GIVE ME ONE MORE CHANCE
いくつもの空を越えてやってきた
いくつもの喜びと悲しみを乗り越えて辿りついた
そんな数々の想いが
寄せては返す波のように
とめどなくあふれては
こらえていた最後の壁でさえも
たやすく打ち砕いてしまう
夜空には美しい月が輝き
車窓の向こうにはいつか見た懐かしい街の灯り
涙でかすんだ景色たちもやがて夜の中に押し流されていく
たったひとつだけ確かなものがあった
なくしたものを取り戻すことは難しい
それがより大切で大きなものであればあるほど
涙を流した数よりも
笑顔ですごした日々を数えたい
雪に埋もれた街角を歩いた朝の輝きが
いつしか街に喜びと感謝の陽をそそぐ
いつでも心の片隅にしまってある大切な箱
もう一度
もう一度だけその箱を開けてみよう
2001.12.27