
| 万城目 学 | (1976.2.27−) |
| まきめ・まなぶ 1976(昭和51年)、大阪府生まれ。京都大学法学部卒。 お笑い芸人のロザン・宇治原史規は大学の同級生。面識は無いものの法学部の1学年上に作家の平野啓一郎がいた。 大学卒業後は経理の仕事をしながら小説を書いていたが、26歳の時に退社し上京。 2006年の『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビュー。 2007年の第2作『鹿男あをによし』は第137回直木三十五賞候補となった。 2009年、『プリンセス・トヨトミ』で第141回直木賞候補。 2010年、『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』で第143回直木賞候補。 2013年、『とっぴんぱらりの風太郎』で第150回直木賞候補。 2014年、『悟浄出立』で第5回山田風太郎賞候補、第152回直木賞候補。 |
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*読んだ著書*
鹿男あをによし
(2007年刊/幻冬舎)
〔概要〕
大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。
ほんの気休めのはずだった。英気を養って研究室に戻るはずだった。
渋みをきかせた中年男の声で鹿が話しかけてくるまでは。
「さあ、神無月だ。出番だよ、先生」
彼に下された謎の指令とは?古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー。
〔感想〕
なかなか面白かったです。妙なヒネりとかもないので、わりとスムーズに読むことが出来ました。
もちろん関連はないんですが、剣道部の試合のシーンは『武士道シックスティーン』を思い出しました。
序盤は新米教師と生徒たちとの軋轢、中盤は剣道部、後半は救国のヒーローと、話が二転三転するので
なんだかテーマがぼんやりしてしまっている感じがしました。
最終的には、「動物を敬え」ということなのか、「古都の歴史を学べ」なのか、言いたいこと、テーマがよく見えてこない気がしました。
すごく映像作品っぽい物語だと思っていたら、2008年にテレビドラマ化されているようです。
評価/★★★☆☆
鴨川ホルモー
(2006年刊/産業編集センター)
〔概要〕
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。
腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。
「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。
恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。
京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。
前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!
〔感想〕
作者のデビュー作です。とってもヘンな物語ですが、なかなか面白かったです。式神のようなオニを使役して戦いを繰り広げる物語と聞くと肩肘張ったものに思えるけど、その使役方法が奇妙なホルモー語というところがツボ。そこに恋愛模様が絡んできて、立派な青春としても成り立っています。作家としてデビューするには、このぐらい奇抜な世界を描かなければならないってことですね。発想は自由、そして無限大。だけどそれを文章にして人に伝えるのは難しい。なのにそれを、いとも容易く成し遂げている、そう思わせてくれる作品でした。筆者は『三国志』が好きなようなので、その登場人物を知っているとさらに楽しめますね。
評価/★★★☆☆
ホルモー六景
(2007年刊/角川書店)
〔概要〕
このごろ都にはやるもの。恋文、凡ちゃん、二人静。
四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。
このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祇園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。
四神見える王城の他に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。
古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋歌い、魑魅魍魎は天翔る。
京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。
変幻自在の第二幕、その名も堂々『ホルモー六景』、ここに推参!
〔感想〕
『鴨川ホルモー』のサイドストーリーであり、スピンオフでもある作品です。作品中に具体的に「ホルモー」をする場面は一度しか出てこないし、
その詳しい説明もありません。なので当然、前作を読んでなければなんのことやら理解できません(笑)
登場人物にまつわる短編が6本なんですが、それぞれに面白いです。僕は「ローマ風の休日」、「同志社大学黄竜陣」が好きでした。
「丸の内サミット」は、新たな続編が出来てもおかしくないような物語ですね。
評価/★★★☆☆