んだのは輝明自身だった」 ニュースの名前に気づかなければ、絶対に出てこない考えがこれ。 作品中で、登場人物の一人が語るセリフにこんなのがある。 「人は死ぬときに、やり残したことがあると生霊となってこの世をさ迷うんだって」 それに対して輝明は「俺もまだ死ねない」と答える。 これを踏まえると、旧友たちとの再会は、何らかの状況で死に瀕している 輝明自身の創り出した幻影だと考えられはしないだろうか。 作品中で、輝明がかつて隠した朋美の靴を探す場面がある。 何らかのきっかけで過去の記憶が呼び覚まされ、死に瀕した場面で 懐かしい朋美や、仲間たちが走馬燈となって現れたのではないだろうか。 だが、この説には決定的な反論事項がある。 事故死した12人に、旧友以外のメンバーが含まれている点だ。 走馬燈で懐かしい面々に再会するとしても、面識のない人物が現れるだろうか? そこに朋美の元恋人たちが含まれるのはおかしい。 そう考えると、この説は成り立たないか…。 などなど、色々あれこれと考えるとキリがなくなってしまいました。 もし万が一、あの死亡者リストが、こんなふうに視聴者が考えるように 仕向けられた罠か、製作者によるイタズラだとしたら…。 この作品、単純なようでいて、なかなか侮れないのである。 ちなみに、向日葵の花言葉は「あなたを見つめる」、「愛慕」など。 |
||
![]() 2003/9/15 |
||