2003/12/3(水) 新潟テルサ
“100% FAN FUN FAN 2003”(ファンクラブイベント)
第4章・中盤


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 Enquete Time 1

「君の名を呼ぶ」が終わり、ちょっと照明が明るくなった。

「さあ!ここからは、皆さんお待ちかね。リクエストのコーナーです」
再び青いファイルを持って話し始める省吾。
このコーナーが、最も会場ごとに異なる場面のようです。
たしかこのあたりで、セットの「洞窟」部分が上にせりあがっていったんだよね。
そして、ライトのついた鉄骨だけが剥き出しになって。
シンプルだけど、なおさらクールさが増した感じです。

「今回のイベントをやるときに、ちょっと迷ったのね。どんな曲をやればいいだろうか、って。
 そしたら、ステージプロデューサーの岩熊さんが「リクエストとればいいんじゃない?」って。
 そうか、それはいいということで、みんなに3曲ずつリクエストをとったわけですが・・・
 みんな、自分のリクエストした曲ってちゃんと覚えてる?」

大きいようで、ちょっと力ない拍手(笑)
「もう忘れちゃったんじゃないの?(笑)しょうがないなぁ。会場ごとにリクエストの集計を出して、
 できるだけみんなのリクエストに応えようと思います。それでは、今日集まってくれたみんなのリクエスト。
 まず、1票も得られなかったゼロ票の曲!全部読んでいったら大変だけど、全部読んでみよう」

そう言って、僕が数えていたところではたぶん26曲を挙げました。
次に、1票だけの曲。これは15曲ぐらい挙げたような・・・あわせて40曲ぐらいだったと思う。
これが、すごく楽しかった。
一言ずつコメントを言いながら挙げてくれたんだけど、時には口ずさんだり、客席に歌わせたりしながら。
リクエストの少ない曲に関してのコメントということで、ちょっとスネたような感じで(笑)
0か1かどっちか忘れたけど、たしかここで名前が挙がった曲を順不同で挙げてみます。
コメントの内容は、かなり食い違いがあるかもしれません。あしからず。
全部はさすがに覚えきれませんって(笑)

「愛を眠らせて」(0か1)
『MIND SCREEN』の曲だね。

「朝からごきげん」(1)
持っていたファイルをバサリと落とし、ガックリとうなだれた仕草。
「そうか、これ聞きたくなかったんだ。最初の、インターネットライブの映像で流したのに・・・。
 あれ、一人だけしか喜んでくれなかったんだ。ふ〜ん。そうか・・・」

「朝のシルエット」(0か1)
『MIND SCREEN』。

「あの頃の僕」(0か1)
たしか、曲名だけでコメントなし。

「あばずれセブンティーン」(0か1)
「アリーナツアーのセンターステージで、あんなにやったのに・・・」

「雨上りのぶるーす」(0か1)
「♪ビルの谷間の雨上がり〜 ってやつね」

「イメージの詩」(0か1)
「吉田拓郎のカバー」

「インディアンサマー」(0か1)
♪真夏のメモリ〜

「永遠の恋人」(0か1)
かなりショックな様子で
「せっかくアルバム『初秋』に入れたのに・・・みんな聞きたくなかったんだ」

「曳航」(0か1)
たしか、曲名だけでコメントなし。

「滑走路−夕景」(0か1)
たしか、曲名だけでコメントなし。

「からっ風のララバイ」(0か1)
「♪今日もまた〜風が吹いてる〜 ってやつだね」

「君がいるところがMy sweet home」(0か1)
えーっという客席の声。
「今さらなに、その声は。白々しい(笑)俺、けっこう好きな曲なんだけどなぁー」

「キャンパスの冬」(0か1)
客席を見渡しながら
「覚えてる?キャンパスの頃なんてもう、思い出せないでしょ?(笑)」

「君去りし夏」(0か1)
たしか、曲名だけでコメントなし。

「幻想庭園」(1)
イントロの部分を擬音で。
「♪チャチャチャチャチャチャチャチャ ダーダダン! ってやつね」

「木枯しの季節」(1)
たしか、曲名だけでコメントなし。

「午前4時の物語」(1)
「アリーナツアーで、あんなに一生懸命歌ったのに!みんな聞きたくなかったんだ。フーン・・・」

「サイレントムーヴィー」(1)
「♪雨まじりのホリディ〜 ってやつだね」

「さよならゲーム」(1)
えーっ!という客席。
「白々しいって!(笑)そうか、この曲新潟では人気ないんだ。
 わかりました。次からは「さよならゲーム」歌いません(笑)」

「汐風の日々」(0)
「俺、けっこう好きな曲なのに・・・」
この曲、もう少しリクエストの枠があれば僕は投票したかった。好きな曲なんで。
省吾本人も好きな曲ということで、ちょっと嬉しかった。いつかコンサートで聞いてみたい。
♪あー僕の〜 愛した夏〜と歌い出す。
客席、その後を受けて、ほぼワンコーラス合唱。

「子午線」(1)
「『MIND SCREEN』。けっこういい曲だと思うけどなぁ・・・」
これも好きな曲。本人も好きと聞いたら、やっぱり嬉しい。

「初夏の頃」(1)
たしか、コメントなし。僕はかなり好きな曲なのに!

「青春のヴィジョン」(1)
『イルミネーション』ね。

「ダンシングレディ」(0か1)
「田原俊彦くんがよく歌ってくれてたね」

「遠くへ」(たしか1)
何かコメントがあったはずだけど、忘れました。

「反抗期」(0か1)
これにも、えーっ!という客席の声。
白々しいって!(笑)というような反応だったと思います。

「プールサイド」(0か1)
「♪プーサイドで・・・ 続き、歌える?」
客席、それを受けて続きを歌うが、途中から曖昧に。
「5人ぐらいしか知りませんね(笑)」

「ベイ・ブリッジ・セレナーデ」(0か1)
曲名を読み上げて、客席の反応を待つ感じ。数人が歌っていたが。
「すぐに歌ってくれなきゃ!」

「夢にいざなえ」(0か1)
♪いつでも〜風の中に君〜と妙な声でおどけながら歌う。

「夜は優し」(0か1)
コメント忘れました。

「ラブ・トレイン」(1)
「♪故郷を出て〜 続き歌える?」
客席、数人が歌う。ちなみに僕も、ほとんどの曲を歌いましたよ。
「数人しか知りません(笑)」

「25番目の夢」(0か1)
「どんな曲だっけ・・・?」

「BE MY BABY」(1)
コメント忘れました。

「GEAR UP 409」(0か1)
「俺と町支が一緒に作った曲だね。おーい!町支ー!この曲、人気ないぞ」
そう言って、町支さんの方を振りかえる。町支さん、苦笑い。

「GOOD NIGHT TOKYO」(0か1)
♪グ〜ッナ〜イ トーキョ〜

「HIGH SCHOOL ROCK & ROLL」(たしか0)
「これはわかる気がするね。みんなの年では、ハイスクール・・・というのはちょっとムリがある気がするね(笑)」

「IN THE STILL OF THE NIGHT」(0か1)
コメント忘れました。

「LITTLE SURFER GIRL」(0か1)
「これ、かなりお気に入りの曲なのに!10曲だけ選んでベストアルバム作るとしたら、絶対入れるのになぁ〜」

「MIRROR」(0)
♪鏡の中〜
その後を受けて、客席合唱。ほとんど全員で歌ってたと思う。
このコーナーでは、「汐風の日々」とこの曲が、わりとちゃんと合唱して長く歌った曲だと記憶している。
メモに、この2曲の曲名だけはしっかり書いてあるからね。

「Theme of "Midnight Cab"」(0か1)
「これは歌うのはちょっと難しいね(笑)」

たしか、こんな感じだったと思います。
とにかく、いっぱいの曲についてのコメントが聴けて楽しかった。
本人自身のこういうコメントって、あまり聞けないからね。

投票ゼロ、1票だけのリクエストについて
順不同ですが、どこかで挟んだコメントです。たしか、「1票」を発表し終えた後だったと思うけど。
「ちなみに、みんなが会場に入ってきたときに流れてたBGM。なんだかすごく懐かしくなかった?
 声もすごくかわいい感じで(笑)それはね、この、投票がほとんどなかった約40曲なんです。
 リクエストがほとんどなかった曲をあえて集めてテープにして、ランダムにして流してたんだよ。
 これは俺の、ささやかなリベンジの気持ちなんだ!(笑)この曲を聞け!っていうね(笑)」

会場は大爆笑と拍手喝采でした。

どのあたりでのコメントか忘れたけど、新潟について
何かの反応で客席の元気な反応に気をよくしたのか
「なに?今日はみんな、とても元気がいいね!そうか、アルビレックスがJ1に昇格したから?
 先日宮城でやった時は、みんな元気なかったもんなぁ(笑)ベガルタはJ2に落ちてしまったからね」

大きな拍手!
「そうだよね〜。アルビレックス新潟のJ2優勝、J1昇格おめでとう!
 おかげさまで、サンフレッチェも一緒にJ1に上がることができました」

どのあたりでのコメントか忘れたけど、リクエストについて
曲名を読み上げてる時か、ベスト10の発表の時のトーク。
「そうか。この曲も、あの曲も、みんな聴きたくないんだね。ふーん。全然票が入ってないなんて・・・」
客席から「3曲だけ選べってのが酷なんじゃー!」という男性の声。
これには客席も、みんな大きな拍手!
そうだ。たしかにそうだよ!僕だって、好きな曲、聴きたい曲いっぱいあるんだよ。
省吾はただ笑ってただけでした。

7.グッド・ナイト・エンジェル

「それでは、そんな人気のなかった曲から1曲を選んでやります。
 みんな知らないだろうから、歌わなくていいです。俺一人で盛り上がるから(笑)」

そう言って始まったこの曲。この曲ではみんな立ちあがって、一緒に歌って踊りました。
演奏はほぼ、『初夏の頃』におさめられたバージョン。
これはよかったなぁ〜。滅多に聞けないレアな曲。
ファンクラブイベントならではだね!という1曲でした。

省吾はクネクネと腕や腰をまわし、なんだか怪しいダンスを踊っていました。

サビの後のコーラスの部分、♪グッドナイトマイエンジェル・・・の部分だと思うんですが
省吾自身が腕を左右に振るふりつけをしていました。
途中からみんなそれに気づき、一緒になってやりました。
雰囲気的には「ラストショー」の♪さよなら〜のところみたいな感じで。

・・・誰?(笑) ♪グ〜ッナイ マイエンジェル・・・

最後、エンディングの長いコーラスのところは、さながら稲穂が揺れるような感じでしたね。
客席からのびた腕が揃って左右に揺れていて。最後のところは、両腕を振ってました。
上から見たら、たぶんすごいことになってるんだろうなぁ(笑)
新潟テルサは2階席がないけど、大きな会場で2階から見たら、きっと壮観だろう。

曲が終わったら、客席にはまた座るように促しました。

 Enquete Time 2

「以上、リクエスト(たしか)1票の「グッド・ナイト・エンジェル」でした。
 さあ!それではいよいよ、ベスト10の発表です。」

大久保さんの、ダララララ・・・というドラムロールが入る。
このドラムロールは、第4位までずっとありました。

「第10位!「君の名を呼ぶ」。これはさっき歌ったね」
やっぱり、アリーナツアーの印象が強いのかな?人気があったね。

このリクエスト、チケット申しこみの際に書いたものなんだけど。
「あなたが今回のイベントで聞きたい曲を3曲まで選んでください」
って感じだったと思うのね。
だからみんな、当然「滅多に聞けないレアな曲」を選ぶと思ってたわけ。
だけどやっぱり、人によってずいぶん傾向が違うものなんだね。
僕みたいにレアな曲に投票した人もいれば、それこそ定番な曲でも、自分の好きな曲に投票した人もいる。
結果的には後者の方が圧倒的に多かったわけなんだけれど。
ベスト10も、「聞きたい曲」というより「好きな曲ベスト10」みたいな結果だったしね。
例えばこの「君の名を呼ぶ」なんかはアリーナツアーに行った人なら聞いたことのある曲なわけだし、
個人的にはそういう曲より、もっといろんな曲を聞いてみたいと思ったんだけどね。
こういう機会でなければ聞けないような、それこそ「汐風の日々」みたいなね(笑)
もちろん定番な曲もライブには外せないけど、滅多に歌わない曲も聞いてみたい。
そのバランス感が、微妙に交錯していた気がするね。客席も、ステージの上も。
(結果的には、アンコールでその期待には応えてくれたんだけど)
ちなみに、僕の選んだ「歌って欲しい3曲」。
ファンクラブ会員限定ということで、古い曲をやってくれそうだったので「ガラスの恋」
大好きな曲だけど、僕が参加した公演では聴けなかった「陽のあたる場所」
「ON THE ROAD 2001」では演奏されなかったけど、好きな曲「あれから二人」
この3曲にしました。結局、どれも演奏されなかったけど(笑)
他にも、「明日なき世代」とか「途切れた愛の物語」「いつわりの日々」「太陽の下へ」
「初夏の頃」「汐風の日々」「恋人達の舗道」「独りぼっちのハイウェイ」
「君が人生の時」「永遠の恋人」「悲しい夜」「幻想庭園」「子午線」
「想い出のファイヤー・ストーム」「初秋」「悪い夢」「4年目の秋」
「BLOOD LINE」「HARBOR LIGHTS」「SAME OLD ROCK'N ROLL」
などなど・・・挙げればキリがないんだけど、やっぱり「今一番聴きたい曲を」
ってことで、上記の3曲にしたんですよね。

脱線しましたが、、引き続きベスト10の発表です。
大久保さんのドラムロール。
「第9位!「ON THE ROAD」。♪この道の彼方〜」
たしか、ちょっとだけ口ずさんだ気がします。

「第8位!「愛しい人へ」。」
この曲は、アコースティックギターでワンフレーズ歌ってくれました。
♪君をこの手に抱きしめた時 初めて誰のために僕が生まれてきたのかわかった…
途中から小島さんのピアノが入ってきて。そのことについて嬉しそうに
「コジやん、よく覚えてたねー!」
小島さんは独特のガハハという笑顔。奏でるピアノはすごく繊細なのに・・・
この人ほど、演奏とキャラクターのギャップがすごい人は希だろう(笑)

「続いて第7位!「青空のゆくえ」。この曲が入ってて、嬉しいなぁ。
 今まで30年ちかくやってきて、200曲以上曲をつくって。その中で、自分なりにあるのね。
 これはよくできたとか、これはイマイチだとか、聞くだけで恥ずかしいとか(笑)
 その中でもこの曲は、自分でも、歌詞も、コード進行も、メロディラインも、とても満足の
 いくものができたって気がするのね。自分の曲の中でも、かなりお気に入りの1曲です」

拍手がおこる。
なのになぜ、この曲は『初秋』に入らなかったんだろう?

「次は・・・第6位!「ミッドナイト・ブルートレイン」。この曲はね、自分の中では特別な曲のひとつで。
 長いツアーを追えた最終日とか、野外ライブの最後の曲とか、そういうときにしか歌ってないのね。
 なんか、すべてをやり終えたというか、達成感みたいのがあって・・・」

そう言って、アコースティックギターで前奏を弾き始める。
客席はもちろん、省吾と一緒に大合唱。
「♪カーテンコール ステージライト・・・ざわめき 今でもほてる身体・・・やめよう!」
そう言って、突然演奏をやめる。
「なんかこれを歌うと、もう終わりって感じがするんだよ(笑)今夜はどうもありがとう!」
そう言って、ギターを抱えて帰りかける省吾。客席は爆笑。もちろん帰りませんでしたよ。

「第5位!「もうひとつの土曜日」。・・・小島くん、ピアノ!」
そう言われて、小島さんが前奏を弾き始める。突然ふられたにも関わらず、すぐに弾き始めた小島さんに
客席はオーッというどよめき。譜面もなかったし、暗譜してるんだろうね。さすがです。
歌い出しのあたりまで、エレクトリックピアノによる前奏が続く。
♪夕べ眠れずに・・・
そこで小島さんのところを振りかえって
「今、やめようと思ったでしょ!(笑)」
小島さん、ガハハという笑い。省吾も、他のメンバーもみんなずっと笑みをたたえています。
まるでリハーサルのようなリラックスした雰囲気。
普段のコンサートの完成された演奏もいいけど、こういうシーンもファンにはとても嬉しいものです。

「第4位!「家路」。」
曲ごとに客席から大きな拍手と歓声が起きてたんだけど、この曲は特に大きかった気がする。
「どんなに遠くてもたどりついてみせる 空とこの道出会う場所へ。
 ものすッごくずーっと走ってる気がするね・・・」

歌詞を読み上げて、おどける省吾。妙な力の入り具合に、客席もつられて笑う。

「それでは!輝ける、第3位!」
大久保さんのドラムロールではなく、福田さんのコッテリしたファンファーレが鳴り響く!
客席はオーッ!という歓声。振り返って見ていた省吾も、笑顔でとても嬉しそう。
「福ちゃん、今のいいね!もう1回お願い!」
それに応えて、福田さんがもう一度ファンファーレを弾く。
最後のダダダダン!というところで客席は再びオーッ!という歓声。
「いいね〜。まるで何かの表彰みたいだね。輝け、レコード大賞・・・みたい。
 俺、そういうの縁がないからね(笑)30年ちかくやってきて、ヒット曲はたった1曲だけ。
 しかもそれも、滅多にやらない、テレビドラマのタイアップというやつで」

なんだか自虐的な皮肉がたっぷりこもっていました。
「あの、「悲しみは雪のように」。ヒットしたのってあれ1曲だけだもんなぁ。
 1曲だけで、よく30年もやれたよなぁ・・・」

そこで客席から「カップラーメンの歌!」という声が飛ぶ。
客席は大きな拍手で、省吾はちょっと苦笑い。
「いや、あれは違うんだよ。テレビで流れたからみんなヒットしたと思ってるんだろうけど
 実際には全然売れてないんだよ(笑)」

そう言って、前奏を弾き始める。客席も手拍子で追いかけ、一緒に大合唱!
♪ブルー レッド イエロー スクランブル交差点・・・
1番を、まるまる全部歌いました!客席はイエーーッ!という歓声と拍手。
「この曲は、「風を感じて」って言うんだぜ、ベイベー!」
たぶん、声を発した彼の方に向かっておどけたように叫ぶ。
こういう空気感が、とても楽しい〜!
「なんで突然ロックンローラーに・・・。コホン(笑)では、第3位!
 ワンハンドレッド・パーセント・ファン・ファン・ファン、輝くリクエスト大賞、新潟大会の第3位は〜!」

福田さんのファンファーレが鳴り響く。
「第3位は、ラストショー!」
この曲に関しては、特にコメントがなかったような気がしますが・・・
単に僕が覚えてないだけかもしれません。

「続いて、第2位!」
先ほどとはちょっと違う、福田さんのファンファーレ!
「第2位は、「星の指輪」!」
客席から大きな拍手。前半の手拍子調査で、夫婦連れも聞いたんだったかも?
何組か、夫婦で来てた方がけっこういたみたいですね。
現在の制度では、1家族で2人揃って入会するのは大変だと思いますが・・・
「この曲はね、北海道でも人気があったんだよね。自分としては、そんなに優れた曲ではないと思うんだけど
 みんなが好きになってくれて嬉しいです。でも、この曲が好きということは・・・聞き手に問題があるね(笑)
 俺の曲の中で、わりと幸せな夫婦の曲って、この曲ぐらいしかないからね。みんな、うまくいってないの?(笑)
 他には「いつわりの日々」とか「NEW YEAR'S EVE」とかだもんなぁ。仕方ないのかな」

もしかしたらここで「夫婦で来た人は?」とか「子供を預けて来た人は?」という手拍子調査をしたのかも。

「それでは、第1位。「100% FAN FUN FAN」リクエスト新潟大会・・・って、それじゃ予選だな(笑)
 まぁ、いいか。それでは、輝け!レコード大賞、2003年度新人賞は、51歳の浜田省吾さんで・・・」

聞き間違いじゃなく、51歳って言ってた。実際にはまだ50歳なのに。勘違い?
福田さんの、豪華で濃厚なファンファーレが鳴り響く!
「第1位は、「J.BOY」!」
かなり大きな歓声。個人的には、正直意外でしたね。
10位からずっと来て、「もうひとつの土曜日」とか定番曲が多くランクインしてたので、きっとそうだろうと
先読みして、メモの1位のとこに「片想い」って書いたのね。でも「J.BOY」でした。
そうか、そうきたか!って感じでもあったけど。
1位のところに書き直しの後が・・・
この「J.BOY」では、貴重な話を聞かせてくれました。
「アルバム『J.BOY』は1986年に作ったんだけど、その頃日本はバブル経済の絶頂期で。
 何もかもが浮かれている世の中だったんだけど。その頃世の中にあふれていたものは欧米から入ってきたものばかりで、
 俺たちの、日本人の本当の姿みたいなものが失われていたんだよね。本当の自分自身を見失ってしまった「日本の少年」、
 「Japanese Boy」。俺たちは「J.BOY」なんだと。「J.BOY」ってなんだかポジティヴな言葉にとらえられているけど、
 決してそうではなくて、むしろそういうネガティヴな意味なんだ。『J.BOY』というアルバムで初めてナンバーワンになって、
 コピーライターがそれに目をつけたのかどうかわからないけど、やがて国鉄がJRになって。プロサッカーリーグが誕生すると
 Jリーグと名付けられた。あちこちJ、J、J、Jだらけになっちゃったけど、そうじゃないんだよと」

真剣な話しぶりに、客席も息を飲んで聞き入っている。
「それと、これはたぶん初めて言うことなんだけど、歌詞の中で「掲げてた理想も今は遠く」というところがあるよね。
 あの「理想」というのは、実は憲法第9条のことなんだ。そして「守るべき誇りも見失い」というのは、日本人が見失って
 しまったアイデンティティ、自分自身のことなんだ。今年、2003年は振りかえってみれば「イラク戦争の年」になってしまった。
 侵略はいつ終わるとも知れず、犠牲になる人々は絶えることがない。そんな今だからこそ、平和の意味、世界のあるべき姿に
 ついてもっと考えてみるべきなんだと思います」

先ほどまでの陽気な雰囲気とは違い、身体中から憤りや、悲しさみたいなものが漂っている。
「J.BOY」に込められた本当の意味。
初めて聞いたけど、とても重く胸をうちました。
太平洋戦争が終わり、日本人にとっては平和な世の中に思える。
だけど実際には、世界のあちこちで紛争が絶えず、何十年経っても、世の中から武器と殺戮、侵略はなくならない。
「八月の歌」「BIG BOY BLUES」「詩人の鐘」にも通じるテーマだけど・・・
平和の歌を、平和な世界で、みんなが一緒に歌えたらそれ以上の喜びってないんだと思う。
家族や友人同士が、笑い合いながら楽しく過ごせる世界。
理想かもしれないけど、それを空想に終わらせない努力を世界は今こそしなければならないんだと思う。

「俺たちは今日東京から来たんだけど、昨日、DVDを借りて観たのね。そして・・・久しぶりに泣いてしまいました。
 『プロミス』って作品なんだけど、パレスチナ、イスラエルに住む子供たちの生活を追ったドキュメンタリーなんだけど。
 途中でどうしても涙が止まらなくなってしまって。もし機会があったら、みんなも観てください。オススメです」

『プロミス』に関してはこちら
プロミス

新潟公演
リクエストベスト10
  1. 71票 J.BOY
  2. 59票 星の指輪
  3. 59票 ラストショー
  4. 52票 家路
  5. 49票 もうひとつの土曜日
  6. 48票 MIDNIGHT BLUE TRAIN
  7. 47票 青空のゆくえ
  8. 47票 愛しい人へ
  9. 42票 ON THE ROAD
  10. 42票 君の名を呼ぶ

ちょっとしんみりとしてしまった雰囲気を振り払うように
「さて。それでは、そのリクエストの中から1曲やりたいと思います」

8.青空のゆくえ

先ほどの話の後に聞いたこの曲は、とても胸にしみました・・・。
途中、サビのあたりだったかな。
ライティングで、背景が真っ赤になったのね。
「日はまた昇る」の時にそうなるかのような、真っ赤な空。
夕日のようなその真っ赤な色は、心を暖めてくれる半面、今も世界のどこかで流されている血の色を暗示しているようで・・・。
コンサートって明暗様々の色を持っているけど、とても開放的に思えるこの曲も、その影にはとても多くの悲しみを乗り越えて
そこにやっと安らぎを見つけた。そう語っているかのような切なさをたたえて・・・。

 Band Member

「それではここで、バンドのメンバーを紹介します。みんな日本を代表する、素晴らしいプレイヤーです。
 このイベントのために集まってくれて、とても嬉しく思います。

「まずは、ピアノの小島君。彼のピアノはとても素晴らしくて天才的なんだけど、特にバラードの曲では、彼のピアノを
 バックに歌うことができて、とても光栄に思います。ピアノ、小島良喜君」

「次は、古村君。彼はサクソフォンプレイヤーなんだけど、サックスといってもバリトン、ソプラノなどたくさんの種類があるし、
 他にもフルート、ギター、マンドリン、パーカッションなど数えきれないほどの楽器を操るプレイヤーです。古村敏比古君」

「キーボードの福田君は、あらゆる方面に才能をほとばしらせている本物の天才で、そのうちどれかひとつの方面だけを
 選べと言ったら死んでしまうんじゃないかと思えるほどです。キーボードプレイヤーだけでなく、アレンジャー、プロデューサー
 としても優れているんだけど、先日も日本武道館でエイズのための募金活動「Act Against Aids」のプロデューサーとしても
 活躍していました。キーボード、福田裕彦君」

「町支君とは16歳の時に出会ったんだけど、もし彼がいなければきっとここまで音楽を続けていられなかったと思います。
 感謝してます。ギター、町支寛二君」

「ベースの岡沢君は、お兄さんの章さんもベースプレイヤーで、兄弟揃って天才ベースプレイヤーです。彼に出会ったのは
 彼がまだ20歳くらいで、僕がまだ25歳の時でした。レコードを一緒に作って、その後しばらく別れた時期があったんだけど、
 「ON THE ROAD 2001」でまた出会って、一緒にプレイできて嬉しいです。ベース、岡沢茂君」

「ドラムの大久保君は、他のメンバーよりも一回り下で、まだ30半ばで・・・」
違う違うと首と手を振る大久保さん。他のメンバーから何か声がかかっている。
「39?そうか。それでもまだギリギリ30代です(笑)僕のちょうど一回り下の辰年です。優れたドラムプレイヤーで
 あるだけでなく、2年前に生まれた子供の父親でもあります。子供の名前はたつき君と言います。彼を見ていると思うんだけど
 とても素晴らしい男だなぁと。僕は子供がいないのでわからないんですが、立派に父親をやっていて、人間として、とても
 素晴らしい、成功した男だなと。そんな彼のドラムが、僕のこの・・・罪深い(笑)」

客席から笑いが漏れる。
「いやいや、ほんと(笑)この罪深い、僕の曲が、彼の素晴らしいドラムで清められて、浄化されている気がします。
 素晴らしい男です。ドラムス、大久保敦夫」

「そして、ヴォーカルの浜田省吾です」
客席から大きな歓声と拍手。
ここでもう少し何かコメントがあったかもしれないけど、忘れてしまいました。

そして、おもむろにエレキギターを持ち、バンドによる演奏が始まる。
ライティングは暗転し、セットの「洞窟」が再び降りてくる。

誰もが、聞きなれた前奏に弾かれたように立ちあがる。
総立ちだ。

ライブ後半の、魂の叫びがぶつかりあう時間。それが訪れたことを予感した。

第5章へ続く


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