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REPORTER/さにー
1998年に始まった「ON THE ROAD 2001」。
その締めくくりのアリーナツアー「The Shogo Must Go On」。
4年間の旅の終わりは、故郷・広島での凱旋ライブ。
「ON THE ROAD 2001」のツアー開始とほぼ同時期に始めた「Sunny's Day」。
この4年間の様々な思いが胸を去来した4時間でした。

Before Stage 1
ついに迎えた、コンサートツアー最終日。長かった4年間の旅の終わり。
省吾の故郷広島でのグランドフィナーレは初の誕生日ライブとなってメモリアルな1日でした。
(20年を越えるコンサート歴の省吾だけど、誕生日ライブは今回が初めて!)
午前5時半、富山を出発して走ること8時間。
ホテルでのチェックインを終えた僕は、まっすぐに会場へと向かった。
まさに、「いてもたってもいられない」という気分。
今日この日、広島にいる。そのことが、なんだかすごく不思議に思えた。
緑がかった屋根にちょんまげをのせたような会場。
広島市総合体育館。たしかそんな名前だったように思う。
これが会場となった「広島グリーンアリーナ」です。
冬枯れの木々が寂しそうに風に揺れていました。
広島グリーンアリーナ
開演前のかなり早い時間・・・2時半過ぎに僕はもう会場にいたんだけど。
寒かったせいもあってか、人はまばら。
みんなどこかでゆっくりとお茶したりしていたみたい。
最後だし、てっきり全国から集まってきた人たちがたむろしてると思ってたんだけど・・・
かなりアテがはずれたというか(笑)
僕はずっとウロウロしてたんだけど、全然知ってる人には会えず。
やっぱり、そういうもんだよねぇ。
携帯電話を持ってない僕は連絡も密にとれるわけではないから、尚更なんだろうけど。
会場の周りをウロウロしながら、中からもれてくるリハーサルの音を聴いていた。
「裸の王達」なんかに混じって聞こえてきたのは、すごく思い出深い1曲。
だけど、今回のアリーナツアーのレパートリーには入っていない曲で。
もしかすると今夜、特別にやってくれるのかな?と思ったりもして。
3時をかなり過ぎた頃、ようやく何人かの友達と合流することが出来て。
初めて会えた人もいたので嬉しかったです。
だけど、もっともっといろんな人に会いたかった気持ちもあったんだよね。
特に、広島の友達とか。それはすごく残念でした。
そううこうしているうちに、開場時間の4時半になって。
僕は今日、省吾のコンサートとしては初めて一人席で見るので、友達と別れ一人会場へと足を踏み入れました。
Before Stage 2
中はけっこう広い。7500人って言ってたかな?
もちろんまだ満員にはなっていないんだけど、異様な熱気のようなものが漂っていました。
僕の席は、38列目の左から2番目。左の端っこという位置でした。
席がいいとか悪いとか、人それぞれに思惑はあると思うけど。
これは僕が自分でとったチケットだし、参加できるだけでいいと思っていたから満足でした。
ちょっと遠めだったけど、ステージ全体が見えたし。
右側のスタンド席に垣根のように連なる人々がよく見えて、熱気も感じられたしね。
ただ、僕の周りはほとんど一人席だったみたいで。
僕の左も、右も、前列の人も。
誰かと会話を交わすでもなく、自分の中で思いを暖め、感慨にふけっているという感じで。
僕のところには何人かの方が尋ねて来てくれたので、ちょっと異色だったかも。
席に着いて、ふと周りを見渡す。
当然、知らない人ばかりだ。
これだけたくさんの人が、様々な思いを抱えて集まってくる。
普段のコンサートとは違い、みんな今日は明らかに「ファイナル」を意識して遠くからやってきたのだろう。
名前さえも知らないし、それぞれの暮らしも当然知らない。
だけど、たった一度きりの夜、ひとつの場所に集まって興奮と感動を共有できる。
コンサートって、すごく不思議な空間だと思う。
実は開演を待つ時間の間、僕の心はある思いにとらわれていて。
そのことで冷静ではいられなくなって、コンサートが始まる前から苦しい思いに沈んでいた。
今から、すごく楽しみにしていたコンサートが始まるというのに。
楽しいはずのこの時間に、どうしてこんな思いをしなければならないの?
意味のない問いを繰り返してみる。
そんな僕の思いとは関係なく、やがて開演を告げるアナウンスが会場に流れる。
会場は大きな拍手と、フライングぎみの「省吾ー!」の声。
もう一刻たりとも待ちきれない。
ついに迎えた、4年間のコンサートの最終日。
Stage Act 1
【There's No Business Like Show Business】
Three Dog Nightの「The Show Must Go On」が流れ、七色のスポットライトが館内に色めきたつ。
今回のアリーナコンサートではすっかりお馴染みとなった光景だ。
何度見ても(僕はこの夜で3回目だけど)「綺麗だなぁ」と思う。
この光景を見るのも今日が最後。
しっかりと目に、心に焼き付けておこう・・・。
そして、スクリーンにオールドチックな映像が流れ、テロップが次々に表示される。
ショーほどステキな商売はない
・・・やっぱり、全然覚えきれなかった。
あれ、毎回同じなのかなぁ?なんか、前回見たときより内容が深かったような。
身体を壊しても、悲しいことがあっても、何があってもショーは続けなきゃいけない
そんな悲痛な内容の部分があって。「あれ?こんなだったかなぁ・・・」とか思いつつ。
まぁ、僕の思い過ごしなんだろうけど。
省吾やメンバー、スタッフの人たちもそうやって、4年間走りつづけてきたんだよね。
数々のアクシデントに見まわれながらも、全国各地で待ち続ける僕たちファンのために。
最初から、なんだか目頭が熱くなってしまいました。
1.青空
ボコボコという『SAVE OUR SHIP』の冒頭のSE(効果音)が流れる。
それと供にストリングスの演奏があるんだけど・・・
あれ、すごく深いですよね。真っ青なライティングに彩られたアリーナ内が、まさに深海のように感じられて。
曲ごとに違うライティングのテーマカラーも、すごく印象深いですよね。
深い深い海の底で、必死に光を求めて手をのばす人影。
息も絶えそうな苦しさの中で、気泡にまみれてつぶやく「SOS」の言葉・・・。
やがて一筋の光がさしこみ、今夜我々が進むべき道が示される。
かき鳴らされる低音のギター。
いよいよだ。いよいよ最後のショーが始まる。

やがて光が見えた時。
言葉に出来ないような熱い感動におそわれた。
いや・・・感動というのとは、またちょっと違うかな。喜びの度合いよりも、悲しみの度合いが強い感情。
ショーが始まるということは同時に、始まってしまったショーが終わりに向かって進んでいくということ。
当然の摂理なんだけど、その寂しさに胸が熱くなった。
前回、長野のコンサートの時は感激屋の僕が一度も泣く事はなかった。
だけど、この夜は・・・とくに前半は。
今までに泣いたことのないようなところで涙がボロボロこぼれた。
この曲が始まって、すべてが動き出した時。
省吾が、メンバーが、ステージの上で演奏して、サウンドとライティングが調和をとって。
もちろん、オーディエンスは熱い興奮にのみこまれて。
すべてが動き出した時、僕の心の中の堰がきって落とされたように涙が溢れてきた。
この曲のアレンジは、ストリングスが素晴らしいですよね。
とくに最後のエンディングのところが大好きです。
2.裸の王達
静かな「青空」と対照的に、燃える赤に染め上げられたステージ。
演奏にあわせ、オーディエンスの手拍子が始まる。
僕もいっぱい、一生懸命手を叩いて、叫んだ。
コンサートの後にはいつも手の平がグローブのようにはれあがって、声は枯れてしまいます(笑)
混乱と憎悪と暴力に満ちてるこの世界 祈りを銃弾に変え…
そんな歌詞が、すごく痛々しく響く。
後半の「A NEW STYLE WAR」や「愛の世代の前に」と同様、この曲もすごくヘビーな歌詞だ。
世界はどこへ向かおうとしているのか。
幼い子供でさえ、そんな現状を憂えている現代。
何かが狂っている。巨大な負の力が世界を覆っている。
年が明けて2002年が来たら、そんな現状はきっともっと良くなるだろう。
良くなっていってほしい。そう願う。
2曲を歌い終えて、ひとときの安息が訪れる。
(MC)
「コンサートに来てくれてどうもありがとう!1998年の4月、川口リリアメインホールから始まった「ON
THE ROAD 2001」は、今日が最終日です。この12月29日土曜日の夜、束の間の短い時間ではありますが、ステージの上の俺たちミュージシャンと、ステージやライティングのスタッフと、誰よりも何よりも集まってくれたオーディエンスのみんな一人一人の熱気で、楽しい夜にできたらと思います。最後まで、どうかよろしく!」
そう言って客席に手をふる姿は遠くてよく見えなかったけど、にこやかな笑顔だったように思う。
そして、スタッフから渡された新聞を広げる。
「中国新聞(記憶に自信なし。広島新聞とかだったかも?)。今日は、どんなことが起きているのかな?」
ニュースのネタも、なにひとつ覚えていないけど・・・暗いニュースばかりだったように思う。
「・・・とまぁ、世の中はいろいろ暗いニュースばかりですが。だけど・・・誰もショーを止めることはできない。誰にも俺のショーは止められない!「The
Show Must Go On」。・・・ザ・ショーゴ・マスト・ゴーオン!!」
3.HELLO ROCK & ROLL CITY
「Hello!広島City〜!How are you doin'?!」
省吾自身の故郷・広島。「I'm Coming back!」という響きがすごく嬉しそうに感じた。
果たして客席の何割が地元・広島の人だったかわからないけど・・・
彼らはきっと、格別の思いでこの曲を聴いていたことでしょう。
この曲から大型スクリーンに省吾やメンバーの表情が映し出される。
すでに汗がつたう頬。上気しているのは熱のせいなのか、それとも?
この曲の思い出といえば、やっぱり2000年の4月、僕の地元・富山でのコンサート。
曲の途中の歌詞をその街の地名に変えて歌ってくれているんだけど、やっぱり自分の住んでいる街の名を呼んでもらった時の感動は別格だ。
それまでは、僕もあちこちのコンサートに参加した。東京、大阪、名古屋、新潟。そこで熱くなっている人々を見るたびに羨ましく思っていた。
「いつかこの曲を、自分の地元で聴いてみたい」それが僕のささやかな願いだった。
それが叶ったのが2000年の4月。
初めて聴いた「Hello!富山City〜!How are you doin'?」の感動は、今でも忘れられない。
198回のコンサートツアーのうち、富山に来てくれたのは結局その1回が最初で最後だった。
それ以後の僕は、遠くまで行く・・・いわゆる「遠征」のコンサートに熱意が薄れたのは確かだ。
じゃなかったら、今回のアリーナツアーにももっといっぱい参加していたかもしれないし。
だけどね、なんか・・・そういうふうに思えなくなって。「どこまで行ってでも見たい」とは。
「見にいく楽しさ」もいいものだけれど、「来てくれるのを待っている」喜びを知った今となってはね。
その喜びと、「来てくれない寂しさ」は隣り合わせなんだけどね。特に、富山のような地方の街は・・・。
またいつかこの曲を、地元・富山で聴ける日がくることを願ってやまない。
4.土曜の夜と日曜の朝
すごくゴキゲンなメンバーの表情が大型スクリーンに映し出される。
この曲のアレンジは、ほんとに素晴らしい。
ライブレコーディングしたものをリリースしてほしい曲の1曲です。
ちょっと話はそれるけど・・・今まで、20年以上にわたって長く続いてきた省吾のコンサートツアー。
その中で、最も多く歌われているのがこの曲なんだそうです。
ほとんどのツアーのレギュラー曲になってるから、回数的にはおそらくダントツ。
それだけやっぱり、本人が気に入ってるんだろうね。
ここでまた、しばしの安息。
「ここで、今回のツアーから新しくメンバーに加わってくれた素晴らしいミュージシャンを紹介します。
僕の長年の友人でもあり、素晴らしいギタープレイヤーでもあります。ギター、水谷公生。
次の曲は、彼と一緒にプロデュースして作った新しいアルバムの中から、彼のギターをフィーチャリングしてやります」
5.GIVE ME ONE MORE CHANCE
爽やかなコーラスから始まるこの曲。アルバムのほうのアレンジだけど、とても素晴らしい。
昔のシングルバージョンを今になって聴くと、また随分違って聞こえるのが不思議。
この曲についても、思い出が幾つかあって。
バラードだから特にだけど、しめつけるような想いで胸がいっぱいになって、切なくて。すごくつらくて。
コンサート開演前の気持ちが、また蘇えってきて。
誰でもそうだろうと思うけど、コンサートという「非日常」な空間の中に身を投じる時、「日常」との境目に置いてくるものがある。
それは仕事だったり、家庭だったり、様々な悩みだったり。
別のところに置いてきたつもりでも、そういうものが何かのキッカケでこちらの世界に入ってきてしまう。
心穏やかではいられなくなって、素敵なはずの「非日常」がかすんでしまう。
僕の場合は特に、今夜はその傾向が強かった。
ハッキリと言えることではないけれど、自分自身の存在意義すらも疑いたくなってしまうほどの煩悶にとらわれてしまって。
涙は次から次へとあふれてくるんだけど、悲しいわけじゃなくて。
胸は苦しいんだけど、切ないわけじゃなくて。
なんか、すごく気分が悪いというか・・・とにかく、苦しくて。
だから、この曲からしばらくは楽しめる気分じゃなくて。
ほとんど覚えてないです。何も書けないです。
6.LOVE HAS NO PRIDE
全然覚えてないです。
最後のフリつけをやっていたかどうかすら、記憶にないです。
途中でしきりに「そう思わないかい!?」と省吾がシャウトしていたのだけが印象的でした。
レポーターとしての自覚なのかなんなのか、「この曲とあの曲を聴いた」ってこと自体はシッカリと覚えてはいて。
どんなに心乱れても、後になったらセットリストをちゃんと思い出せる。そんな自分が、なぜか憎らしかった。
「今夜、この広島グリーンアリーナには7500人ぐらいの人(たしか、そうだったと思う)が集まってくれたんだけど。その中に、女性はどれぐらいいるんだろう?」
女性たちの歓声がひびく。
省吾がさらに手であおると、それをうけて、さらに大きい拍手と歓声。
どこでもそうだけど・・・客席の半分以上が女性だったように感じました。
「次のこの曲は、そんな女性たちに贈りたい。じゃあ、男たちは。「俺たちは、どうすりゃいいんだよ」と思うかもしれない。男たちは女性たちのために・・・俺と一緒に歌ってほしい」
7.モダンガール
スローな「アリーナツアー」バージョン。
これもまた、何か書けるような記憶が全くないです。ごめんなさい。
この曲も、すっかりレギュラー化してしまったなぁ。
アリーナツアーが始まった頃は「悲しみの岸辺」と日替わりでやってたんだけど。
最近のお気に入りなのかな?ホールツアーでもコンスタントにやってたしね。
「じゃあ、男たちはどのぐらいいるんだろう?ちょっと手を叩いてみてくれる?」
「ウオーッ」という男たちの歓声と拍手。
「男にとって、人生での大きなテーマは2つある。ひとつは、女性。男たち!女って大変だよな!」
「イエーッ!!」という男たちの歓声。
「でも、女性がいなければ男の人生はとても空しいものになってしまう。だから、大切にしなければならないのです。じゃあ、もうひとつはなんだろう?」
いろいろな声が飛ぶ。
「それは、様々に形を変える。だけど、結局はこういうことだと思う」
軽快なエレキギターから演奏が始まる。
8.MONEY(BEATLESカヴァー)〜MONEY
この曲の感想は・・・書くかどうしようかすごく迷いました。
今までに書いたことのない、というより・・・
今までに感じたことすらないネガティヴで、陰湿な感情のものだからです。
一度書き始めてはみたんだけど・・・怒りのままに書きなぐった文面はあまりに痛々しい。
だから、削除しました。
決して、何かが、誰かが悪いとかじゃないのです。
僕の心の中であがいていた感情だから。
コンサート中、あんな気持ちになったことは初めてだし。
あまり思い出したくないことでもあるので・・・。ご理解ください。
ただ・・・かなり印象的なセクションであったことは確かです。
喜怒哀楽、様々な感情を体感できた。
数々の思い出とともに、めくるめく人間模様みたいなものがよぎった。
そんな意味で、今までにないコンサートだったし、とても感慨深い夜でした。
9.DANCE
10.境界線上のアリア
「MONEY」の時からの最悪な気分をひきずってしまって。
岡沢さんのベースソロはいつにも増してカッコよく聞こえた印象だけはあるんだけど。
うーん。やっぱり、何も書けないです。
前半はなんだか、すごくつらい時間だったように思える・・・。
同じくコンサートに参加して楽しんでいた方々には、申し訳ないけど・・・
決して、コンサートの内容が悪かったわけではないし、メンバー、スタッフともに最高のパフォーマンスだった。
ただ・・・受け取る側の僕が。
ひたすら自己嫌悪におちいっていた時間でしかなかったのです・・・。
演奏が終わると、メンバーたちはバックステージへ。
省吾は一人、センターマイクでコメント。
「えー、ここで15分ぐらいの短い休憩をとります。今夜はまだ、かなり長いステージになるんで・・・」
客席からは大きな歓声!
「ノドが渇いたって人はなんか飲んでもいいし、タバコ吸いたい人はロビーで吸ってもいいし。トイレに行きたい人は行ってきて下さい。だけど俺は、私は、何もすることがないって人は・・・「ON
THE ROAD 2001」の4年間の映像を編集した映像がスクリーンで流れますので、それを見ててください」
THE DOCUMENT OF "ON THE ROAD 2001"
4年間・・・ほんとに、いろんなことがあったなぁ。
この4年間のツアーで、僕が参加した回数は全部で18回。
様々な出会いと別れがあり・・・
楽しいことも悲しいことも、いろいろあった。
でもまだ、今はそれを振りかえるには早い。
今夜のコンサートはまだ途中だし、コンサートツアーもまだ終わっていないから。
この休憩で、なんだかだいぶ吹っ切れたというか・・・
すこし気分が楽になりました。
前半の時の痛々しいほどの感情は静まり、ようやく「最後のコンサートを楽しもう」という気が沸き起こってきて。
気分を入れ替えて後半に臨むことができたと思います。
Stage Act 2
11.青空のゆくえ
僕の参加した福井、長野では「MIDNIGHT FLIGHT」だったこの枠。
さすがにクリスマスも過ぎたということでこの曲に替わっていました。
町支さんのアコースティックギターのイントロから始まるアレンジ。
すごく好きな曲のひとつなので、とても嬉しかったです。
後半が始まってすぐなのに、今度は喜びの涙があふれてきて。
前半戦の苦しかった気分から解き放たれた気分で、優しい演奏を聴き入っていました。
後半最初のアコースティックコーナーの時は、ステージ奥に大きな布が吊るされていてスクリーンが見えないようになっていて。
その布につけられた小さな電球が、まるで星空のようにステージを彩っていてすごく綺麗なのです。
その星々の輝きが涙でにじんで見えなくなってしまって。
ほんとに僕の涙腺、どうかしちゃったんじゃないだろうか?ってぐらいに泣きっぱなし。
いつから僕は、こんなに涙もろくなったんだろう?
この曲をコンサートで聴くのは、1999年の野外コンサート(7月・キロロリゾート)以来2年ぶり。
最初に参加したアスティとくしま(1998年5月)でも聴いたんだっけ。
なんだか、とても懐かしい気分がしました。
もう 夢見てたような未来が来るとは 思えない 悲しいけれど
そっと時計の針を 二人出逢った夜に
止めてしまおう 永遠の一秒前に…
人はどうして、恋に落ちるんだろう?
男はどうして、女を求めるんだろう?
誰かと出会って、その人を愛し、いつしか知らず知らずのうちに傷つけてしまう。
そんな繰り返しをして人は成長していくんだろう。
成長していくとは、いろんなことを体験して、知っていくことなんだろう。
悲しいけれど、人は同じ過ちを繰り返してしまう生き物なのかもしれない。
12.片想い
この夏に、NHKで4回にわたって浜田省吾スペシャルテレビプログラムが放送された。
その中でいろんな話を聞かせてくれているんだけど・・・
僕が特に好きな話があります。
「ラブソングって、いいですよね。君がいたから、お前がいたから、あなたがいたから私の人生に意味が生まれた。そんなラブソングが僕は好きです」
こんなことも言ってました。
「最高の恋人というのは、自分のいいところを引き出してくれる人。その人を愛し、自分を見つめなおすことで自分がどんな人間かを知ることが出来る。そういう人こそが最高の恋人なんだと思います」
人を愛するということは自分自身を知ること。
僕自身、片想いの恋は何度もしていますが・・・そのたびに知るのは自分の無力さばかりのような気がします。
僕の理想の恋人同士というのは、お互いを愛し、尊重しあえる関係。
お互いを、何よりも誰よりも一番大切に思い合えること。
一番簡単なようだけど、それが一番難しいことだと思うんですよね。
省吾のラブソングには複雑な人間模様の絡んだものが多い。
この曲もファンには人気の高い名曲だけれど、誰もが一度は感じたことのあるだろう思いが素直に詞になっているところが好感を生むんだと思うんですよね。
(MC)
「昨日はオフだったので、昼まで寝ていて。それから姉さん夫婦がホテルまで尋ねて来てくれて、一緒に出かけました。平和記念公園に久しぶりに行ったんだけど・・・本当は原爆資料館を見たかったのね。だけどもう、閉まる時間で。で、昨日あらためて気付いたんだけど原爆慰霊碑と、平和の灯火と原爆ドームって一直線になってるんだよね。僕は最近まで知らなかったんですが・・・父がね。父は広島の原爆の二次被爆者なんですが。鎮魂の碑の中に被爆戦没者名簿の名簿があるんですが、父もその中に入れてもらえることになりました。感謝したいです」
いろいろな想いが胸をよぎるのか、静かに話し続ける省吾。
「なんか、昨日はすごく久しぶりにそんなことを考えていました。普段は忘れているんだけど、不思議と、いろんなことを思い出せるのね。昔、平和の灯火の台の上にのぼってタバコに火をつけたことがあったんだよね(笑)悪いことしてました。すっごく反省してます。すいませーん。そんなやんちゃな頃もあったんだよー(笑)」
会場は笑いと歓声。
原爆の話になると、やっぱり少し重い空気があるね。
広島という土地はそれを語ることのできる場所だし、それを考えなければならない場所だとも思うし。
「今日は最終日ということで、全国から来てくれてるのかな?大雑把に聞いてみようかな。じゃあ、北海道!」(拍手)「この間、月寒グリーンドームにも来てくれたのかな?・・・ありがとう。じゃあ、東北!」(東北は少なかったような・・・)「関東!」(かなり大きな拍手)「甲信越・中部・北陸!」(僕も大きな拍手。まとめないで別々に聞いて欲しかった・・・)「あ、中部は違うかな?」(「名古屋ー!」という歓声がとぶ)「関西!山陰!山陽!」と続き・・・「広島!」(かなり大きな拍手。やっぱり地元の人が多いんだね)「山口!九州!沖縄!じゃあ、国外から来たって人!」(「ハーイ!」という声があがり、客席からはどよめき)「では、最後になりましたが四国の人は?」(拍手)「やばいなぁ。じゃあみんな、進行とか知ってんじゃん(笑)じゃあ、初めて来たって人は?」ごく僅かな反応。「俺、4年もツアーやってんのに・・・今日が初めてなの?(笑)初めて見た感想はどう?浜田省吾って暗いってイメージだったんじゃ?」(「カッコイイー!」という声)「そうかい?(笑)他の人たちに負けないように、楽しんでいってくださいね・・・。そうかぁー。みんな知ってるのか。俺は示し合わせみたいのが大嫌いだ!(笑)・・・でもまぁ、仕方ないよね。じゃあみんな、もうすっかりメンバーの名前も顔も知ってるわけですね?僕が紹介しますので、皆さんが大きな声で名前を呼んでください。バイオリン!」(「矢野さーん!」という声)「バイオリン、矢野晴子さん。もう1人のバイオリンは?!」(「岩戸さーん」という声)「バイオリン、岩戸由紀子さん」そうやって、他のメンバーも順番に紹介されていきました。
13.もうひとつの土曜日
「次の曲は、『J.BOY』というアルバムに入っている曲です」
この曲は、ホールツアーの時は1人でアコースティックギターで歌ってくれてたんだよね。
バンドスタイルの演奏もいいけど、ああいう雰囲気も大好きでした。
うーん。ひとつだけ贅沢を言えば・・・違う曲を聴きたかったなぁ。
「片想い」、「もうひとつの土曜日」は福井、長野と連続で聴いてるし。
特に・・・「陽のあたる場所」を聴きたかったなぁ。
すごく思い入れのある曲のひとつなので。
アリーナツアーが始まったとき、レパートリーに加えられているのを知ってすごく喜んでいたんです。
だけど結局、一度も聴くことは出来なかったなぁ・・・。
この曲のファンの方には申し訳ないけど、やっぱり「陽のあたる場所」を聴きたかった。
広島の初日、2日目とやってるから無理かなぁとは思っていたんだけどね。
(MC)
「何か話をしようか。僕は広島を出てからもう30年になるんだけど。自分の人生の中で、広島にいた時間ってのがどんどん短くなっていくのね。それで、思い出ってのもどんどん薄れていくんだと思ってたら・・・逆に、いろんなことを強く思い出すようになって。普段は忘れているような細かいことを、ふとしたキッカケで思い出すのね。
昨日も町の中を歩いていていろんなことを思い出したんだけど・・・縮景園ってあるでしょ。予備校に通ってた頃はよくあそこで本を読んでいました。予備校に行かずにね(笑)あの、屋根のある・・・雨が降っても大丈夫な場所あるよね。初めてのデートもあそこでね。あ、女の子に関しては俺、遅かったのよ。いろんなことやってたからね。剣道部にもいたし、野球部もやってたし、出版部もやってたし。生徒会とか、バンドとかもやってたし。やってなかったのは女の子と勉強だけ(笑)
で、予備校に行ったときに同じ高校から来てた女の子とデートをしたんだけど、それが縮景園で。ベンチに座って・・・俺は、「今日はキスしよう」と思ってるわけ(笑)「わしゃのう〜」とか言いながらも、俺の頭の中はそれだけでいっぱいで、いつしようとか、どうやってしようとか、いろいろ頭の中をぐるぐるしてるわけ。心臓がドキドキして。で、彼女の方を向いたときに、彼女も俺の方をパッと見てね。顔と顔がこんなに近くて、びっくりして。そのままベンチの後ろにもたれたらそれが、背もたれのないベンチでね(笑)そのまま後ろにズデーンと倒れてしまって。彼女はそんな俺の方を見て「何(なん)しょん?」って(笑)それで終わってしまいました・・・」
会場は爆笑の渦。
「あとは・・・大学を中退して広島に帰ってきたとき、その頃は景気が悪くてね。仕事もなくて、天満屋のピザ屋でバイトしてたのね。で、ピザを焼きながら「いつまで俺はここでピザを焼いてるんだ?このままでいいのか?」ってね。俺はそこに自転車で通ってたんだけど・・・自転車っていっても今みたいにギアのあるかっこいいやつじゃなくて、昔の、こんな大きな荷台のついたやつで。その頃高橋・・・愛奴のベースをやってた高橋(現在、Road & Skyの社長の高橋さん)はゲームセンターでバイトしてたのね。で俺は、バイトが終わったら高橋を後ろに乗せて、平和公園を越えて、土橋のほうから○○(地名の記憶は曖昧です)にある青山の家まで毎日行ってたの。そうやってバンドの練習をそこでしてたんだけど。あの距離を後ろに高橋を乗せて、よく毎日走ったなって思うよね(笑)」
ステージ上では、次の曲の準備にスタッフが走りまわっている。
省吾はゆっくりと歩きながら、思い出をかみしめるように話し続ける。
「あとはね。ピザの宅配のバイトをしてた時に、紙屋町のところで自転車の車輪が踏み切りのレールの溝にはまってしまって。荷物がバーッと散らばっちゃったわけ。そしたらそこに向こうから電車が来るわけよ(笑)パァ〜ンとか鳴らしながら。もう、泣きたくなったね(笑)
そんなこともいろいろ思い出してました。
天満屋のサテライトスタジオみたいなとこで週に1回ぐらいだったかな、ライブをやらせてもらってたんだけど。その時NHKの人から出演の依頼があって。「地元の若者たち」みたいな番組で歌わないかっていう。そのためにスタジオでレコーディングをしたんだけど、楽器を全部リヤカーに積んでね。みんなで押して行ったわけ。それで何曲か録って番組でも流してもらえたんだけど。その時のテープの中に入ってた「二人の夏」をCBS
SONYの人が聴いてくれて、それがデビューのきっかけになりました。
そんなことをいろいろと思い出した、浜田省吾の広島の思い出物語」
長い思い出話のMCに会場は大満足の拍手。
14.彼女
「新しいアルバムは聴いてくれたかな?前のアルバムが自分の中ですごく納得のいくものだったので、ハードルが高くて。それを超えられるものが作れるかなぁと思っていたんですが、ツアーをしながら新しい曲を作っていって、一番最後にこの曲ができて。これでとてもバランスのとれたいいアルバムができる、ハードルを超えられたと思いました。そういう意味でも、とても大好きな曲です」
そのコメントの後に、素晴らしいコーラスを聴かせてくれました。
この曲は何度聴いてもコーラスにばかり注目してしまいます。
15.A NEW STYLE WAR
16.愛の世代の前に
時期的に、この2曲はもうはずせないのかなぁ。
メッセージ色の強い曲が、切ないラブソングと肩をならべているのが省吾の特徴のひとつ。
「裸の王達」もそうだけど、昔作った曲なのに今聴いても全然色褪せてなくて。
個人的には「・・・to be "Kissin' you"」と「真夏の路上」の方も聴いてみたかった。
「A NEW STYLE WAR」といえば、やっぱりすぐに思い出すのは1999年の野外コンサート。
あのコンサートは特に思い入れが強い。初めての野外だったし、いろんなことがあったし。
メンバーやスタッフの乗った飛行機がハイジャックされたり、激しいスコールの中、開演を待ったこととか。
コンサート会場まで辿りつくまでの遠い道のりもそうだし、コンサートが終わってからの時間も・・・。
ヘリコプターの爆音が響く中、この曲が始まった時には全身が奮えるような思いだったなぁ。
僕が参加した18回の公演の中で、一番思い出深いコンサートのひとつです。
17.午前4時の物語
この曲も、だいぶ違和感がなくなってきたなぁ。
初めて聴いたときは「なんじゃこりゃ!」と思ったものだけど。
今ではハードな演奏が好きになりつつある。
エフェクトをかけて歪められたヴォーカルだけは今でも好きになれないけど・・・。
でもやっぱり、あいかわらず一緒には歌えないんだけど。歌詞、なかなか覚えられなくて。
18.あい色の手紙
前の曲までの激しさとは一転して、すごく静かなこの曲。小島さんのピアノが澄み渡ります。
ハードなナンバーから急にこんな静かな曲を歌えるのって・・・やっぱりすごいことだと思う。
ストリングスも、町支さんのコーラスも素晴らしい。
とてもすごいことを、すごく普通にやってのけてしまう。
それが本物の「すごさ」なんだと思える一幕です。
19.Theme of "Midnight Cab"
この曲は、今日は特別でした。
いつもは、古村さんの♪パパパ〜ッというサックスで始まるんだけど。
(と言っても、2回しか参加していないんだけど、その2回ともって意味です)
今日は、「あい色の手紙」の後に福田さんのキーボードソロが始まって。
まるで怪獣映画のテーマ曲か大作映画のエンディング曲のような、緊迫感あふれる演奏。
「なんだなんだ、何が始まるんだ?!」と思って聴いてました。
しばらくすると、そこに小島さんのピアノが絡んでいって。鍵盤2つの豪華セッションがしばらく続きました。
聴き惚れていたところで、満を持して古村さんのサックスが登場。
曲目リストのところに「Theme of "Midnight Cab"〜Grand Final Version」と書いたけど。
一言で言うと、イントロの部分が変わっていた、というだけのことなんだけどね。
それでもやっぱり、聴くたびに演奏が違うのは楽しいし、嬉しいことです。
これが「ステージのパフォーマンスは生き物だ」ということなんだろうね。
その夜に参加した者だけが共有しうる感動というか、「一期一会のコンサート」ということですよね。
20.モノクロームの虹
21.J.BOY
終盤は一気の盛り上がり。もはや語る言葉はないです。
4年間、常に聴いてきたこの2曲。
ホールツアーのテーマ曲であり、オープニングを飾った「モノクロームの虹」。
サビのタメが変わり、弦が入るなど斬新にアレンジされ、長いファンを困惑させた「J.BOY」。
まさに「ON THE ROAD 2001」を語るには決して外せない2曲。
会場内の盛り上がりも、当然のように最高潮です。
僕自身はどうなっていたか、全然覚えてないです。
22.日はまた昇る
「J.BOY」が終わり、福田さんのオルガンが優しい音色を奏でる。
そして、省吾がゆっくりと話し始める。
「4年前にこのコンサートツアーを始めたときは、すごく閉塞した気分ってのが世の中に漂ってて。不景気は底が見えなかったし、1999年にはノストラダスムが不吉な予言をしていたり。そんな気分を吹き払ってみんなと一緒に世紀を超えて走りつづけたい。そう思って始めたツアーでした。正直言って4年もあれば、日本の状況も少しはよくなると思っていました。だけど、ますます失業者は増え、景気は悪くなる一方だし、予想だにしえなかった凶悪な犯罪が起きたり。テロや戦争も起きて、ますます世の中はひどい状況になってしまった。こんな時代だからこそ、僕たちのテーマってのは「生き残ること」なんだと思う。それは誰かを傷つけたり、人のものを奪ったり、何がなんでも生きていくってことじゃなくて、優しさや、自分らしさや、ユーモアや正気を失わず生きていってほしい。そう思います。今夜はどうもありがとう」
海鳴りの聞こえる丘で青空を見上げて想う
この旅の途上で愛した人の懐かしい面影を…
おそらく、この夜にこの曲を聴いて涙した方は多かったのではないでしょうか。僕もその一人でした。
毎日、いろんなことがある。
楽しいことや嬉しいこともあるし、つらいこと、悲しいこともいろいろある。
そんな日常をそれぞれに抱えた個人が集まってきて、魔法のような夜を共有する。
そのことが、とても素敵なことに思えて。
単純に、コンサートが終わってしまうという寂しさもある。
この曲の持つ大いなる優しさに、心が癒される思いもある。
だけど何よりも・・・理屈じゃなく。言葉じゃなく。
自然に涙があふれてきてしまうんだ。
省吾の言葉の、歌の、ひとつひとつが。メンバーの奏でる音色のひとつひとつが。
僕たちオーディエンスの熱狂に満ちた歓声のひとつひとつが。
とめどなく熱い思いとなって頬を伝ってしまうのです。
この曲を初めて聴いたのは1998年の秋の大阪。当時はまだ未発表曲で。
歌詞ははっきりとわからないんだけど、すごく優しくて、懐かしい曲調に胸が熱くなったものでした・・・。
長い旅路の色んな場所で 数え切れぬ人に出会う
誰もが皆自分の 人生と闘っている
荒野にひとり君は立ってる 行く道は幾つもある
だけどたどりつくべき場所は きっとただひとつだけ
どの道を歩いて行こうと 君は君のその人生を
受け入れて楽しむ他ない 最後には笑えるように…
省吾の作り出す詞の世界は、強く、激しく、そして優しい。
この夜のコンサートに参加したすべての人々。
オーディエンスだけでなく、スタッフも、メンバーも、おそらく省吾自身でさえも。
それぞれの思い出の中に、この熱い思いがいつまでも息づくことでしょう。
「日はまた昇る」。文句のない名曲です。
演奏が終わり、「青空」シングルバージョンのエンディング部分が演奏される。
省吾は、ステージを左右に走り、すべてのオーディエンスにむかってお辞儀をして、手を振ってくれました。
感動と切なさに満ちたみんなの願いは、アンコールへの期待となって
いつまでも手をたたき、歓声を送りつづけるのでした・・・。