| Fukushima 50 | |
| 2020年/ドラマ <監督> 若松節朗 <脚本> 前川洋一 <原作> 門田隆将 <出演> 伊崎利夫/佐藤浩市 吉田昌郎/渡辺謙 前田拓実/吉岡秀隆 野尻庄一/緒形直人 大森久夫/火野正平 平山茂/平田満 井川和夫/萩原聖人 内閣総理大臣/佐野史郎 伊崎智子/富田靖子 伊崎遥香/吉岡里帆 浅野真里/安田成美 |
<ストーリー&コメント> 2011年3月11日、巨大地震が起こした津波は福島第一原発(イチエフ)にも到達し、多くの施設・設備が損傷し、通常は冷却し続けるべき核燃料を冷却できなくなる事態に。原子炉の炉心溶融(メルトダウン)を防ごうと責任者の吉田所長とその部下たち、1・2号機当直長の伊崎らが対策に全力を注ぐ一方、近隣に住む人々は避難を開始する。だが翌日午後、原子炉1号機の建屋は水素爆発を起こして大破し、続いて原子炉3号機でも炉心溶融が始まってしまうのだった…。 門田隆将のベストセラー・ノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』を原作に、東日本大震災で未曽有の事故に見舞われた福島第一原発で、最悪の事態を回避すべく原発内で戦い続けた約50人の作業員たちの奮闘を描いたヒューマン・ドラマ。 胸を打たれるドラマでした。あの大地震で壊滅的なダメージを受けたイチエフと懸命に向き合い、東日本に人が住めなくなるという事態を食い止めた、まさに身を挺して国を救った人たち。その事は紛れもない事実として語り継がれるべきだと思うし、そういう人たちのことを知るきっかけとしては素晴らしい映画だと思います。「事実に基づく物語」とはされていますが、現実とは異なる部分があるのも事実です。劇中に登場する電力会社の名前が「東都電力」に変えられ(東京電力は製作において一切無関係、協力などはしていない)ていたり、主将の名前が架空のものだったり。事故の背景にある「津波対策問題」にも、様々な解釈があるようです。しかし、そういうことに向き合うきっかけとして、こういう映画は必要なんだと思います。実際、事故から10年が経った2021年の現在でさえ、事故の原因や、事故現場の現在の状況が解明されていないことも多いというのは驚きですが…。 原発で事故が起き、たくさんの人が生まれ故郷を離れ、非難を余儀なくされた。われわれ日本人は、その事実を十字架として、ずっと背負い続けていかなければならない。そのことに真摯に向き合えば、今のライフスタイルや、原発依存の現状も真剣に見直していかなければならないよね。 |
| 122分/★★★★☆ (2021年3月14日) |
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| 尾崎豊を探して | |
| 2020年日本/音楽ドキュメンタリー <監督・撮影・編集> 佐藤輝 <プロデュース> 須藤晃 御領博 福田信 <出演> 尾崎豊 |
<ストーリー&コメント> 「卒業」、「I LOVE YOU」、「15の夜」など数々の楽曲を残し、1992年に26歳の若さで亡くなったミュージシャン、尾崎豊のデビュー当時から20代前半のライブなどの貴重な映像記録から構成された映像作品。さまざまな苦悩を歌の中に託し、優しさや愛とは何かを求め続けた尾崎豊。この世を去って30年近く経った今もなお、彼の遺した作品は世代を超えて聴き継がれている。そんな尾崎の歌は何を伝えようとしてたのかを探すため、1981年の新宿ルイードの初ライブ、地方公演、ニューヨーク、大阪球場、国立代々木競技場などのライブ、なにげない日常を切り取った映像など、400時間にも及ぶ映像群から断片を丹念にひろい集め、尾崎豊に迫っていく。監督は長年にわたりミュージシャンとの映像作品を数多く演出してきた映像作家の佐藤輝。 ひどい出来でした。予告の段階である程度予想していたより、さらにひどかった。ライブの映像は細切れだし、歌の途中でモノローグに切り替わったり、とにかくひどい。始まって10分で映画館を出ようと思ったぐらい、ストレスがたまりまくる苦痛な時間でした。こんなもの、オザキに対する冒涜でしかないよ。彼のモノローグ映像があるのは知っているけど、それを切り貼りすることで、しかもライブ映像に差し込むことで、本人の遺志を捻じ曲げてると思うんだよね。 特定の腹黒い大人たちが、自分の遺志を言えないオザキの時間を、映像を、音楽を、不当に切り売りしている。こんなもの、本当に彼が望んだものなのかどうか?それがわからないから、こんな作り方をするんだろうな。 ライブ中に倒れて介抱されるシーンとか、ニューヨークの姿など、初めて観た映像もあるけど、それは裏を返せば、誰かがそれらを握ってるってことに他ならないからね。本当の尾崎豊は、こんなところにはいない。真実の彼の姿は、ライブの中と、彼自身が生存中にリリースしたレコード、一部の著作物以外には存在しない。僕はそう思う。 |
| 95分/★☆☆☆☆ (2020年1月3日) |
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