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アヒルと鴨のコインロッカー
2006年/ドラマ

<監督・脚本>
中村義洋
<脚本>
鈴木謙一
<原作>
伊坂幸太郎
<出演>
椎名/濱田岳
103号室の住人/瑛太
琴美/関めぐみ
101号室の住人/田村圭生
椎名の母/キムラ緑子
椎名の父/なぎら健壱
謎の男/松田龍平
麗子/大塚寧々
<ストーリー&コメント>
大学入学を機に、仙台に引っ越してきた青年・椎名。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら片付けをしていた彼は、隣人の河崎に声をかけられ、ある計画を持ちかけられる。「一緒に本屋を襲わないか」というその奇妙な提案は、同じアパートに住む引きこもりの留学生に広辞苑を贈りたいというものだった。そんな話に乗る気などなかった椎名だったが、翌日、河崎に言われるままに、モデルガンを片手に書店の裏口に立ってしまう。本屋襲撃はまんまと成功したかのように思えたが…。
うーん。ちょっとイマイチでした。かなり2ツ★に近い3ツ★かなぁ。
原作を読んだので映画も観てみようと思ったんですが、現在と過去のエピソードが交互に進みながら、少しずつ謎が解き明かされていく原作に比べて、映画はあまりにも淡々としすぎる印象。原作では最後に明かされる最大の謎も、映画ではわりと中盤に判明してしまって、ちょっと拍子抜け。同じ場面を描いた回想シーンを繰り返すあたりは、なんだかクドイ気がしました。レッサーパンダを盗む話とか、ペット殺しの3人組みの緊迫感とか、原作での印象的なシーンが幾つか省かれているので、より薄っぺらな感じがしたのかも…。
(以下、ネタバレ文。観た後で、マウスでなぞってお読みください)
椎名役と山形県人の田村圭生はかなり適役!ただ、川崎は松田龍平よりも瑛太の方がイメージ近いなぁ。
110分/★★★☆☆
(2010年8月1日)

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君と歩いた道
2006年/ドラマ

<監督・脚本>
橋本直樹
<出演>
木原真琴/柳生みゆ
河原大吾/森田直幸
八木先生/江口のりこ
真琴の母/滝沢涼子
木原真琴/渡辺奈緒子
河原大吾/森岡龍
画家/小木茂光
<ストーリー&コメント>
中学3年生の夏休み明け、宿題の「将来の夢」という作文を書けずに始業式を迎えた大吾。彼には「将来の夢」と言えるものがなかった。そんな二学期のある朝、一人の少女が転校してくる。黒髪の美しい少女、真琴。クラス中が転校生である彼女に注目する中、真琴は大吾にとっても気になる存在となる。そんな周囲の視線を浴びながらも、彼女は常に孤独を守っていた。だがある日、大吾は真琴の家に隠された暗い事情を垣間見てしまうのだった…。
浜田省吾の曲「Thank you」をベースに創られた物語。というより、「君と歩いた道」の方が比重が大きい気がするけど。9割が「君と歩いた道」、最後の1割が「Thank you」ですね。
ちょっとシリアスな話でした。中学生たちが頑張って演技をしているのが見所です。序盤の「前いいよ、前…」が面白かった。中学生時代があまりにも長いので、20歳になってからのストーリーがいつ始まるのかと思いきや、最後のちょっとだけ。「Thank you」のプロモ程度の内容しかないんですねぇ。でも、特典ディスクを観る限りはちゃんと話がありそうな気もするけど…?
57分/★★★☆☆
(2006年10月2日)

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キャッチボール
2006年/ドラマ

<監督・脚本>
橋本直樹
<出演>
山田隆夫/時任三郎
山田康汰/康汰
山田綾佑/島綾佑
大村/眞島秀和
駅員/田中要次
清水/吹越満
<ストーリー&コメント>
6月のある日曜日、母親に見送られ、野球のユニフォームに身を包んだ康汰と綾佑は、単身赴任の父に会いに行くため駅へと向かう。胸を高鳴らせながら、二人は電車に飛び乗り、父の住む新潟へと初めての二人旅に出るのだった。その頃、息子達が自分に会いに来る事など想像もしていない父・山田隆夫は、仕事上のトラブルで頭を悩ませていた。八方に手を尽くす隆夫だが、刻々と時間だけが過ぎていく。一方、初めての経験に戸惑う康汰と綾佑。失敗を繰り返しながらも、なんとか父の家に辿り着いたのは、すでに日が傾く頃だった。しかし、いるはずの父は家にはいなかった…。
浜田省吾の曲「I am a father」をベースに創られた物語。
なかなか面白かった。PVとか、ライブで流れる映像しか知らなかったけど、実際にはこんなストーリーだったんだね。おおまかなストーリーは予想通りだったけど、あらためて子どもたちの奮闘ぶりを見ると面白い。
最後に意外な人物が登場してきたのがサプライズかも。
43分/★★★☆☆
(2006年10月2日)

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タイヨウのうた
2006年/ラブストーリー

<監督>
小泉徳宏
<原作・脚本>
坂東賢治
<出演>
雨音薫/YUI
藤代孝治/塚本高史
雨音由紀/麻木久仁子
雨音謙/岸谷五朗
松前美咲/通山愛里
加藤晴男/田中聡元
大西雄太/小柳友
<ストーリー&コメント>
海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫。彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という難病のため、昼間眠り、夜になると活動するという不自由な毎日を送っていた。それでも家族や親友に支えられ、そして何よりも大好きな歌を歌うことで、日々を明るく生きていた。そんな彼女の密かな楽しみが、毎朝サーフボードを抱えて海へと向かう少年を部屋の窓から眺めること。彼は18歳の高校生、藤代孝治。ある夜、いつものように公園で弾き語りライブをしていた薫は、目の前を通り過ぎる孝治に気づく。衝動的に彼を追いかけた薫は、勢い余ってそのまま愛の告白をしてしまうのだが…。
シンガーソングライターのYUIが映画初主演したラブ・ストーリー。太陽にあたることのできない難病を抱えた少女と太陽の下でサーフィンに明け暮れる少年との切ない愛を瑞々しく描く。監督はこれが長編デビューの小泉徳宏。
なかなかよかったです。よく出来た2時間ドラマという感じで、映画作品というには小ぶりだけど、瑞々しい佳作に仕上がっています。YUIは、演技に関しては…(笑)だけど、そのぎこちなさが、少女の初恋を描くためにほどよいエッセンスになっているのかも。その分、自分だけの時間、“生きる証”でもある歌のシーンでは自然。ミュージシャンとしての自分の素だから当たり前といえぱ当たり前なんだけど、そういう意味ではキャスティングの妙かも。
他のキャストでは、岸谷五朗がなかなかの好演。麻木久仁子は出番が少なくて印象が薄かった。友人のメガネっコは、スタッフロール観るまで時東ぁみかと思ってたよ(笑)
119分/★★★☆☆
(2007年8月26日)

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釣りバカ日誌17/あとは能登なれハマとなれ!
2006年/コメディ

<監督・脚本>
朝原雄三
<脚本>
山田洋次
<出演>
浜崎伝助/西田敏行
鈴木一之助/三國連太郎
浜崎みち子/浅田美代子
沢田弓子/石田ゆり子
村井徹/大泉洋
佐伯聖一/片岡鶴太郎
佐伯加代子/宮崎美子
太田八郎/中本賢
<ストーリー&コメント>
鈴木建設会社で営業職として働くのは仮の姿、もっぱら趣味の釣りを楽しむぐうたら社員“ハマちゃん”こと浜崎伝助。彼の釣り仲間“スーさん”は、職場の社長。そんなハマちゃんの在籍する営業三課に、かつて社長の秘書だった弓子が契約社員として再雇用される。弓子の復帰に職場の面々は大喜び。会社を結婚退職し、幸せに暮らしていると思われた弓子だったが、実は人に言えない事情を抱えていた。どこか寂しげな様子の弓子に声を掛けたハマちゃんは、彼女から一緒に釣りに連れて行ってほしいと頼まれるのだが…。
1988年に第1作が製作された人気長寿シリーズの第17作。加賀百万石の城下町、古都・金沢を舞台に、名コンビ、ハマちゃん&スーさんが大活躍。ヒロインの石田ゆり子ほか、多彩なゲストが豪華に共演。
正月、家族で一緒に観賞。2008年の映画三昧はこの作品でスタートです(笑)このシリーズは最初の頃のを幾つか、ずいぶん昔に観た記憶があるけど、クセもないし、平和でほのぼのとして、みんなで楽しめる作品ですね。
道場六三郎、ダンディ坂野らがチョイ役出演。「ゲッツ!」のノリがないダンディはなんだか切ないね。
107分/★★★☆☆
(2008年1月6日)

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手紙
2006年/ドラマ

<監督>
生野慈朗
<脚本>
安倍照雄
<出演>
武島直貴/山田孝之
武島剛志/玉山鉄二
白石由美子/沢尻エリカ
中条朝美/吹石一恵
寺尾祐輔/尾上寛之
倉田/田中要次
緒方忠夫/吹越満
中条/風間杜夫
平野/杉浦直樹
<ストーリー&コメント>
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で思いがけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方の直貴は、川崎のリサイクル工場で働きながら、大好きなお笑いでプロになる夢を抱き、徐々に頭角を現していくのだが…。
人気ミステリー作家・東野圭吾の同名小説を映画化した社会派ドラマ。
『夜のピクニック』同様、原作をかなり気に入ったので、映画版も観てみました。こちらも、評価はまあまあかな。原作と映画で、かなり設定を変えることはよくある。原作のあるシーンを膨らませたり、削ったり。それによって、2時間という尺のある映画の中でメリハリをつけることもできるし、それは悪いことだとは思わない。そこは脚本家の腕の見せ所だしね。だけど今作の変更点では、明らかに失敗したところが2つある。ひとつは、直貴が大学進学を諦める(原作では苦労の末、通信制度で大学へ入学)ことと、人目を避けて生きている直貴が、目立つお笑いという夢を選び、しかもある程度成功してしまうこと。特に後者は致命的だ。原作ではロックバンドに誘われて加わり、デビューする直前に兄の件がもとで大きな挫折を味わうことになるという、重要なエピソード。原作と映画では、兄弟が再会するまでの時間がかなり違うんだよね。そのことで、後に生まれる確執も浅くなるし。前者の大学の件は、「兄の期待、夢をかなえる」という直貴の生きる理由が希薄になってしまっているからね。特に、人の目と口に怯えながら生きている直貴に「お笑い」というのは違和感があるなぁ。
原作にあったエピソードやキーワード(お好み焼き、ひったくり事故)なんかは、うまくアレンジしている気がするんだけどなぁ。
キャスト的には、直島兄弟はいいけど、沢尻エリカの由美子は美人すぎる(笑)大阪弁もなんだかヘンだし。どちらかというと、朝美役のイメージだよね。原作の由美子のイメージは、もっと「野暮ったくみえるけど、芯は強い」感じ。池脇千鶴とかかなぁ。
全体的には「悪くない感じ」にまとまってるけど、やっぱり僕は原作の方が圧倒的に好きだなぁ。
121分/★★★☆☆
(2010年9月12日)

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涙そうそう
2006年/ドラマ

<監督>
土井裕泰
<脚本>
吉田紀子
<出演>
新垣洋太郎/妻夫木聡
新垣カオル/長澤まさみ
稲嶺恵子/麻生久美子
洋太郎の友人/塚本高史
光江/小泉今日子
カオルの父/中村達也
おばぁ/平良とみ
亀岡/船越英一郎
恵子の父/橋爪功
<ストーリー&コメント>
いつか自分で飲食店を経営したいという夢を持ちながら、沖縄本島の市場や小料理屋で懸命に働く21才の青年・新垣洋太郎。そんな彼のもとへ、高校に合格した妹のカオルが、おばぁと暮らしていた島を離れてやってきた。洋太郎が8才の時、母の光江がカオルの父と再婚したことから、洋太郎とカオルは兄妹となったが、やがて父親はいずこともなく姿を消し、光江も幼い兄妹を残して病気で他界。以来、2人はお互いに助け合い励ましあいながら、懸命に今日まで生きてきたのだった。洋太郎は妹の美しく成長した姿に戸惑い、一方カオルも、兄の恋人・恵子に若干嫉妬心を抱きつつ、2人の同居生活はスタートするのだが…。
BEGIN・作曲、森山良子・作詞のコンビにより1998年に誕生し、2001年、夏川りみによってカバーされ、大ヒットを記録した「涙そうそう」。この名曲をモチーフに、沖縄に生まれ育った血の繋がらない兄妹がさまざまな試練をくぐりぬけて懸命に生きる姿を切なく綴る。監督は『いま、会いにゆきます』の土井裕泰。
なかなかの佳作でした。ドラマ自体はとても小さな規模のもので、兄妹が共同生活を通してほのかな幸せを紡いでいくというもの。最後までわりと淡々とした流れだったので、終盤の急展開には驚いてしまった。でも「涙そうそう」の歌の成り立ち(作詞者の森山良子自身の実体験)を考えたら、まぁあり得るものではあるんだけど。恋人の恵子が医学部にいるというのも、微妙な伏線ではあったのかな。
長澤まさみもかわいいとは思うけど、僕はやっぱり麻生久美子の方が好き(笑)
118分/★★★☆☆
(2007年8月26日)

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博士の愛した数式
2006年/ドラマ

<監督・脚本>
小泉堯史
<原作>
小川洋子
<出演>
博士/寺尾聰
杏子/深津絵里
ルート/齋藤隆成
先生(ルート)/吉岡秀隆
未亡人/浅丘ルリ子
<ストーリー&コメント>
家政婦として働くシングルマザーの杏子は、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、交通事故の影響で80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし杏子の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけた。やがて杏子は、博士の語る数や数式に秘められた神秘的な美しさに魅了されていくのだが…。
第一回本屋大賞に輝いた小川洋子の同名ベストセラーを映画化。80分しか記憶が続かない初老の天才数学者と一組の母子の心温まる交流を優しいタッチで描く。
とてもハートウォーミングな作品でした。原作はだいぶ前に読んだので、その内容を詳しく覚えているわけではないけど、「こんなにアッサリしてたかな?」という違和感がありました。博士と杏子(原作では名前がなかったような?)が打ち解けるまでにもっと時間がかかってたような気がする。あと、映画的には「80分」である理由があまり明確ではなかったかな。郵便局や買い物してきたり、野球の練習してたら、80分なんてあっというまじゃん?記憶、80分以上続いてる気がするんだけど…。俳優陣の演技が巧いだけに、なんか細かいところが逆に気になりました。
大人のルート先生の授業、いいなぁ。こんな先生と出会ってたら、僕も数学が好きになっていたかもしれない(笑)
117分/★★★☆☆
(2012年5月6日)

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夜のピクニック
2006年/青春ドラマ

<監督>
長澤雅彦
<脚本>
長澤雅彦
三澤慶子
<出演>
甲田貴子/多部未華子
西脇融/石田卓也
戸田忍/郭智博
遊佐美和子/西原亜希
後藤梨香/貫地谷しほり
梶谷千秋/松田まどか
高見光一郎/柄本佑
内堀亮子/高部あい
榊杏奈/加藤ローサ
榊順弥/池松壮亮
貴子の母親/南果歩
<ストーリー&コメント>
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは、全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。3年生の甲田貴子は、1年に一度の特別なこの日に、自分の中で賭けをした。それは、クラスメイトの西脇融に声を掛けるということ。貴子は、恋心とは違うある理由から融を意識していたが、今まで一度も話をしたことが無かった。しかし、ふたりの不自然な様子をクラスメイトは誤解してしまい…。
第2回本屋大賞に輝いた恩田陸の同名ベストセラーを映画化。
原作をかなり気に入ったので、映画版も観てみました。うーん。映画版は、まあまあ…かな。わりと忠実に映画化していたのは評価できるけど、なんでこれを加えた?という余計な演出が気になった。馬の頭の生徒とか、思わせぶりなバナナ屋とか…。まぁそれはご愛嬌としても、一番気になったのが、原作で描かれていた「歩き続ける生徒たちのドロドロな感じ」が描ききれていないこと。まる1日、80キロも歩き続ければ、表情も服装もボロボロになるでしょ。「24時間テレビ」のマラソンみたいにさ。だけど生徒たちは、最後まで歩く姿勢もよく、メイクばっちり、ジャージも綺麗なまま。なんかそのあたりが、感情移入を阻むんだよね。日本の映画って、リアリティよりも、キャストたちを綺麗に見せることを重視してる。だから動きの連動性がぎこちないし、映像もうそ臭い。もっと凝って作れないもんなのか?
あと、これも最近の邦画全般に言えることだけど、登場人物たちが話す声はボソボソと聞き取りづらいのに、BGMの曲の音量はなぜあんなにデカイ?DVDで観ながら、何度も音量調整してたよ。バランス悪すぎでしょ。
キャスティングも悪くないし、爽やかな味付けはそのままなんだけど、榊順弥の奇想天外さが原作よりちょっと弱めなので、すごく浮いた存在になってる気がする。
一番惜しいと思ったのが、原作では最後にしっかりと明かされる「貴子の賭け」の話。賭けに勝って、彼女がしようとしたこと…あのエピソードが好きだったのに、丸ごとカットされてて残念。
117分/★★★☆☆
(2010年9月12日)