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幸福の黄色いハンカチ
1977年/ドラマ

<監督>
山田洋次
<出演>
島勇作/高倉健
島光枝/倍賞千恵子
花田欽也/武田鉄矢
小川朱美/桃井かおり
渡辺課長/渥美清
<ストーリー&コメント>
仕事を辞め、買ったばかりの新車で北海道を旅する青年・花田は、網走で若い女性・朱美と知り合い、共に旅をすることになった。旅を続ける二人は、海辺で中年男の島と出会う。二人に同行することになった島は、やがて自分の過去を語り出すのだった。三人は、島の自宅のある夕張を目指して旅を続けるのだが…。
春の北海道を舞台に、涙と笑いたっぷりに描くロード・ムービー。
何度もTV放送されているし、ロケ地も訪れたことがあるんだけど、全て通して観たのは初めて。次第に登場人物の過去が明らかになるという演出も楽しいし、テンポもいい。タイトルからしてネタバレ満載なんだけど、それでも最後はホロリときてしまう。さすがは人情物の巨匠・山田監督です。日本人の琴線にきっと訴えかけるものがある名作です。
108分/★★★★★
(2003年1月17日)
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里見八犬伝
1983年/アクションアドベンチャー

<監督・脚本>
深作欣二
<原作・脚本>
鎌田敏夫
<出演>
静姫/薬師丸ひろ子
犬江親兵衛/真田広之
玉梓/夏木マリ
蟇田素藤/目黒祐樹
犬山道節/千葉真一
犬塚信乃/京本政樹
犬坂毛野/志穂美悦子
浜路/岡田奈々
<ストーリー&コメント>
南総の里見城に妖女玉梓と息子蟇田素藤の率いる軍勢が侵攻し、城主以下郎党は討ち取られるが、ただ一人静姫だけは難を逃れる。光輝く不思議な「珠」を持つ男達に救われた静姫は、彼らから「八犬士」の存在を知らされる。残る同士を集め、妖怪軍団と戦おうとする静姫に、恩賞目当てに親兵衛という若者が近づくのだった…
滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』に新解釈を加えた鎌田敏夫原作『新・里見八犬伝』の映画化。静姫と親兵衛のロマンスを軸に、悪の妖怪軍団と戦う犬士たちの勇猛な姿を描く。豪華な共演陣、初の時代劇出演となる薬師丸ひろ子、親兵衛役の真田広之とのラブ・シーンなども大きな話題を呼び、当時大ヒットを記録した。
壮大なストーリーだけに、2時間で描くのは多少無理があるかな。展開は終始駆け足だし、犬士たちも半分は半・脇役状態。序盤の背景セットや毒々しい妖怪たちもヒーロー戦隊ものを彷彿とさせてチープな気がする。だけど、それ以外の部分ではなかなか面白い作品だった。アクションもなかなか熱がこもっているし、主演の二人も好演。それ以上に、夏木マリの怪演が目についたけど(笑)
原作は日本有数の作品だし、ぜひ現代の映像技術でリメイクしてほしいなぁ。『指輪物語』だってできたんだからさ。
137分/★★★☆☆
(2003年4月8日)

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潮騒
1975年/文芸ドラマ

<監督>
西河克己
<原作>
三島由紀夫
<脚本>
須崎勝彌
<出演>
宮田初江/山口百恵
久保新治/三浦友和
久保とみ/初井言栄
久保広/亀田秀紀
宮田照吉/中村竹弥
灯台長/有島一郎
灯台長の妻/津島恵子
千代子/中川三穂子
大山十吉/花沢徳衛
日の出丸船長/青木義朗
川本安夫/中島久之
<ストーリー&コメント>
潮の香りと太陽の光に溢れた伊勢湾の歌島。漁師の新治が一目惚れした娘は、村一番の金持宮田家の末娘、初江だった。二人はいつしかお互いに惹かれあうが、口うるさい村人をはばかり、観的哨跡でひそかに会っていた。だが、それを見ていた者がいた。噂は村中に広がり、二人の恋は引き裂かれようとしていた…。
若き男女の爽やかな愛を描いた、三島由紀夫の同名小説の映画化。過去に5回映画化されているうちの4回目の作品。
主演の二人がなんとも瑞々しい。当時、人気絶頂のアイドルだった山口百恵と、美男子の三浦友和。百恵ちゃんは本当に可愛いです。アイドルっぽい天真爛漫な明るさはないけど、どこか切ない儚さがたまらないんだよね。僕が15年早く生まれていれば、間違いなく当時追っかけていたでしょうね(笑)三浦友和もとても凛々しい好青年で(今ではその面影は薄いけど)、彼なら世間も納得したのかなという感じ。
作品自体は時代性に溢れたというか、言葉を変えれば古い映像です。しかし、物語の舞台自体が新しいものではないし、都会と離れた離島なので気にはならなかった。原作が純文学ということで、叙情性に富んだ作品作りに重点を置いているように感じられました。嵐の中、古びた小屋で、ずぶ濡れになった二人が裸で抱きあうラブシーンもとても美しかったです。
それにしても、同じキャストでよくもまぁ連続して映画を作れるものですよね。それだけずっと一緒にいれば、そりゃ恋も芽生えるってもんですよ。
93分/★★★☆☆
(2004年3月23日)

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青春の殺人者
1976年/ドラマ

<監督>
長谷川和彦
<原作>
中上健次
<脚本>
田村孟
<出演>
斉木順/水谷豊
ケイ子/原田美枝子
順の父/内田良平
順の母/市原悦子
ケイ子の母/白川和子
石川郁子/桃井かおり
日高徹/地井武男
<ストーリー&コメント>
両親に溺愛されて育った青年、斉木順。高校卒業後、親の脛かじりでスナックの経営を始めた彼は、店を手伝う幼馴染みのケイ子と離れられない仲となるが、両親は彼女との仲に猛反対。そんなある日、久々に親許に顔を出した順は、ふとした口論から両親を刺殺してしまう…。
1969年、千葉で実際に起きた青年の両親殺害事件に着想を得て、中上健次の短編小説『蛇淫』を脚本化。思いがけず自分の両親を殺害してしまった青年の姿を骨太で鮮やかな演出で綴り、一躍絶賛を浴びた長谷川和彦の監督デビュー作。
なんとも後味の悪い作品だった。思わず殺人者となってしまった主人公を描いた作品としては2002年の『OUT』を思い出す。どちらも原田美枝子が出演しているのも繋がりかも。同年の『大地の子守歌』同様、彼女は大胆な演技。やっぱりアフレコが合っていないのが気になりました。
水谷豊は序盤は暑苦しい感じだったけど、終盤の葛藤のシーンはなかなか。脇を固めた内田良平、市原悦子の怪演も圧巻でした。特に市原悦子は、かなりのインパクトでした。
116分/★★☆☆☆
(2003年11月29日)

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大地の子守歌
1976年/ドラマ

<監督・脚本>
増村保造
<原作>
素九鬼子
<脚本>
白坂依志夫
<出演>
りん/原田美枝子
正平/佐藤佑介
茂太郎/灰地順
さだ/堀井永子
佐吉/木村元
伝導師/岡田英次
若い女/梶芽衣子
<ストーリー&コメント>
昭和七年。四国の山奥で祖母とふたりきりで暮らしていた少女りんは、13歳の時、祖母の死をきっかけに瀬戸内海の小さな島に女郎として買われていく。誰にも頼るまいとして頑なに生きていたりんだったが、やがて女として成長し、客をとらされるようになるのだった…。
過酷な運命を耐え忍ぶ少女の姿を力強く描き、1976年のブルーリボン賞作品賞を受賞。
ストーリー的には、とても痛々しい物語ですが、当時18歳の原田美枝子が体当たりで熱演。迫真の演技でした。
作品中では山育ちの野生児的少女から、下働きの船漕ぎ、可憐な女郎、お遍路さんまで様々な役どころを演じていますが、それぞれがまさに渾身の演技。目や声に力があるというか、一本筋の通った役どころを完全に演じきっていました。特に、女郎の姿はとても艶やかでした。
昔の映画だからなのか、所々にアフレコのぎこちない部分があったり、画質が古かったり、時代を感じさせるところもありました。
112分/★★★☆☆
(2003年9月14日)

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時をかける少女
1983年/ファンタジー

<監督>
大林宣彦
<原作>
筒井康隆
<脚本>
剣持亘
<出演>
芳山和子/原田知世
深町一夫/高柳良一
堀川五朗/尾美としのり
神谷真理子/津田ゆかり
福島利雄/岸部一徳
立花尚子/根岸季衣
<ストーリー&コメント>
高校生の芳山和子は、ある日の放課後、理科実験室に漂うラベンダーの香りの中で気を失ってしまう。それから彼女は同じ情景を何度も体験していることに気づく。いつのまにか彼女には、時間と空間を越えることのできる能力が身についていたのだった…。
筒井康隆のSF小説を大林宣彦が映像化。
大林監督のいわゆる「尾道三部作」の第二弾。『転校生』は面白いと思うけど、これは…。子供の頃にヒットしていた作品だけど、今まで観たことはなくて。初めて観たんだけど…いわゆる「アイドルムービー」ですね、これ。主演の三人の高校生はお世辞にも演技がうまいとは言えないし、原田知世のファンでもないと、あまり面白くないかも。
タイトルから受ける印象で、もっとビシバシ時をこえる話だと思っていたのでちょっと意外な物語でした。そういう思いがあったから、中盤ぐらいまではなんだか低調で、後半の急展開にはちょっと辟易。この頃の合成技術って、今観るとあんまりですよねぇ…。
最後、ムックリと起きあがって主題歌を歌い出す原田知世にはちょっとズッコケてしまいました。けっこう斬新だったけど(笑)
104分/★★☆☆☆
(2004年1月26日)

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敦煌
1988年/歴史ロマン

<監督>
佐藤純彌
<原作>
井上靖
<出演>
趙行徳/佐藤浩市
朱王礼/西田敏行
ツルピア/中川安奈
李元昊/渡瀬恒彦
段茂貞/新藤栄作
尉遅光/原田大二郎
曹延恵/田村高廣
<ストーリー&コメント>
1026年、宋の都開封で行われた科挙に落ちた趙行徳は、街で偶然西夏の女に出会い、西夏文字に強く惹かれ、西夏を目指して旅立つ。
その途中、西夏の兵隊狩りに遭い捕らえられた行徳は、朱王礼率いる西夏の漢人部隊に編入される。戦乱の中で行徳は、西夏の皇太子・李元昊の目にとまり、西夏の都イルガイへ西夏文字習得のために派遣されることになったのだが…。
19世紀末、敦煌の莫高窟で大量に発掘された4万点もの書画や経巻。なぜそれらは長い年月の間、隠し収められてきたのか。その答のひとつの説を描いた井上靖の原作を映画化。45億円もの制作費を投じて作られた超大作。
中学生の頃、父と二人で観に行った記憶があります。その時はあまり理解できなかったけど、大人になった今、再び観て感動。
人類の記した叡智、書籍や経典。亡国の文化はいつの時代でも侵略者の戦火に焼かれる。だが、それこそは何物にも換え難い大いなる遺産なのだ。権力のためではなく、文化のために生きた人々。文学を志した僕にとって、壮大なロマンを感じられる作品だった。
143分/★★★★★
(2002年5月16日)

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二十四の瞳
1954年/ドラマ

<監督・脚本>
木下恵介
<原作>
壺井栄
<出演>
大石久子/高峰秀子
久子の夫/天本英世
久子の母/夏川静江
男先生/笠智衆
男先生の奥さん/浦辺粂子
校長先生/明石潮
<ストーリー&コメント>
師範学校を卒業したばかりの新任教師・大石久子は、昭和3年、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の小さな分校に赴任した。久子が受け持つことになった1年生は12人で、みな澄んだ瞳をしていた。当初、まだ珍しい洋装での自転車通勤が島の大人たちに誤解を与えるが、歌の上手な“おなご先生”はたちまち子どもたちの人気者になっていく。そんな平和な日々に、忍び寄る戦争の足音が暗い影を落としていき…。
戦争終結からわずか7年後に発表された壺井栄の同名小説を映画化。1987年には田中裕子主演でリメイクされた。
戦争に翻弄される人々の姿を描いたヒューマンドラマです。子役を除き、スタッフやキャストのほとんどが戦争の前後を生きているので、作品の中に漂う空気感がすごくリアルです。後からテレビや本などで戦争のことをいろいろ知ったけど、やっぱりその時代、その場所にいないと感じられないことがたくさんあると思うんだよね。今の子どもたちは、日本が戦争をしてたことを知らない世代もいると聞くけど、すごく怖いことだと思う。いろんなツールを使って、世代を越えて伝えていかなければならないよね。
古い作品だけに、音割れがひどかったり、早口と訛りで聞き取れないところもあったのが残念。あと、テンポがすごく早くて、夫や母、娘の死までがサラッと描かれていたのがビックリ。
子どもたちは、本当にいい表情をしているよね。作品全編を通して、唱歌がBGMに流れているのも牧歌的でいいです。『サウンド・オブ・ミュージック』にも通じるところがあるかもね。あと、高峰秀子さんは本当に綺麗。銀幕のスターが、本物の星だった時代だね。
156分/★★★☆☆
(2013年8月4日)

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氷点
1966年/ドラマ

<監督>
山本薩夫
<原作>
三浦綾子
<脚本>
水木洋子
<出演>
辻口夏枝/若尾文子
辻口陽子/安田道代
辻口啓造/船越英二
辻口徹/山本圭
北原邦雄/津川雅彦
村井靖夫/成田三樹夫
高木雄二郎/鈴木瑞穂
森光子
明星雅子
仲村隆
<ストーリー&コメント>
幸せな家庭生活を送っていた、病院経営者の啓造。ところがある日、幼い娘が死体となって発見される。愛児を失ったのはその間に夏枝が浮気をしていたせいだと思い込んだ彼は、彼女への復讐心から、刑務所で亡くなった殺害犯の遺児を、自分たち夫婦の養女として引き取ることにする。そうとは知らぬ夏枝はその子を溺愛して育て、やがて陽子は美しい娘に成長するのだが…。
家族の中で、激しくも狂おしい愛憎劇が展開する。ひと足先にTVドラマ化され、話題を呼んでいた三浦綾子の同名ベストセラー小説を、その人気に便乗する形で大映が映画化。
長い物語だけに仕方ないのかもしれないけど、展開がものすごく急で戸惑いました。原作を読んでいないと、全くついていけないんじゃないかな。この映画が公開された当時は、ドラマでもやっていたらしいし、ほとんどの人が物語を知っていたのかもしれないけど。それにしても、ダイジェスト版みたいな構成には物足りなさを感じました。
時代背景や画質自体が古臭いのは仕方ないとしても、俳優陣の演技も見ていられなかった。台本棒読みみたいな役者ばかりで。この当時の日本の俳優のレベルってこの程度なの?と疑問に思いました。
あと、僕にとって最大の不満は陽子役の女優さん(安田道代)が全く可愛くないこと。2001年にリメイクされたドラマ版の末永遥が可憐だっただけに…。これは時代が時代だけに、仕方ないのかな。
96分/★★☆☆☆
(2004年6月10日)