文藝歴譜タイトル

朝井 リョウ (1989.5.31−)
あさい・りょう(男性)
岐阜県垂井町出身。早稲田大学文化構想学部卒。
2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。
大学在学中に作家デビューしたが、卒業後は就職活動を行って会社員となり、2015年まで兼業作家であった。
6作目の『何者』は初めて営業の新入社員として仕事をしながら、通勤前と帰宅後に執筆した。

*読んだ著書*


何者
(2012年刊/新潮社)

〔概要〕
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。
光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。
瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、
理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、
彼らの関係を次第に変えていくのだった…。

〔感想〕
直木賞受賞作ですが、あまり響きませんでした。
一見、共通の話題(目的)を持って集まった男女だけど、その実、SNSの裏アカウントで晒す本音は
醜いものだという仕掛けは、イマドキで面白いと思う。だけど、それだけなんだよね。
就活に挑む若者たちがいて、表向きはお互いを刺激しあってるけど、本音では他人を羨み、
成功を妬み、失敗を願っているという。
まぁ、現実的にもよくある話だと思う。だけどやっぱり、それだけなんだよね。
「だから何なんだよ」っていうところが、何も感じられなくて。
主人公の拓人みたいに、「いつか自分が何者かになれる」と夢想している若者は多いと思うし、僕もそうだった。
むしろそれがなきゃ、夢や願望がなきゃ、未来なんて途方もなく無限すぎる荒野で、どう歩いていけばいいかわからないと思うし。
最後には拓人は自分を見つめることになるわけですが、それこそ「自分自身を顧みて、見つめる」就活の入口みたいなものだし。
「さぁこれで、自分らしいESが書けるぞ」ぐらいのものじゃないのかなぁ。
わりと現実的にはある話だと思うけど、物語にするほどでは…と思ってしまいました。

評価/★★☆☆☆


クリスマス・ストーリーズ
(2016年刊/新潮社)

〔概要〕
もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる―。
六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。
自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、
そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士…。
ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。

  1. 朝井リョウ/逆算
  2. あさのあつこ/きみに伝えたくて
  3. 伊坂幸太郎/一人では無理がある
  4. 恩田陸/柊と太陽
  5. 白河三兎/子の心、サンタ知らず
  6. 三浦しをん/荒野の果てに

〔感想〕
 1.朝井リョウ/逆算
「自分がこの世に誕生した日」を意識し続けるOLの物語。
発想は斬新なのかもしれないけど、物語するほどでもないっていう…
と思ったら、以前読んだ『何者』もそういう作品だった。
たぶんこの作家さんとは、合わないんだろうなぁ。

評価/★★☆☆☆