第10回(1937年)アカデミー賞
| 1937年、日・独・伊防共協定の締結、中・ソ不可侵条約の調印と、世界は確実に第二次世界大戦へと歩みはじめる。アメリカ合衆国も中立の立場をとりながら、その国際情勢は緊張の色を増していた。そんな中、ハリウッドの制作本数は588本とピークに達していた。 作品賞候補には素晴らしい作品が出揃ったが、『ゾラの生涯』が受賞。ファシズムとの戦いにテーマをしぼったこの作品の受賞は、まもなく参戦するアメリカの世論喚起を促す意図が見え見えだった。 チャールズ・チャップリンやバスター・キートンを育てあげ「喜劇の王様」と呼ばれたマック・セネットに特別賞が贈られた。 また、この回から「アービング・G・サルバーグ賞」が制定された。37歳の若さで死去した辣腕プロデューサーの名を冠し、創造的なプロデューサーに贈られるものとなった。最初の受賞者は、20世紀フォックス社の副社長兼製作担当重役ダリル・F・ザナック。「タイクーン(大君)」と呼ばれる強引なまでの指導力で、時代の流れを見抜いた作品を次々製作し、倒産しかけた会社を見事に再興した。 |
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全部門ノミネート&受賞一覧
| 作品賞 (History) |
|---|
| ◆ ゾラの生涯 ◇ 新婚道中記 ◇ 我は海の子 ◇ デッド・エンド ◇ 大地 ◇ シカゴ ◇ 失はれた地平線 ◇ オーケストラの少女 ◇ ステージ・ドア ◇ スタア誕生 |
| 監督賞 (History) |
| ◆ レオ・マッケリー (新婚道中記) ◇ ウィリアム・ディーターレ (ゾラの生涯) ◇ シドニー・フランクリン (大地) ◇ グレゴリー・ラ・カーヴァ (ステージ・ドア) ◇ ウィリアム・ウェルマン (スタア誕生) |
| 主演男優賞 (History) |
| ◆ スペンサー・トレイシー (我は海の子) ◇ シャルル・ボワイエ (征服) ◇ フレデリック・マーチ (スタア誕生) ◇ ロバート・モンゴメリー (夜は必ず来る) ◇ ポール・ムニ (ゾラの生涯) |
| 主演女優賞 (History) |
| ◆ ルイーゼ・ライナー (大地) ◇ アイリーン・ダン (新婚道中記) ◇ グレタ・ガルボ (椿姫) ◇ ジャネット・ゲイナー (スタア誕生) ◇ バーバラ・スタンウィック (ステラ・ダラス) |
| 助演男優賞 (History) |
| ◆ ジョセフ・シルドクラウト (ゾラの生涯) ◇ ラルフ・ベラミー (新婚道中記) ◇ トーマス・ミッチェル (ハリケーン) ◇ H・B・ワーナー (失はれた地平線) ◇ ローランド・ヤング (天国漫歩) |
| 助演女優賞 (History) |
| ◆ アリス・ブラディ (シカゴ) ◇ アンドレア・リーズ (ステージ・ドア) ◇ アン・シャーリー (ステラ・ダラス) ◇ クレア・トレバー (デッド・エンド) ◇ メイ・ホイッティ (夜は必ず来る) |
| 脚色賞 (History) |
| ◆ ゾラの生涯 ◇ 新婚道中記 ◇ 我は海の子 ◇ ステージ・ドア ◇ スタア誕生 |
| オリジナル原案賞 (History) |
| ◆ スタア誕生 ◇ 黒の秘密 ◇ シカゴ ◇ ゾラの生涯 ◇ オーケストラの少女 |
| 撮影賞 (History) |
| ◆ 大地 ◇ デッド・エンド ◇ ホノルル航空隊 |
| 室内装置賞 |
| ◆ 失はれた地平線 ◇ 征服 ◇ 踊る騎士 ◇ デッド・エンド ◇ EVERY DAY'S A HOLIDAY ◇ ゾラの生涯 ◇ ゼンダ城の虜 ◇ 海の魂 ◇ テンプルの軍使 ◇ スイングの女王 ◇ MANHATTAN MERRY-GO-ROUND ◇ ファッション・タイム |
| 録音賞 |
| ◆ ハリケーン ◇ 地下室の饗宴・オペレッタの女王 ◇ ラヂオの歌姫 ◇ シカゴ ◇ ゾラの生涯 ◇ 失はれた地平線 ◇ 君若き頃 ◇ オーケストラの少女 ◇ 天国漫歩 ◇ 新天地 |
| 編集賞 |
| ◆ 失はれた地平線 ◇ 新婚道中記 ◇ 我は海の子 ◇ 大地 ◇ オーケストラの少女 |
| 作曲賞 |
| ◆ オーケストラの少女 ◇ ハリケーン ◇ ゼンダ城の虜 ◇ シカゴ ◇ ゾラの生涯 ◇ 失はれた地平線 ◇ 君若き頃 ◇ MAKE A WISH ◇ PORTIA ON TRIAL ◇ 偽装の女 ◇ 白雪姫 ◇ 海の魂 ◇ キャグニー、ハリウッドに行く ◇ 宝の山 |
| 歌曲賞 |
| ◆ Sweet Leilani (ワイキキの結婚) ◇ That Old Feeling (ファッション・タイム) ◇ They Can't Take That Away from Me (踊らん哉) ◇ Whispers in the Dark (画家とモデル) ◇ Remember Me (ドッド君乗り出す) |
| ダンス監督賞 |
| ◆ ハーミス・パン (踊る騎士) ◇ バズビー・バークリー (大学祭り) ◇ サミー・リー (アリババ女の都へ行く) ◇ ハリー・ロッシー (氷上乱舞) ◇ リーロイ・プリンツ (ワイキキの結婚) ◇ ボビー・コノリー (READY, WILLING AND ABLE) ◇ デーブ・グールド (マルクス一番乗り) |
| 助監督賞 |
| ◆ ロバート・ウェブ (シカゴ) ◇ C・C・コールマン Jr. (失はれた地平線) ◇ ラス・サンダース (ゾラの生涯) ◇ エリック・ステイシー (スタア誕生) ◇ ハル・ウォーカー (海の魂) |
| 短編アニメーション賞 |
| ◆ 村の水車 ◇ THE LITTLE MATCH GIRL ◇ EDOUCATED FISH |
| アービング・G・サルバーグ賞 |
| ◆ ダリル・F・ザナック |
| 特別賞 |
| ◆ マック・ゼネット (映画のコメディー技術への永続的な貢献) ◆ エドガー・バーゲン (『腹話術の人形』にみる比類なきコメディーの創造) ◆ W・ハワード・グリーン (『スタア誕生』のカラー撮影) ◆ 近代美術館フィルム・ライブラリー (映画のコレクションと歴史的、審美的な映画の発展の研究を一般に開放) |