あぶくま洞探訪記

あぶくま洞 あぶくま洞
■所在地: 福島県滝根町
このへん(赤いところ)です。
■入洞料金:
大人 1,200円
高校生1,200円
中学生 800円
小学生 600円
■開洞時間:
8:30〜17:00
(11/20〜2月末は16:30まで)
■休業日: 無
■交通アクセス:
磐越自動車道
小野ICより 約15分

およそ8000万年という気の遠くなるような年月をかけて形成されたあぶくま洞は、昭和44年9月、釜山(かまやま)の石灰岩採石場跡で発見された。一般公開が始まったのは昭和48年。洞内の鍾乳洞や石筍は種類もバラエティに富み、その多彩な形態は学術的にも貴重なものとなっている。洞窟内は三段階層からなり高さ30mを誇る「滝根御殿」や「龍宮殿」「クリスマスツリー」など巨大石筍のミステリアスな地底世界が広がる。洞内の気温は年間を通じ14℃。コウモリやトビムシなどの洞窟動物の生息も確認されている。
福島県滝根町のホームページ内の記事)

Chapter1:出発
11月6日の夜、友人と電話していた。今からどこかに出かけようかという話になり、鍾乳洞好きの彼に僕が提案したのは、福島県の「あぶくま洞」だった。僕自身、あぶくま洞は2度目になる。1度目は小学6年生(当時は山形県に住んでいた)の修学旅行の一環。会津若松方面への旅行で、鶴ケ城、有名な白虎隊の自刃の地・飯盛山、五色沼などを見て回った記憶がある。あぶくま洞のその時の記憶はあまりなかったが、「とにかく大きい」というイメージだけは残っていた。
旅の準備はすぐに整った。記録用のメモ、愛用のデジタルカメラ、道中で聞くためのCD、毛布、洗顔用品。僕は、いつのまにかとっさの出発に対応できるほどの旅人になっていた。これも度重なる旅行の経験の賜物というものだ。

11月6日
午後11:18/0.0km 出発

富山の僕の家を出たのは、真夜中。あたりは静まり返っている。一度友人の家に寄ってから、あらためて出発。富山を横断している東西への大動脈・国道8号線を東へとひたすら走る。道はすいている。土曜の夜だが、ナイスなタイミングだったようだ。

11月7日
午前0:00〜0:20/27.4km 食事

二人とも夕食をあまり食べていなかったので、魚津市にある「八番麺屋」という店で食事をした。僕は「中華風オムレツ」と「ワンタンスープ」を食べた。僕はお店でスープなど頼むことはほとんどないのだが、その時は妙に「ワンタン」という響きに心が揺らいだのだ。2品とも、なかなか美味しかった。
料理が来るまでのあいだ、ルートを検討。ひたすら国道を走ることに意見は一致している。腹ごしらえもすませたところで、再出発。眠気もどこへやら、二人ともノリノリだ。

0:50/56.7km 新潟県へ
ひとつめの県境を越えた。車内はさほど寒くはなく、快適。BGMは彼の聞いていたCD(Favorite Blue)から僕の持参した浜田省吾、ガース・ブルックス、ジェイミー・ウォルターズ、サマーキャンプらのCDへと変わっていった。夜も遅いことだし、上越あたりまで行ければいいかなと話していたが、なかなかいいペースだ。

1:23/88.8km 能生町(のうまち)
疲れと眠気というものは、突然襲ってくるものだ。ドライバーである彼が突然の眠気を覚え、能生町にあるセブンイレブンにて休息した。眠いときは眠るべきだからね。ジュースを飲んだりしつつ、二人とも毛布にくるまり車中泊だ。
まだ余力のあった僕は、ついでにおでんを食べた。セブンイレブンのおでんは美味しいよね、ほんとに。コンビニおでんの中ではいちばんだと思う。ネタはやっぱり大根とちくわ。この2つが大好きなんです。学生の頃はよく食べていたもんだけど、富山県にはセブンイレブンがないので、なかなか食べられないんです。コンビニネタのついでなんだけど、福島県ではコンビニといえばセブンイレブンばかりで、他のコンビニはほとんど見かけなかった。時々ローソンやファミリーマートがあるぐらい。県によってコンビニの勢力図も違うのかな?
おでんに満足した僕も、毛布にくるまって眠りにおちていった。

Chapter2:目指せ会津
目が覚めたのは午前7:10。目の前のセブンイレブンで朝食を買って食べた。二人ともサンドイッチ。彼はセブンイレブンのチキンカツサンドが大好きで、ここに来てはいつもそればかり食べている。人それぞれ、いろいろとこだわりがあるものだ。僕は、トマトをはさんだサンドイッチが大好き。二人とも食事を終え、7:20、出発した。

午前7:29〜7:41/95.5km 道の駅能生
出発してすぐ、道の駅に寄った。僕は寝るときにコンタクトレンズをはずしたので、それを入れるためだ。トイレでザブザブと洗顔もして、気分はスッキリ。空は青空。広がる日本海。とてもいい気分だ。
道の駅能生 道の駅能生には大きな風車があります

8:45〜8:55/154.8km 鯨波
柏崎市にある鯨波というところで休憩。ここは海が奇麗に見えるところで、僕は以前ここで日の出を見たことがあります。ちょっとした穴場ってところですね。たがら、詳しいポイントは内緒(笑)
セブンイレブンで買ったガムをかみつつ、ドライブは続く。ひたすら国道8号線を東へ。僕も相棒サニーに乗っていた頃、よく走っていたルートだ。

9:40/約200km 長岡市
国道8号線は日本海に沿って北上していくが、柏崎市をすぎると内陸にはいっていき、長岡市、三条市を経て新潟市へと至る。長岡市に入り、僕らは国道351号線へとルートを移した。霧がとても深くなっている。このルートの他に前述の三条市経由のルートも考えたのだが、街中を避けるためにあえて郊外のルートを選んだのだ。だが・・・この決断が後で裏目に出ることになるのだった。

10:10/215.7km トライアングル小隊に遭遇
長岡から東へ12km、栃尾市を通過。霧は晴れ、再びいい天気に恵まれている。栃尾市は典型的な地方都市といった趣で、静かなところだ。栃尾市内ですこし迷ったりもしたが、なんとか抜け出して北上、下田村へ。この道中、前を走る車に目がいった。軽自動車に老人が3人。前に二人、後ろの1人は席の真ん中に座ってシートの間から顔をだしているようである。僕もよくそういうふうに座るので「まるでお前みたいなヤツだな」と言われてしまった(笑)あんなふうに年をとっても、僕たちはこうやって旅をすることができるのだろうか。願わくば、元気な年のとり方をしたいものである。

11:00頃 アクシデント
やがて下田村を過ぎ、村松町を抜けた。この間の道はクネクネした道が多く、だいぶ時間をロスしてしまった。素直に真っ直ぐいくべきだったかもしれない。
また、とんだアクシデントにも見舞われた。県道を走っていたところ、なんと交差点のど真ん中に犬が寝ていたのだ!
大アクシデント! 気持ちいいワン
犬は気持ちよさそうに寝そべっていた。こちらに気づいたらしく、チラッとこちらを見るとニヤリとした。しょうがなく車をとめていたのだが、やがて向こうからトラックがやってきた。交差点のど真ん中で、ものすごい度胸だ。どことなくウチのじゅんにも似ているようでもあり、にくめない感じである。しばらくするとのそりと立ち上がり、トコトコと歩いて去っていった。なんとも微笑ましいアクシデントだった。

11:23/269.2km 阿賀野川
度重なる試練をなんとか切り抜け、鉄橋にさしかかった。眼下には巨大な川がよこたわっている。新潟県と福島県を結ぶルートに流れているその川は、阿賀野川だ。国道49号線にのりかえ、一路東へ。道は混み合っている。交通量の多い道路のようだ。僕も彼も、この道を通るのは初めてだ。

11:40/276.7km 道の駅みかわ
そろそろ食事をしようかと立ち寄ったが、トイレしかなかった。そのため、トイレ休憩をして再出発。と思いきや、反対斜線の方に店があったのだった。昼食は先延ばしにして、道を急ぐことにした。

12:18/302.6km 福島県へ
2度目の県境越え。いよいよ目的地に近づいてきたという実感がある。
道にそって流れている阿賀野川は、なかなか素晴らしい眺めだった。国道沿いには店がいくつもあり、どこかで昼食をとろうという話にはなっていたのだがついつい入りそびれてしまっていた。良さそうな店が続くと、次はどんな?次はどんな?ってなっちゃいませんか?中にはあやしげなものもあるけど・・・。「きのこ」と繰り返し書かれた看板を掲げる店とか、「ばんげばんげ定食」、「ザ・ラーメン」というノボリの立つある店とか、「トラック定食」というノボリの立つ店とか・・・。空腹に耐えつつ、僕らは走りつづけた。
きのこ・・・ そこまで書かなくても・・・。

午後1:20〜2:10/348.7 昼食
会津若松市に入り、ようやく昼食。「えちぜん」という名のそば・定食の店だ。ファミレスのような感じの店で、なかなか繁盛しているようだ。僕は寿司セットCを頼んだ。にぎり寿司(8つ)、タラバカニ寿司(3つ)、天ぷら、うどん、茶碗蒸しとあって1200円。安いうえに、とても美味しかった。大満足で店をあとにした。
ちなみに会津若松市には鶴ケ城があるのだが、とても美しい城だと記憶している。

2:55〜3:15/393.8km 五百川P.A.にて休憩
会津若松を出てしばらくすると、猪苗代湖が広がっていた。広大な湖で、湖沼面積103平方キロメートルは琵琶湖(671)、霞ケ浦(168)、サロマ湖(150)に次いで第4位の広さである。広く、美しい湖だ。湖畔には野口英世記念館がある。野口英世の生家を遺したものだが、ここにも修学旅行で来た記憶がある。
猪苗代湖にそってしばらく走った後、磐梯河東I.C.から高速道路にのった。昼食時の作戦会議で、ペースアップのために高速を使うことに決めていたからだ。磐越自動車道を東へ向かう。
しばらくすると、友達が疲れたようなので五百川パーキングエリアで休息した。彼が休んでいる間、僕は店の人に聞いて情報を集めた。ここから目的のあぶくま洞へは約30分ほどで行けること。閉まる時間は4時か5時かわからないが、時間がせまっているので、急いだ方がいいとのことだった。そうだった。のんきに走っている場合ではなかったのだ。これは大変、急がねばと急遽慌てた僕らだった。行って、閉まってましたでは何のためにここまで来たのかわからない。ペースアップして先を急いだ。

3:45/435.4km 小野I.C.
高速道路を降り、国道349号線へ。果たして、時間に間に合うのか?ラストスパートだ!

Chapter3:あぶくま洞

4:00〜5:10 あぶくま洞
ついに到着。チケット売り場に急ぐと、営業は5時までとのこと。間に合った!
あぶくま洞外観

そして、いよいよ内部へ・・・

あぶくま洞

その内部は、13年間の時を越えて僕の記憶を呼び覚ました。なんとなく、見た覚えがある。だけど、視点が随分変わっている。当時145cmだった僕だけど、今では175cm。30cm目線が高くなっているからだ。小さいときに行った場所に大きくなってから行くと、自分の成長を実感できますよ(笑)

あぶくま洞 せせらぎの岡

あぶくま洞は、途中で2つのコースに分かれている。一般コースと探検コース(別途200円)だ。小学生のときは一般コースを通った。今回は探検コースに挑んでみた。ものすごく狭いところとか、川が流れていて丸太の橋があるところとか、ハシゴをのぼるところとか、いろいろと難所がある。

あぶくま洞 ツルツルするハシゴをのぼります

あぶくま洞 狭い壁の間、板の橋を渡ります

狭い道をぬけていくと、広い場所に出ます。「滝根御殿」と呼ばれている場所です。周囲は乳白色のぎざぎざした壁で、30mもの高さがある吹き抜けのような高い天井にはつらら状の鍾乳石がびっしりとぶらさがっています。ひんやりとしていて、神秘的で。とても幻想的な場所です。

あぶくま洞 滝根御殿

とても幻想的です。

あぶくま洞 月の世界

すべてを見終わり、洞窟を出た頃には外はもう真っ暗でした。

あぶくま洞にて 僕です

Chapter4:家路
外はもう真っ暗。来た道と同じ距離を一気に帰らねばならない。かなりハードだ。5:30、出発。

6:50/493.4km 郡山市郊外にて給油
小雨が舞っている。夕食をどうしようか思案中。

7:09〜7:51/503.7km 夕食
磐梯熱海にあるラーメン屋「味噌屋」に立ち寄った。混み合っていたので相席になった。同席の中年夫婦に話し掛けてみると、どうやらこの店は、昨日テレビで紹介されていたらしい。「東北の美味いラーメン屋」とかなんとか。二人はわざわざ50分かけて食べに来たらしい。メニューには、5種類の味噌ラーメンがならぶ。僕は「札幌風味噌ラーメン」を食べた。普通のラーメンだった。美味しかったけど。

7:53/505.0km 磐梯熱海I.C.
高速道路にのった。雨は依然降っている。疲労や眠気と戦いながら、ひたすら西へと走る。

9:23/647.6km 黒崎P.A.にて休憩
いつのまにか新潟県に入っていた。僕はずっと助手席に座っていただけだったけど、眠かった。ずっと運転しっぱなしの友達の疲労は、さらなるものだったろう。ごくろうさま。

10:43〜10:54/772.7km 名立谷浜S.A.にて休憩
二人とも眠気と疲れがピークに達していた。しかし、ひたすら走りつづけた。

11:29/329.7km 富山県へ
ようやく帰ってきた。もう一息だという思いでいっぱいだった。帰りは、ただひたすら走るのみだった。

11:31〜11:37/826.0km 越中境P.A.にて休憩
休憩の間隔も、だんだん短くなってきた。帰り道は「休憩」ばかりしか書いてないなぁ(笑)

11:58/860.6km 滑川I.C.
ついに高速道路を降りた。もう少しでゴールだ。

11月8日
午前0:18/877.3km 帰宅

僕の家に着いた。ついにゴールだ。
でもそれは僕の話で、友達はさらに自分の家に帰らねばならない。ほんと、お疲れさま。

あぶくま洞のすぐそばに、もうひとつ鍾乳洞がある。
入水(いりみず)鍾乳洞というところだ。そこもまた、いいところらしい。また行ってみるかい?(笑)