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時をかける少女
2006年日本/ファンタジー

<監督・原案・脚本>
細田守
<脚本>
奥寺佐渡子
<原作>
筒井康隆
<声優>
紺野真琴/仲里依紗
間宮千昭/石田卓也
津田功介/板倉光隆
芳山和子/原沙知絵
藤谷果穂/谷村美月
早川友梨/垣内彩未
紺野美雪/関戸優希
高瀬宋次郎/松田洋治
<ストーリー&コメント>
東京の下町にある高校に通う明るく元気な17歳の紺野真琴は、優等生の功介と、ちょっと不良な千昭と3人でいつもつるんで野球ばかりして楽しい毎日を送っていた。そんなある日、真琴の乗った自転車がブレーキの故障で踏切事故に遭ってしまう。危機を感じた瞬間、真琴はその数秒手前で意識を取り戻す。それは自由に時間を戻せる“タイムリープ”という不思議な能力なのだった。最初は半信半疑だったが、いつしか使い方を覚え、すっかり調子に乗る真琴。だが、思いもかけないところで現実の世界がズレはじめてしまい…。
1965年の原作発表以来、1983年に主演・原田知世、監督・大林宣彦で映画化されるなど、何度も映像化されてきた筒井康隆のジュブナイルSF小説を初のアニメ映画化。
いろいろと評価の高い作品なので、前々から観たいと思ってたんだけど、ちょっと期待が大きすぎたかな。原作はあまりちゃんと観た記憶がないのではっきりとはわからないけど、もっとほんわかした作品だった気がします。だけど本作のヒロインは、よく笑い、よく泣き、そしてよく跳ぶ(笑)という設定で、かなり大胆にアレンジされています。中盤まではダレた展開だったけど、終盤は急に物語が動き出して、前半の何気ないエピソードがちゃんと伏線になってたりして、よく構成されてるなぁと思いました。
原作の出来事から約20年後を舞台にした物語なんだそうです。また、原作の主人公・芳山和子が、姪であるヒロインの真琴に様々な助言を与える、ちょっと謎めいた30代の独身女性として登場しています。
98分/★★★☆☆
(2010年3月20日)
主題歌:「ガーネット」奥華子

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サマーウォーズ
SUMMER WARS
2009年日本/SFアドベンチャー

<監督>
細田守
<脚本>
奥寺佐渡子
<声優>
小磯健二/神木隆之介
篠原夏希/桜庭ななみ
池沢佳主馬/谷村美月
陣内侘助/斎藤歩
佐久間敬/横川貴大
陣内栄/富司純子
<ストーリー&コメント>
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の高校2年生・健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だった。栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。その席で健二は「夏希の彼氏のフリをする」というバイトの中身を知ることに。そんな大役に困惑し振り回される傍ら、その夜健二は謎の数字が書かれたメールを受信する。理系魂を刺激され、その解読に夢中になる健二だったが…。
2006年の『時をかける少女』が評判を呼んだ細田守監督が、再び奥寺佐渡子(脚本)、貞本義行(キャラクターデザイン)とタッグを組み、気弱な理系少年の思いも寄らぬひと夏の大冒険を描くSF青春アドベンチャー。
5ツ★でもいいぐらい、ものすごく面白かったです。「OZ」という仮想現実のスタイリッシュさと、長野の屋敷の田舎然とした風景がミスマッチで、なおかつ主人公の青春ストーリーと世界の危機というフォーカスの対比も差異が大きくて。そのギャップの大きさがすごく面白い。そんな中で繰り広げられるストーリーは、かなり一直線だけどグイグイ引きこまれます。アバターとかアカウントとか、インターネットの知識がある程度ないとすんなりと入れない部分はあるかもしれないけどね。
最後の闘いのシーンでは、不覚にも泣きそうになってしまいました(笑)
名作と言ってもいいんじゃないかなぁ。久しぶりに、面白いアニメ映画を観た気がします。
114分/★★★★
(2010年8月13日)
主題歌:「僕らの夏の夢」山下達郎

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おおかみこどもの雨と雪
WOLF CHILDREN AME AND YUKI
2012年日本/ファンタジードラマ

<監督・原作・脚本>
細田守
<脚本>
奥寺佐渡子
<声優>
花/宮アあおい
彼/大沢たかお
雪(少女期)/黒木華
雨(少年期)/西井幸人
雪(幼年期)/大野百花
雨(幼年期)/加部亜門
草平/平岡拓真
草平の母/林原めぐみ
土肥の奥さん/谷村美月
堀田の奥さん/麻生久美子
韮崎/菅原文太
<ストーリー&コメント>
大学生の花は、大学の講義で見かけた寡黙な男性に恋をする。だが実は彼は、人間の姿で暮らす「おおかみおとこ」だった。二人は愛しあい、新しい命を授かる。「雪」と「雨」と名付けられた姉弟は、父親と同じく、人間とおおかみの両方の顔を持つ「おおかみこども」として生を受けた。都会の片隅でひっそりと暮らす4人だが、突然悲しい別れが訪れ、残された花は姉弟を連れて田舎町に移り住むことを決意するのだが…。
シングルマザーとなった花が、見知らぬ田舎町で「おおかみこども」二人を育てるハートフルドラマ。
知識も経験も浅く若い二人だけで、二人もの子どもを生めるのかな?とか、ヤボなツッコミをしたらダメなんだろうね。後半の家族3人と田舎の人たちの交流とか、やがてそれぞれの道を歩き始めていく姉弟の葛藤とか、先の見えない不安に悩む花とか、いろいろな場面がそれぞれ心をうつものがありました。最後に雨が選んだ道は厳しくて過酷なものだけど、彼自身が導き出した答えだから、花も心を強くもって、受け入れることができたのかもしれないですね。
117分/★★★★
(2016年3月26日)
主題歌:「おかあさんの唄」アン・サリー

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バケモノの子
THE BOY AND THE BEAST
2015年日本/ファンタジードラマ

<監督・原作・脚本>
細田守
<声優>
熊徹/役所広司
九太(少年期)/宮アあおい
九太(青年期)/染谷将太
楓/広瀬すず
猪王山/山路和弘
一郎彦(青年期)/宮野真守
一郎彦(少年期)/黒木華
宗師/津川雅彦
百秋坊/リリー・フランキー
多々良/大泉洋
蓮の父/長塚圭史
蓮の母/麻生久美子
<ストーリー&コメント>
並行する二つの世界、人間たちが暮らす“渋谷”とバケモノたちが住む“渋天街(じゅうてんがい)”。ある日突然親と別れ、行き場を失った9歳の少年・蓮は、強さを求めてバケモノの世界へ行くことを決意する。バケモノの熊徹(くまてつ)に弟子入りし、九太という名を授けられた少年は、共同生活と修行の日々の中で、熊徹と時にはぶつかり合いながらも本当の親子のような絆を育んでいく。やがて九太が青年となったある日、渋谷に戻った彼は高校生の少女・楓と出会うのだが…。
自身のアニメーション制作会社“スタジオ地図”で製作された細田守監督による長編アニメーション映画。渋谷とバケモノの世界の二つを軸に、ひとりぼっちの少年と暴れん坊のバケモノの成長と絆を描く。
すごく面白かったです。機会がなくて見逃してた作品だけど、とてもいい作品でした。熊徹と九太の成長と絆の物語は『ベスト・キッド』のようでいて、物語もシンプルで没入できるものだし、後半の展開も急展開だけど圧倒的な映像美で唸らせられるものでした。それにしても、本職の声優を使わずに有名俳優ばかりをキャスティングするのはジブリから続く大作アニメの悪癖かなぁ。メインキャストはあまり違和感なく観てたけど、楓は「広瀬すずかな」とすぐにわかったし。サブキャストには声優の名前も何人か見つけたけど、メインキャストは宮野真守ぐらいだよね。たくさんの人が観るアニメこそ、本職を使って欲しいなぁ。
120分/★★★★
(2023年9月2日)
主題歌:「Starting Over」Mr.Children

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未来のミライ
MIRAI
2018年日本/ドラマ

<監督・脚本>
細田守
<声優>
くんちゃん/上白石萌歌
ミライちゃん/黒木華
おとうさん/星野源
おかあさん/麻生久美子
じいじ/役所広司
青年/福山雅治
謎の男/吉原光夫
ばあば/宮崎美子
<ストーリー&コメント>
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊の4歳の男の子・くんちゃんと両親の家に、生まれたばかりの妹ミライがやって来る。両親の愛情を妹に奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかりのくんちゃん。そんな時、くんちゃんは家の中庭で自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶ不思議な少女“ミライちゃん”と出会う。くんちゃんは彼女に導かれ、時を超えて家族たち・先祖たちが待つ、大きな旅に飛び込んでいくのだった…。
細田守が監督し、第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞にノミネートされた。
すごく面白かったです。ネットの批評を見るとあまり芳しくないようだけど、僕は最高点をつけたいと思います。映画作品っていろんなジャンルがあって、甘いラブストーリーもあれば、世界をまたにかける壮大な冒険物語もあれば、未来を駆ける空想SFもあれば、ささやかな家族ドラマもある。この作品は、どこの家庭にでもある、ありふれた家族の日常を描いています。その中でも「妹(弟)ができた兄(姉)」のイヤイヤ期という万国不変のテーマを描いているから、容易に共感を得やすいんじゃないかな。ある日突然「お兄(姉)ちゃん」になった子どもの、ほんのちょっぴりの成長。だけどそこには、大人が想像する以上にすごく大きな冒険と、真新しい発見がある。その大切な瞬間を切り取ってアルバムにしたような、そんな愛おしい作品でした。細田監督ならではの、コロコロと表情の変わるキャラクターたちはどれも個性的で素晴らしいと思います。結婚している・していない、子どもがいる・いないに関わらず、ほほえましい気持ちになれるんじゃないかと思う。すごくあったかい作品でした。
98分/★★★★
(2019年6月16日)
主題歌:「ミライのテーマ」、「うたのきしゃ」山下達郎

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竜とそばかすの姫
BELLE
2021年日本/ファンタジー

<監督・原作・脚本>
細田守
<声優>
すず/ベル/中村佳穂
しのぶくん/成田凌
カミシン/染谷将太
ルカちゃん/玉城ティナ
ヒロちゃん/幾田りら
すずの父/役所広司
竜/佐藤健
吉谷さん/森山良子
喜多さん/清水ミチコ
奥本さん/坂本冬美
中井さん/岩崎良美
畑中さん/中尾幸世
ジャスティン/森川智之
ペギースー/ermhoi
<ストーリー&コメント>
自然豊かな高知の田舎で育った高校生のすずは、幼いころ母を亡くしてから、大好きだった歌を人前で歌えなくなっていた。あるとき、全世界から50億人以上が集うインターネット上の仮想世界U(ユー)に参加したすずは、Uでの分身“ベル”でなら自然に歌えることを知る。やがてベルは歌姫として人気者になり、大規模コンサートが開かれることに。だが、そこへ“竜”と呼ばれる謎の存在が現われ、コンサートを台無しにしてしまう…。
細田守監督の長編アニメ第6作。かつて『サマーウォーズ』で描いたインターネット世界を舞台に、傷を抱えた少女が悩み葛藤しながらも懸命に希望を取り戻していく物語。シンガーソングライター中村佳穂が主人公すず/ベル役で声優に初挑戦、劇中でも心を揺さぶる歌声を披露。
細田監督の作品はどれも好きだけど、これはちょっとボチボチな感じ。幼い頃に追った心の傷が癒えきれないままのすずが、仮想世界で新しい自分に出会い、希望を見出していく様子までは共感できた。自分と同じものを感じた竜が気になっていくのもわからなくはないけど、中盤以降の展開はちょっと微妙。そもそも、竜がそこまで異端視されるのも謎だし。しのぶくんが急に言い出したことも唐突な気がした。いつ気づいた?最後の展開もちょっと飛躍しすぎな気もする。あそこまでいけば、合唱隊のおばちゃんたちみたいな「大人」の出番じゃないのかなぁ。そもそものツッコミだけど…「世界の50億人からたった1人を見つけ出す」展開が、すべて日本国内で収まっているのもなんだかなぁ。
全体的に歌はよかったけど、これがウケるなら『マクロスプラス』のシャロン・アップルとか、もっと評価されてもいいと思うんだけど。
121分/★★★☆☆
(2022年10月5日)
主題歌:「U」millennium parade×Belle