The Platters
“NOSTALGIC NIGHTS”
高岡市民会館(2002/11/8・金)

友達に誘っていただいて、プラターズの富山・高岡公演に行ってきました。

The Platters

 Show Time

1950年代に頂点を極めたコーラスグループ、The Platters(ザ・プラターズ)。
グループ名を聞いてもピンとこないかもしれないけど、「オンリーユー」
「煙が目にしみる」「ザ・グレート・プリテンダー」「トワイライト・タイム」
たぶん、誰もが一度は耳にしたことのあるメロディだと思います。

こんなにビッグなグループが富山に来てくれたのが嬉しいですね。

メンバーチェンジがあって、結成当時のオリジナル・メンバーではないんだけど
ヒット曲のクオリティはそのまま。
とても素晴らしい、のびやかな歌声を聴かせてくれました。

会場には、全体的に年配の方が多かったような気がしました。

MCはもちろん英語だし、曲名もすべてわかるわけじゃない。
だけど、どこかで聞いたような懐かしい曲ばかり。
“NOSTALGIC NIGHTS”の名前の通りの華やいだ夜でした。

全部のレポートは不可能なので、幾つか印象的だったことを。

OPENING

開演時間の6時半になると、ステージ袖からバックバンドのミュージシャンが入ってくる。
左からピアノ、ベース、ドラム、キーボード(トランペット)というカルテットだ。
ヴォーカル&コーラスのメンバー4人も含め、全部で8人(みんな黒人)という編成。

ライトなアレンジの「ONLY YOU」がインストで演奏され、メンバー4人が登場。
男3人、女1人という構成です。
男性はタキシードに蝶ネクタイ、女性はドレスで、みんな青に統一。ラメがキラキラ。
まるで日本の演歌歌手のようなイメージで(笑)
ちなみに、バックバンドは黒のタキシードでした。

アメリカのジャズクラブに迷いこんだような・・・
お酒のグラスでも片手に聴きたいような、そんな雰囲気でした。

1.ONLY YOU

1曲目は、いきなりの代表曲。
これで観客の心をガッチリとつかみました。
狭いホールだったんだけど、会場いっぱいに届く歌声はさすが。
僕はもちろん、オリジナル音源しか聴いたことがなかったんだけど
現在のメンバーの歌声もオリジナルメンバーと全く遜色のないものでした。
そこらへんはさすがにビックな名前を背負ってるだけあるね。
のばすところでマイクをグイーンと離しながら歌うのが、なんともカッコイイ。

曲が終わってMCがあったんだけど、英語なので内容がよくわからず。
この時点で完全レポートは諦めました(笑)

全体的に平易な単語を使ってくれているような気遣いがあったような気がします。

そういえば・・・
しきりに日本語をはさんで「コンバーンワー」とか「トヤーマー(富山)」と言ってました(笑)

2.?

2曲目は、女性ヴォーカル、ダイアンさんがリードで歌いました。
ちょっと小太りな感じのダイアンさん。
映画『天使にラブソングを…』のウーピー・ゴールドバーグみたいで(笑)
でも、さすがに高くてノビのある声はスゴイ。

3.HARBOR LIGHTS

これも名曲。
コンサートに行く前に、アメリカのCD通販サイトなどで何曲か試聴して
臨んだんだけど、知ってる曲が幾つかあって。これも、そのひとつでした。
前半の方は、僕の知ってる曲と知らない曲を交互に(偶然だけど)やってくれて。
初めての人のコンサートとか、知らない曲ばかりのコンサートだと飽きたりするけど
この夜に関して言えばそんなことは全くありませんでした。

4.SIXTEEN TONS

この曲も有名みたいだけど、僕は知らなかったんです。
なんで曲名がわかったかというと、曲の前のMCでしきりに
「Sixteen!」という単語が登場していたから(笑)

この曲のリードは、バス・ヴォーカルのマリオ・キンゼイさん。
ヒゲ面の顔は、どこかで見覚えのあるような・・・
そう!映画『レナードの朝』や『グッド・ウィル・ハンティング』のロビン・ウィリアムスそのもの(笑)

この人、ものすごく声が低いんです。
MCもすごい低音で。でも、とてもひょうきんな人でした。

5.SMOKE GETS IN YOUR EYES

これまた代表曲。
クリフォード・ブラウンなんかのジャズとしても有名です。
この曲(メロディ)を聴いたことがない人は、たぶんいないでしょう。

6.?

この曲では、曲を歌いながら、メンバー紹介がありました。
8人全員の、わりと詳細な紹介です。
ミシガン出身とか、サウス・カロライナ出身とか。
他にもいろいろ言ってたけど・・・忘れました。
ってか、完全には理解できていないと思うので(笑)

7.TWILIGHT TIME

彼らの曲で、僕が一番好きな曲で、楽しみにしていた1曲でした。
すごくよかったなぁ・・・。まさに至福。
前述のジャズ・バーだったら、フロアでスローなダンスでも踊りたい感じだね。

・・・

11.I'LL ALWAYS LOVE YOU

ちょっと間が空いて、11曲目。
曲の前のMCで、「では次は、有名なオールディーズナンバーを」ということで。
男3人はハケて、ダイアンさんのソロで。
日本では映画『ゴースト』の主題歌としても有名です。
でも、僕にとってはLeAnn Rimesのカバーしているバージョンの印象が強い。
リアンの方が、声ももっと高いし、ノビがあるなぁ・・・とか考えながら聞いてました。
でも、さすがに人気曲ということで、曲の後の拍手は一番大きかったです。
プラターズの、彼らの持ち歌というわけではないのにね(笑)

この曲の時にかなり気になったのは、ダイアンさん、ずっと手にタオル持って歌ってたんです。
間奏で顔をふいたりして。
真っ白なタオルばかりが、やけに気になってねぇ(笑)

日本語トーク

ダイアナさんの歌が終わり、メンバー3人が再び登場。
リードのリッチーさんがMC。しばらく日本語トークコーナーでした。
(基本的にメインヴォーカル、MCはすべてリッチーさんです)

昨日は石川県の金沢で公演があったこと。
今までに、大阪や東京の六本木などでも公演したこと。
メンバーみんな日本が大好きだとか、富山は美しいところだとか言ってました。
・・・たぶん、そんな感じだったと思う(笑)

そして、「私たちは日本語を少し覚えました」と。
「コンバーンハ。ワタシーハ、リッチー・ジョーンズデス。トヤーマー」
と、たどたどしい日本語で挨拶すると会場は大きな拍手。
それにしてもリッチーさん、最後に必ず富山がつくぞ(笑)

リッチーさんが次々マイクを持って回って、みんな一言ずつ喋りました。

マイルスさん「コンバンハ。トヤマ」

ダイアンさん「コンバンハ、トヤーマ。アイシテマース」
ショッピングなんかもしたらしいです。

次にマイクを向けられたバスのマリオさんが面白かった。

リッチー(英語)「マリオ、日本語で何か一言」
マリオさん、パッと見はアラブ人のようでもあるんだけど(笑)
妖しげな腕の動きをさせつつ、しばらく考えながら低音で一言。
マリオ(日本語)「・・・ハイ」
リッチー(英語)「なにかもっと(笑)」
またしばらく揺れながら、
マリオ(日本語)「・・・ハイ」
会場は大爆笑です(笑)
リッチー(英語)「それだけ?(笑)」
またしばらく揺れながら、やっぱり
マリオ(日本語)「・・・ハイ」

バックバンドもそれぞれ一言ずつ日本語で挨拶。
リッチーさんがドラムに歩み寄ろうとすると、ドラムの方が真っ白なタオルで
頭をすっぽりおおいながら、派手に震えている(笑)
リッチーさんがマイクをむけても、そのままの体勢でブルブル。
リッチー(日本語)「ハズカシーイ」
会場は爆笑。
ずっとマイクを向けるリッチーさんに対し、徐々にタオルをずらして顔を見せ・・・
突然タオルをバッととると、
ドラム(日本語)「イェ〜〜ン!(円)」
手にはお札が1枚。そして、アッハッハッハッと派手に高笑い(笑)
なんかコテコテだけど、笑ってしまいました。

どこでもやってるネタなのかもしれないけど、こういうコーナーがあると
一気に親近感が増したのは確か。
さすがにエンターテイナー、心得てるね。

そして、後半の演奏へ。

16.MY PRAYER

たしか、「祈りをこめて」というMCがあってから。
すごく情感タップリな感じでよかったです。

17.THE GREAT PRETENDER

代表曲のひとつ。
この曲の時、リッチーさんがなんとステージを降りて(笑)
客席の間を回りながら握手を(自ら)求めていました。
まさにNHKの「歌謡ショー」のような雰囲気!
なんてフレンドリーな人なんだ!(笑)

さらにはマイクを客にむけて歌わせたりして(笑)
すごいよねぇ。ここまでするコンサートは初めて見ました。

あ、ちなみに。
客席は終始座ったままです。立ち上がったりすることはありませんでした。
それが「普通のコンサート」の姿なんだろうけどね(笑)

18.I BELIEVE I CAN FLY

本編最後となったこの曲。
なんだか壮大な感じで、すごくよかった。

曲が終わり、メンバーはステージ袖へ。

バンドは、オープニングの時の「ONLY YOU」の演奏。
その間も、ずっと手拍子はなりやまず。

しばらくするとメンバーが出てきて、アンコールへ。

E1.YOU'LL NEVER KNOW I CARE

アンコールは1曲だけ。
なんだかすごくアッサリした感じでした。

全19曲(本編18、アンコール1)、1時間40分のステージ。
すごくよかったなぁ!

やっぱり黒人のアーティストって、歌がうまいよね!
声が高くて、声量があって、リズムがいい。
でも、会場に空席があったのが申し訳なかった。
呼びかけも英語だからか、いまいち反応がよくなくて。
言葉の壁ってどうしてもあるもんだなぁと実感。

もしまた近くに来てくれることがあったら、ぜひまた参加したいです。
やっぱり、「名曲は時を越える」ね。

 Set List

  1. ONLY YOU
  2. ? (Vo.ダイアン・マティス)
  3. HARBOR LIGHTS
  4. SIXTEEN TONS (Vo.マリオ・キンゼイ)
  5. SMOKE GETS IN YOUR EYES
  6. ? (メンバー紹介)
  7. TWILIGHT TIME
  8. RED SAILS IN THE SUNSET
  9. I'LL ALWAYS LOVE YOU (Vo.ダイアン・マティス)
    (日本語トーク)
  10. ? (Vo.ダイアン・マティス)
  11. ? (Vo.マリオ・キンゼイ)
  12. MY PRAYER
  13. THE GREAT PRETENDER
  14. I BELIEVE I CAN FLY

(ENCORE)

  1. YOU'LL NEVER KNOW I CARE

 Story of The Platters

プラターズ 現在のメンバー

リッチー・ジョーンズ
マリオ・キンゼイ
ダイアン・マティス
マイルス・トンプキンス

黒人男性4人のドゥー・ワップ・グループとして活動中、1954年にレコーディングのチャンスをつかむが、レコード会社との折り合いが上手くいかず、はじめは本来の力を発揮できないまま過ごす。初代メンバーは、トニー・ウィリアムス(リード)、デビッド・リンチ(テナー)、ハーブ・リード(バス)、アレックス・ホッジ(バリトン)。仲介したのは、〈オンリー・ユー〉や〈グレイト・プリテンダー〉など彼らのヒット曲を書き、マネージャーも務めることになるバック・ラム。そこでラムは、“ザ・プラターズ”をメジャー・マーケットに送り出すため、女性ボーカルのゾラ・テイラーを加え、次にアレックス・ホッジに代わってポール・ロビを起用することで、サクセス・ストーリーの扉を開けた。
1955年、ジャズ・ジャンルでも大きな成功を収めてきたマーキュリー・レコードに移籍し、「オンリー・ユー」を発表。これがたちまちR&Bチャートのトップに昇りつめるほか、全米ポップ・チャートの最上位に入ることになる。さらに、それに続く「グレイト・プリテンダー」が、R&Bとポップ・チャートの双方でトップの座に着いて400万枚のセールスを上げ、隅々にまでその名を轟かせる。黒人のグループがポップ・チャートの頂点に立ったのは、史上初めてのことだった。
その追い風を背に受け、1950年代は「マイ・プレイヤー」、「トワイライト・タイム」、「煙が目にしみる」、「ハーバー・ライツ」など数々のヒットを送り出し、ロック・ミュージックの台頭するポピュラー音楽シーンに鮮やかな足跡を刻んできた。
1959年以降、スキャンダルがらみでリード・ボーカルのウィリアムスが脱退してから、グループはたびたびメンバー・チェンジを繰り返すことになるが、1960年にリリースされたベスト・アルバムが174週に及んでチャート・イン。「オンリー・ユー」をはじめとするヒット・ソングは歌い語り継がれ、オリジナル・メンバーが去ってからも音楽ファンの心をとらえ続けている。
1990年には、ロックンロールの「ホール・オブ・フェイム=名声の殿堂」入りを果たした。

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