凱旋門 | |
ARCH OF TRIUMPH | |
1948年アメリカ/ラブストーリー <監督> ルイス・マイルストン <出演> イングリッド・バーグマン シャルル・ボワイエ チャールズ・ロートン ルイス・カルハーン |
<ストーリー&コメント> 第二次世界大戦前のパリで出会い恋に落ちた男と女が離れ離れになり、戦時下の混乱の中で再会する…。 物語的にはどこか『カサブランカ』を彷彿とさせるものがある。個人的には『カサブランカ』の方が好きなのだけれど。 |
132分/★★★☆☆ |
海底47m | |
47 METERS DOWN | |
2017年アメリカ/アクションサスペンス <監督・脚本> ヨハネス・ロバーツ <脚本> アーネスト・リエラ <出演> マンディ・ムーア クレア・ホルト ヤニ・ゲルマン クリス・J・ジョンソン マシュー・モディーン |
<ストーリー&コメント> メキシコでの休暇中“シャークケージ・ダイビング”に参加することになったリサとケイトの姉妹。臆病な姉・リサは、活動的な妹・ケイトに強引に押し切られ、2人を乗せた鉄製の檻はゆっくり海中5メートルへ降りてゆく。初めて間近で見るサメの迫力に大興奮していると、突然、水上の船のクレーンが故障し、2人は檻ごと水深47メートルの海底へ一気に落下してしまう。無線は通じずボンベの酸素も残り少なくなっていく中、巨大なホオジロザメが2人に迫っていた…。 逃げ場のない海中でサメの恐怖が迫るワンシチュエーションスリラー。海底に落下した檻に閉じ込められた姉妹の決死の脱出を描く。 なかなか面白かったです。極限状態のパニックムービーだけど、海底という状況で、観ているだけで息苦しい。現状を説明する最低限の知識は伏線として与えられているので、迷うことなく最後まで一気に走り抜けられました。最後はなかなか救いのないエンディングだけど、こういうのもアリだよね。 マンディ・ムーア、昔はもっと可愛かったのになぁ…(笑) |
92分/★★★☆☆ (2018年10月14日) |
快楽の園 | |
THE PLEASURE GARDEN | |
1925年イギリス、ドイツ/ドラマ <監督> アルフレッド・ヒッチコック <脚本> エリオット・スタナード <出演> ヴァージニア・ヴァリ カルメリータ・ゲラフティ マイルズ・マンダー ジョン・スチュアート ニタ・ナルディ |
<ストーリー&コメント> ロンドンのナイトクラブ「快楽の園」の踊り子パッツィは、田舎から出て来たジルと意気投合し、クラブに引き入れてやり、ジルはすぐに踊り子として注目を集める。ジルはヒューという男性と、パッツィもヒューの友人のレヴェットとそれぞれ恋仲になる。ある日、ヒューは事業のために南洋の植民地を旅立つのだが、ショービジネス界で成功したジルは男たちにとりまかれ、ロンドンの夜の華やかな生活を享楽するのだった…。 ヒッチコックの記念すべき監督デビュー作。イギリス、ドイツの合作で作られたサイレント映画です。セリフは音声では入っておらず、字幕として場面毎に挿入されます。僕はこの形式の映画を初めて観ましたが…非常に観づらいですね。もちろん当時はみんなこういう映画だったんだろうけど、セリフが極端に少ないので展開が非常に理解しづらい。主役の二人の女性も似ていて区別がつきにくかったし…最後のほうまでストーリーがよく理解できませんでした。 ストーリーはわりと単純なドラマなんだけど、随所にヒッチらしさが出ていて興味深かった。こんな昔の映画がよく残ってるなぁ、という史料的な価値で観るだけの映画かもしれません。 史料によると尺はもっと長かったようですが…カットされていたのかな? |
62分/★★☆☆☆ (2003年4月24日) |
帰らざる河 | |
RIVER OF NO RETURN | |
1954年アメリカ/ウェスタン <監督> オットー・プレミンジャー <脚本> フランツ・フェントン <出演> ロバート・ミッチャム マリリン・モンロー ロリー・カルホーン トミー・レティグ マーヴィン・ヴィー ダグラス・スペンサー |
<ストーリー&コメント> 1875年、ゴールド・ラッシュ時代のカナディアン・ロッキー。開拓者のマットは、離れ離れに暮らしていた息子を迎えに訪れた町の酒場で、歌手のケイに出会う。だがケイの情夫ウェストンは、マットの馬と銃を奪い、金鉱の登記のために河の下流の町へと向かう。そこをインディアンに襲われたマットは、マークとケイを連れてやむなく「帰らざる河」と呼ばれる激流をイカダで下ることになってしまう…。 数少ないマリリン・モンロー主演の西部劇。彼女は、妖艶な酒場女と、ジーンズ姿の気丈な女を巧みに演じ分けている。劇中ではギターの弾き語りのシーンもあり、ファンには必見。特に、主題歌「River Of No Return」は映画史に残る名曲。 作品としては、迫力ある激流下りが見せ場。ロバート・ミッチャム演じる無骨な父親と、幼い息子の心の交流もよく描けていると思います。 この作品、後の批評家たちには「マリリン・モンローが出ていなければ誰もこの映画を観る者はいないだろう」と酷評されたそうです。そんなにつまらなくはなかったけど…。たしかに僕も、マリリン・モンロー目当てで観たクチですが。 |
91分/★★★☆☆ (2003年10月3日) |
輝きの海 | |
SWEPT FROM THE SEA | |
1997年イギリス、アメリカ/ドラマ <監督> ビーバン・キドロン <原作> ジョセフ・コンラッド <脚本> ティム・ウィロックス <出演> レイチェル・ワイズ ヴァンサン・ペレーズ キャシー・ベイツ イアン・マッケラン ジョス・アクランド トム・ベル ゾー・ワナメイカー |
<ストーリー&コメント> イギリス南西部、美しい海に面した小さな村コーンウォール。無口なエイミーは、出生時の風評もあり、村では変わり者扱いされていた。気高い彼女は独りで生きていくと心に誓っていたが、そんなある日、嵐で難破した移民船の唯一の生存者ヤンコが村に辿り着き、次第に彼に惹かれていくのだった…。 原作は英文学の巨匠ジョセフ ・コンラッドの短編『エイミー・フォスター』。 海に面した小さく閉鎖的な社会、切り立った岬に立つ家。なんとなく『シッピング・ニュース』を思い浮かべる作品だった。小さな村に、ある日突然やってきた異邦人ヤンコ。言葉も全く通じない孤独からなんとか這い上がり、変わり者とされる女性との間に愛が芽生えていく。劇的な設定のわりには、物語自体はこじんまりとしたもの。最後もわりとアッサリしすぎている感じがするけど。 キャストもなかなかクセ者揃い。イアン・マッケランって聞いたことのある名前だと思ったら、『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ!愛憎に揺れる医師を好演。それにしても、キャシー・ベイツはうまいね。 まだメジャーになる前のレイチェル・ワイズの儚い気品が、美しいながらも寂しい風景と絶妙にマッチしている。 |
114分/★★★☆☆ (2005年3月27日) |
カクテル | |
COCKTAIL | |
1988年アメリカ/青春ドラマ <監督> ロジャー・ドナルドソン <脚本> ヘイウッド・グールド <出演> トム・クルーズ ブライアン・ブラウン エリザベス・シュー リサ・ベインズ ローレンス・ラッキンビル ケリー・リンチ ジーナ・ガーション ロン・ディーン ロバート・ドンレイ エレン・フォーリイ |
<ストーリー&コメント> 軍を除隊したブライアンは、ビジネスでの成功を夢見てニューヨークにやって来た。だが、望んだ暮しとはほど遠く、バーでアルバイトをしながら大学に通う日々。先輩バーテンのダグから教え込まれた華麗なテクニックで、ブライアンは次第に客を魅了する存在となっていく。だがある時、二人はケンカ別れをしてしまい、ブライアンはジャマイカのビーチで働くことにする。そこで出会った画家志望の女性ジョーダンと恋に落ちるのだが、そこにダグが現れるのだった…。 一獲千金を夢見る青年が、バーテンダーの仕事をきっかけに様々な経験をして成長する姿を描いた青春ドラマ。 気楽に見られるドラマ。逆に言うと、大した内容もない作品でした。トム・クルーズのファン以外は観る価値はあまりないかも。その彼はハンサムなバーテンという役どころですが、「恋も仕事も気軽に楽しんじゃえ」という主人公に全く好感が持てませんでした。ハンサムなトム・クルーズが演じていなければ、ただのイヤなヤツ。終盤、ジョーダンに「僕の心はわかるはずがない」って言うシーンがあるんだけど、そりゃあわかるはずないよ。人を傷つけても平気な、そんな軽い男の言うことなんて誰が信じられるかって。なんの説得力もないよね。 ブライアンとは反対に、純真な愛を信じるジョーダン役のエリザベス・シューは好演というか、可愛かったです。それだけが唯一の救いだったかな。バーテンダーに扮する二人がクルクルと酒瓶を回してカクテルをつくるシーンはカッコよかったけど。 |
102分/★★★☆☆ (2004年2月27日) |
崖っぷちの男 | |
MAN ON A LEDGE | |
2012年アメリカ/サスペンス <監督> アスガー・レス <脚本> パブロ・F・フェニベス <出演> サム・ワーシントン エリザベス・バンクス ジェイミー・ベル アンソニー・マッキー エドワード・バーンズ キーラ・セジウィック エド・ハリス |
<ストーリー&コメント> ニューヨーク、マンハッタンの高層ホテル21階の窓辺から、今にも飛び降りようとする元刑事で脱獄囚のニック。時価4000万ドル相当のダイヤモンド横領罪に問われたニックは、自らの無実を明かすために飛び降り自殺をすると宣言。路上にはマスコミや野次馬が殺到する。その状況を利用してニックは、女性刑事リディアを交渉人に指名。必死の説得にあたるリディアだが、ニックにはある秘密があるのだった…。 ドキュメンタリー出身で本作が劇映画デビューとなるアスガー・レス監督が、奇抜な設定を生かしたハイテンポな演出で描く。主役のサム・ワーシントンは高所恐怖症だが、実際にルーズベルト・ホテルの壁面に立って撮影した場面もあるそうです。なお、原題“Man on a Ledge”は「飛び降り自殺者」を表す現実の警察用語。 なかなか面白かったです。序盤は話の展開がよくわからなかったけど、別々に動いてると思えたストーリーが絡み合ってくると「なるほど〜」と納得。最後のどんでん返しも小気味よく、最後まで飽きさせない作品でした。地上60m、幅わずか35cmの壁面の縁での攻防は終始スリリングでしたが、一番ドキッとしたのはヘリコプターが接近したときですね。あの時はニックも、予想外の邪魔者にかなり動揺していました。 野次馬たちの「渋滞の原因を射殺しろ」とか、「飛び降りろ!」という罵声は、いかにも現代の闇って感じですね。 |
103分/★★★☆☆ (2018年10月26日) |
カサブランカ | |
CASABLANKA | |
1942年アメリカ/ラブストーリー <監督> マイケル・カーチス <脚本> ジュリアス・J・エプスタイン フィリップ・G・エプスタイン ハワード・コッチ <出演> ハンフリー・ボガード イングリッド・バーグマン ポール・ヘンリード クロード・レインズ コンラッド・ベイト シドニー・グリーンストリート |
<ストーリー&コメント> 第二次大戦中の仏領モロッコの首都カサブランカ。そこは、戦禍を逃れた人々が自由世界への脱出を夢みて集う街であった。酒場の経営者リックは、かつての恋人イルザと偶然再会する。昔の愛がよみがえるのだが、彼女はレジスタンスの指導者ラズロと行動を共にしていた…。 僕の大好きな映画。「君の瞳に乾杯!」の名ゼリフはハンフリー・ボガードにしか言えないだろう。イルザを演じるイングリッド・バーグマンの美しさは映画史上不滅。映画ファンの選ぶ名作ランキングにも毎回必ず上位にランクインされている。 <再評価:★4→★5> 初めて映画のDVDを買った。「やっぱり最初はこれしかないだろう」ということで、『カサブランカ』。久しぶりに観たけど、やっぱり面白いです。何回観ても飽きないし、新たな発見がある。時代を越えて語り継がれる名作です。DVDでいつでも観られるようになって嬉しい。 |
103分/★★★★★ (1996年7月19日) (再観・2003年3月25日) |
[More Information] |
第16回アカデミー賞(1943年) 作品賞、監督賞、脚色賞 |
ガス燈 | |
GASLIGHT | |
1944年アメリカ/ミステリー <監督> ジョージ・キューカー <出演> イングリッド・バーグマン シャルル・ボワイエ ジョセフ・コットン アンジェラ・ランズベリー |
<ストーリー&コメント> 膨大な叔母の遺産を相続した為に、日を追うごとに精神的に追い込まれていく妻。異常とも言える夫の行動がさらに妻を精神的に追いつめていく…。 イングリッド・バーグマンの代表作。この作品で、初めてのオスカーを獲得しています。恐怖に怯える若妻役のイングリッド・バーグマンはやはり美しい。 シャルル・ボワイエの演技が恐いほどリアル。 これは新宿のリバイバル・シネマで見たんだけど、古い映画をスクリーンで見るってのもいいもんだなぁと思いました。 |
114分/★★★★☆ (1997年10月8日) |
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第17回アカデミー賞(1944年) 主演女優賞、室内装置賞(モノクロ) |
風と共に去りぬ | |
GONE WITH THE WIND | |
1939年アメリカ/文芸ドラマ <監督> ビクター・フレミング <原作> マーガレット・ミッチェル <出演> クラーク・ゲーブル ビビアン・リー ハティ・マクダニエル オリヴィア・デ・ハヴィランド |
<ストーリー&コメント> 南北戦争を舞台にスカーレットとバトラーの愛を描いた不朽の名作。強い女の代表のようにいわれるスカーレット・オハラの生涯を描く。 メラニーはすごくいい人なのに、スカーレットは高慢だよねぇ。一口に「名作」と呼ばれている作品でも、人それぞれ好みがあるものだなぁと思った。ハッキリ言って、スカーレットみたいな女性は僕はあまり好きではないです。 |
232分/★★★☆☆ (2000年11月28日) |
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第12回アカデミー賞(1939年) 作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、室内装置賞、編集賞 |
喝采 | |
THE COUNTRY GIRL | |
1954年アメリカ/ドラマ <監督・脚本> ジョージ・シートン <原作> クリフォード・オデッツ <出演> ビング・クロスビー グレース・ケリー ウィリアム・ホールデン アンソニー・ロス ジーン・レイノルズ |
<ストーリー&コメント> かつてミュージカル・スターとして活躍していた俳優のフランクは、今では酒に溺れ、演技に精彩を欠いていた。そんなある日、新進気鋭の舞台演出家バーニーから、新作舞台で主役を演じてほしいとの要請が。稽古に参加するものの、どこか落ち着かないフランク。実は彼は、数年前に自らの不注意で一人息子を事故死させてしまったことで、精神のバランスを崩してしまっていたのだった。その事故がもとで、彼の妻のジョージーとの間にも溝が出来てしまっていて…。 落ちぶれてアル中になったミュージカルスターとその妻、そして彼を再起させようとする演出家の3人が繰り広げる愛憎劇。クリフォード・オデッツの舞台劇の映画化。 邦題から受けた印象で、落ちぶれた男の再起を描く物語だと思っていたんだけど、実際には繊細な人間ドラマでした。フランクの態度が、バーニーに対するものと妻に対するものとで全く違うので、観ている側も振り回されそうになる構成。フランクの心の闇の原因がわかったあたりからは、しっくりと見ることができたけど、序盤はちょっとわかりにくかったかな。 中盤に、物語の転機となるキスシーンがあるんだけど、あまりにも唐突に思えました。 それにしても、この時代の映画は邦題のセンスに脱帽です。直訳すると「田舎娘」だもんなぁ。 キャストは3人ともそれぞれに好演です。特に、酒に溺れる男を演じたビング・クロスビーは、今までに観た陽気な役とは全く違っていて、なかなかよかったです。この作品で見事にオスカーを手にしたグレース・ケリーは、高貴なまでの美しさです。 |
110分/★★★☆☆ (2008年2月4日) |
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第27回アカデミー賞(1954年) 主演女優賞、脚色賞 |
カーテンの向こうに | |
Verhon takaa/BEHIND THE CURTAIN | |
2014年オランダ/ドラマ <監督・脚本> Teemu Nikki <出演> Valtteri Koivumies Olavi Niemi Pekka Huotari Rene Eerola |
<ストーリー&コメント> 1980年代のとある小学校の教室で、生徒が一人ずつ皆の前で歌を歌っている。ミッコ少年はこの日のために何度も練習してきたが、皆の視線に緊張してしまい全く歌詞が出てこない。そこで彼はカーテンの後ろに隠れ、緊張を和らげて歌を歌おうとするのだが…。 小学校での「こんなことあるよね」なワンシーンを描いた、朴訥とした作品。クラスで歌の試験とか、大人になったらもう忘れてる場面だけど、子どもにとったらすごく大きな場面なんだよね。最後のオチがウィットがきいていてよかった。 |
7分/★★★☆☆ (2023年7月22日) |
ガープの世界 | |
THE WORLD ACCORDING TO GARP | |
1982年アメリカ/ドラマ <監督> ジョージ・ロイ・ヒル <原作> ジョン・アービング <脚本> スティーブ・テシック <出演> ロビン・ウィリアムス メアリー・ベス・ハート グレン・クローズ ジョン・リスゴー ヒューム・クローニン ジェシカ・タンディ |
<ストーリー&コメント> 子供は欲しいが結婚はしたくない、そう考えていた看護婦のジェニーは一方的に子供を産む。ガープと名付けられた息子は思春期を迎え、レスリングに熱中するが、恋するヘレンの一言で作家志望に。ジェニーとガープは母子揃って小説家を志し、ジェニーはウーマン・リブのベストセラー作家に、ガープも作家の才能が開花し、へレンと結婚。子供も授かり、順風満帆な人生を送るかにみえたのだが…。 現代アメリカ文学の金字塔と称賛され、世界中で一大センセーションを巻き起こしたジョン・アーヴィングの自伝的同名小説を基に、ガープの波瀾に満ちた一生を描いた異色ヒューマン・ドラマ。 かなり好みが分かれる作品だと思います。僕は残念ながら、好きにはなれそうもない作品。物語はガープの生涯を淡々と描いていきます。同じように主人公のドラマを描く『フォレスト・ガンプ』は各エピソードに笑いがあるので楽しんで観られますが、この作品では各エピソードがかなり唐突につながっているのであまり感情移入できず、前半はかなり退屈でした。家庭に波乱が起きる中盤以降は少しずつ盛り上がっていきましたが、最後の10分ほどはかなり無理に話が進んでいくし。結局、作品を通して何が言いたいのかというテーマがハッキリしないので、最後の後味の悪さだけが印象として残ってしまいました。 これが初の大役となるロビン・ウィリアムスですが、これがデビュー作となるグレン・クローズの方が目立っていました。彼女の演じた母親はものすごい存在感で、どちらが主役かわからないほど。それにしても、 グレン・クローズとメアリー・ベス・ハートはほとんど実年齢が変わらない。ロビン・ウィリアムスもわずか5歳ほど年下なだけだし。このキャスティングは無理があるんじゃないのかなぁ。 |
136分/★★★☆☆ (2003年12月23日) |
カミーラ/あなたといた夏 | |
CAMILLA | |
1994年カナダ、イギリス/ドラマ <監督> ディーパ・ミータ <脚本> ポール・カーリントン <出演> ジェシカ・タンディ ブリジット・フォンダ エリアス・コティーズ モーリー・チェイキン ヒューム・クローニン グラハム・グリーン |
<ストーリー&コメント> アマチュア・ミュージシャンのフリーダは、夫でもあるデザイナーのヴィンスのために、夢を諦めるかどうか思い悩んでいた。口論が絶えない二人は、カナダのトロントからジョージア州サバナへ引っ越しをする。そこでフリーダは、バイオリンの名手だったという老女カミーラ出会う。大袈裟にも思える彼女の昔話を聞いているうちに、フリーダは本当の自分の心について考え始めるのだった…。 1994年に癌で亡くなった名優ジェシカ・タンディの遺作。 生活や人生に思い悩む女性が、老人の昔話を通じて答えを探していくという構図は、ジェシカ・タンディも出演している『フライド・グリーン・トマト』と雰囲気がよく似ている。 老女とその息子、若い妻とその夫。二組の男女が離ればなれになることで、お互いの愛情の強さを確かめ合うという物語なんだけど、それぞれのエピソードの演出が希薄で、全体的にぼんやりとした色合いになってしまった。もっと軽いタッチで描けばより面白い作品になったかもしれないだけに、残念。 |
95分/★★★☆☆ (2003年1月27日) |
仮面の男 | |
THE MAN IN THE IRON MASK | |
1998年アメリカ/文芸ドラマ <監督> ランダル・ウォレス <原作> アレクサンドル・デュマ <出演> レオナルド・ディカプリオ ジョン・マルコヴィッチ ガブリエル・バーン ジェレミー・アイアンズ ジェラール・ドパルデュー |
<ストーリー&コメント> 舞台はアレクサンドル・デュマの小説『三銃士』の後日談。かつての英雄であった初老の銃士たちが、残虐な若きルイ14世に愛想をつかし、幽閉中の双子の弟フィリップとルイを入れ替えようと画策するが…。 ダルタニアンとアンヌ皇太后の秘められた恋がもたらした悲劇、というアイデア。 若きルイ14世と、その双子の弟フィリップをひとり二役で演じるレオナルド・ディカプリオの演技と、華美な宮廷の装飾は必見。 |
132分/★★★☆☆ (1998年9月1日) |
から騒ぎ | |
MUCH ADO ABOUT NOTHING | |
1993年アメリカ/ラブコメディ <監督・脚本・出演> ケネス・ブラナー <原作> ウィリアム・シェイクスピア <出演> デンゼル・ワシントン エマ・トンプソン ロバート・ショーン・レナード ケイト・ベッキンセール キアヌ・リーブス マイケル・キートン |
<ストーリー&コメント> イタリアのトスカーナ地方。戦いから凱旋したアラゴンの領主ドン・ペドロの一行を、田園の地メシーナを収めるレオナートら民衆は歓喜の宴で迎えた。ドン・ペドロの若い従卒クローディオは、レオナートの娘ヒーローと愛し合う仲になるが、ドン・ペドロと仲の悪い異母弟のドン・ジョンは二人の結婚を妨害しようと策をめぐらせるのだった…。 原作は、『お気に召すまま』や『十二夜』と並ぶシェイクスピアのハッピーエンド喜劇の傑作のひとつ。イタリア郊外の長閑な町で繰り広げられる恋の駆け引きをユーモラスに描く。 元が舞台劇だけに、作品中でも独白のシーンが多かったり、その名残がみられる。特に面白いのはケネス・ブラナー演ずる理屈屋のベネディックと、才女ベアトリスに扮するエマ・トンプソン。実生活でも夫婦(当時)の二人だけに、息はピッタリ。他にも、トボけた夜警や、コミカルな警官など面白いキャラも多い。最初から最後までテンポよく明るい作品だけに、ドン・ジョンの陰湿さだけが目についた。誰かと思えばブレイク前のキアヌ・リーブスでした。 それにしても、いくら異母兄弟とはいえデンゼル・ワシントンとキアヌ・リーブスが兄弟というのは…。 |
111分/★★★☆☆ (2003年9月5日) |
カラーパープル | |
THE COLOR PURPLE | |
1985年アメリカ/ヒューマンドラマ <製作・監督> スティーブン・スピルバーグ <原作> アリス・ウォーカー <脚本> メノ・メイエス <出演> ウーピー・ゴールドバーグ ダニー・グローバー マーガレット・エイブリー オプラ・ウィンフリー ウィラード・E・パグ アドルフ・シーザー レイ・ドーン・チョン ローレンス・フィッシュバーン |
<ストーリー&コメント> 1900年代初頭のアメリカ。当時、黒人は奴隷同様に扱われていた。父親の性の玩具にされ、10代で二人の子供を産んだ少女セリー。だか、その子たちは見知らぬ人間に預けられ、後妻を捜している黒人のところへ嫁がされ、大好きな妹とも離れ離れにされてしまう。奴隷同然の毎日を過ごす中、仲良しだった妹ネティが家を捨てて訪ねてくるが、夫は彼女を追い出してしまう。さらに彼は、昔の恋人を家に住まわせる…。 薄幸の黒人女性セリーの人生を描くドラマ。 スピルバーグ監督が、初めて取り組んだ本格的な人間ドラマとして大いに話題を呼んだ。アカデミー賞では10部門(11候補)にノミネートされたが、結局受賞なしに終わり、同賞の歴史の中でも最大の不思議のひとつといわれる。 父親や、夫となった男にも虐げられた女性を本作が映画デビュー作となるウーピー・ゴールドバーグが静かに熱演。黒人が差別されていた時代の悲しい物語とはいえ、なんだか…観ていてとても辛くなってしまいました。 |
154分/★★★☆☆ (2002年6月7日) |
ガール・オン・ザ・トレイン | |
THE GIRL ON THE TRAIN | |
2016年アメリカ/サスペンス <監督> テイト・テイラー <原作> ポーラ・ホーキンズ <脚本> エリン・クレシダ・ウィルソン <出演> エミリー・ブラント ヘイリー・ベネット レベッカ・ファーガソン ジャスティン・セロー ルーク・エヴァンス エドガー・ラミレス ローラ・プリポン アリソン・ジャネイ |
<ストーリー&コメント> アル中が原因で夫婦仲が崩壊し、夫トムと離婚し、深い悲しみから立ち直れないレイチェル。そんな彼女を慰めるのが、かつてトムと暮らしていた家の近所に住む「理想を絵にかいたような夫婦」の姿だった。通勤電車の窓から二人を眺めるのが日課の彼女だったが、その夫婦の妻が不倫にふけっている現場を目撃する。次の日、電車を降りて彼らの様子を確かめようとするが、不意に記憶を失ってしまう。やがて自分の部屋で大けがを負った状態で目を覚ましたレイチェルは、その人妻が死体で発見されたのを知るのだが…。 なんとも不気味なサスペンスでした。時系列が入り乱れているので、なかなか背景がわかりづらかったけど、物語の筋道が見えてくると、細切れだったエピソードが少しずつつながり、事件の真相が見えてきます。犯人の目星はなんとなくついていたけど、動機とか、事件の衝動がやや薄いかな。結局そこにおさまっちゃうんだ、みたいな。主人公レイチェル、元夫の現在の妻アナ、目撃される主婦メガンと3人の女性が登場するけど、それぞれに魅力的。特にメガン役のヘイリー・ベネットは、アリ・ラーターみたいな「幸薄い背徳感」が漂っていて、好きなタイプかも(笑)他の出演作も気になって調べてみたら、『ラブソングができるまで』でデビューしてたんですね。 |
113分/★★★☆☆ (2017年12月16日) |
彼氏がステキになったワケ | |
THE SHAPE OF THINGS | |
2003年アメリカ、フランス、イギリス/コメディ <製作・監督・脚本> ニール・ラビュート <製作・出演> レイチェル・ワイズ <出演> グレッチェン・モル ポール・ラッド フレデリック・ウェラー |
<ストーリー&コメント> メガネで小太りの冴えない大学生のアダムは、ある日、バイト先の美術館でエキセントリックな魅力を持つ美大生のイヴリンに一目惚れをし、間もなくふたりは交際を始めることに。アダムは彼女に見合う男性になろうと、ダイエットに励み、鼻の整形手術まで施し、彼女のペースに振り回されながらも懸命にカッコイイ男へと変身していくのだが…。 『ベティ・サイズモア』の気鋭監督ニール・ラビュートによるブラック・コメディ。よく考えれば、あの作品も一筋縄ではないというか、毒があったなぁ。冒頭の惨殺シーンとか。今作も、シニカルすぎる後味の悪さに要注意。途中までの流れから、オチはなんとなく予想できるんだよね。だけど普通のラブコメディなら、その裏切りが愛によって償われるんですが、それが全くない。救いようのない失望感だけを残して作品が終わってしまいます。芸術作品として映画を考えるならば、当然こういう系統の創造的志向があってもおかしくはない。ただ、観る側の趣向として、気に入るかどうかの問題なんですよね。 |
97分/★☆☆☆☆ (2005年7月3日) |
カンガルーに注意! | |
HOPPIN' MAD | |
1999年オーストラリア/コメディ <監督> デビッド・マッケイ <脚本> ジュディ・マッククロッシン <出演> スキッピィ(剥製のカンガルー) ジョン・ポラード ジョセフ・バー |
<ストーリー&コメント> 気ままにオーストラリアの荒野を旅している二人の男。南部の平原を横断している時、車の前に突然飛び出したカンガルーをはねてしまう。一瞬気まずい二人だが、初めて触るカンガルーのフサフサの毛皮に、次第にゴキゲンに。調子にのって記念撮影を始めるのだが…。 2000年のシドニーオリンピックの期間中、オーストラリア行きのカンタス航空の機内で上映され、絶賛されたという作品。 世界最強の映画データベース「The Internet Movie Database」にも載っていないという希な作品。でも、なかなか面白かったです。オチはありがちだったけど、カンガルーだね、やっぱり。てっきり本物かと思いきや、思いっきり剥製のカンガルー使って撮影してるんだもん(笑)また、そのカンガルーの顔のコミカルなことといったら…。動物愛護も兼ねてるんだろうけど、ヘタな作り物より思いっきりニセモノですってが快い。 |
7分/★★★☆☆ (2004年2月1日) |
巌窟の野獣 | |
JAMAICA INN | |
1939年イギリス/アドベンチャー <監督> アルフレッド・ヒッチコック <脚本> シドニー・ギリアット <出演> チャールズ・ロートン ホレス・ホッジ レスリー・バンクス マリー・ネイ モーリン・オハラ ロバート・ニュートン |
<ストーリー&コメント> 19世紀初頭のイギリス。母を亡くしたメアリーは、故郷アイルランドを離れ、イギリス西南部の港町コーンウォールに叔母夫婦を訪ねる。しかしその宿屋「ジャマイカ亭」は、難破船を略奪する無法者の根城だった。メアリーはそこで仲間に処刑されかけた男を助けるのだが、そのために自分も追われる身となってしまう…。 ヒッチコックが渡米直前に製作したクライム・アドベンチャー。 ストーリー自体は一直線でヒネりもなく、淡々とした流れで退屈。また、各々のキャラクターに魅力がないので観る視点に困った。佳作の誉れが高い『バルカン超特急』と『レベッカ』の谷間の作品にしては、かなりお粗末な印象はぬぐえない。 主人公は正義感の娘ではなく、略奪団の黒幕なのだが、そのあたりの描き分けが甘いように思える。マリー・ネイの演じたメアリーの叔母ペイシャンスの貞淑な役柄は最後までなかなかの好演だったけど、レスリー・バンクスの演じたジョスの方はいまいち。最初と最後では性格が全然違うのに、そうなるまでの心情の過程が不可解。 |
99分/★★☆☆☆ (2003年6月19日) |
ガンジー | |
GANDHI | |
1982年イギリス、インド/伝記ドラマ <製作・監督> リチャード・アッテンボロー <脚本> ジョン・ブライリー <出演> ベン・キングスレー キャンディス・バーゲン ジョン・ギールグッド イアン・チャールソン ジェラルディン・ジェイムス マーティン・シーン |
<ストーリー&コメント> 1888年、イギリスに留学したガンジーは法学の勉強に励み、弁護士となった。だが、南アフリカを訪れた際にインド人への差別的扱いを受け、これをきっかけに彼は身分闘争へと身を投じていくのだった。インドに帰国後、独立のために非暴力・不服従の闘争を唱えたガンジーに民衆はしだいに共鳴し、大きな運動となって、やがてインド独立へと気運は向かっていく。イスラム、ヒンズー両教徒の対立が激化し、ガンジーはこれを収めるために大断食を決行する…。 物語は、ガンジーの青年時代から、発起、様々な活動、そしてその死に至るまでの軌跡を壮大なスケールで追ってゆく。ガンジーを単に救国の聖人として賛美するだけではなく、祖国インドの大地を愛するが故に、また3億5千万の同胞を愛するが故に、支配者大英帝国の巨大な力に立ち向かっていった一人の人間としての生身の姿を描く。アカデミー賞8部門受賞。 たっぷり3時間超、壮大なスケールで描かれるガンジーの生涯。「後世の人々は、こんな人が実在したことを信じられないだろう」という言葉通りの「無抵抗の戦い」は鮮烈でした。うりふたつと称えられたベン・キングスレーの演技も圧巻です。 |
191分/★★★★☆ (2002年8月31日) |
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第55回アカデミー賞(1982年) 作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、美術監督・装置賞、編集賞、衣装デザイン賞 |
ガンシャイ | |
GUN SHY | |
2000年アメリカ/コメディ <監督・脚本> エリック・ブレイクニー <製作・出演> サンドラ・ブロック <出演> リーアム・ニーソン オリヴァー・プラット ホセ・ズニガ リチャード・シフ ミッチ・ピレッジ マリー・マコーマック |
<ストーリー&コメント> 麻薬取締局(DEA)の伝説的な潜入捜査官のチャーリーは、前回の捜査での恐怖体験がトラウマとなり仕事への恐怖と不安に襲われるようになっていた。引退を希望するも認められず、新たな任務でニューヨークへと向かう。ストレス性の腹痛と下痢に苦しむ彼は、グループ・セラピーに参加したり、結腸洗浄をしたりして、しばし充たされた時間を過ごすのだが、マフィアの取引きはいよいよ大詰めを迎えようとしていた…。 おとり捜査官の過酷な日々を描いたコメディ。自ら製作会社を持ち、映画製作にも意欲的に取り組んでいる女優サンドラ・ブロックのプロデュース作品。本人も「浣腸の女王」役で出演。 タイトルの「gun-shy」というのは、猟犬や馬が銃声に驚いてすくみ上がることだそうです。いかついリーアム・ニーソンが弱気な捜査官を演じる様子を描いたタイトルとしてはピッタリ。 内容の方は、サスペンスかと思いきや完全なコメディ。淡々と進むので退屈な感じもするけど、時々「クスッ」と笑えるB級コメディです。 それにしても…アフロなオリヴァー・プラットを見ると「ラベル!はがす!」と歌いたくなってしまうのは僕だけだろうか?(笑) |
101分/★★★☆☆ (2002年12月13日) |
完全犯罪クラブ | |
MURDER BY NUMBERS | |
2002年アメリカ/クライムサスペンス <監督> バーベット・シュローダー <脚本> トニー・ゲイトン <制作総指揮・出演> サンドラ・ブロック <出演> ベン・チャップリン ライアン・ゴズリング マイケル・ピット アグネス・ブルックナー クリス・ペン R・D・コール トム・ヴェリカ ジャンニ・ブレン ジョン・ヴィカリー マイケル・カナヴァン クリスタ・カーペンター |
<ストーリー&コメント> カリフォルニア州の小さな町サン・ベニート。裕福な家庭に育った人気者リチャードと、頭脳優秀だがネクラで誰からも相手にされないジャスティン。一見対照的な性格の高校生二人組は、海岸の断崖に建つ廃屋で人知れず落ち合っては、完全犯罪計画を立てることに熱中していた。やがて、森の中で女性の絞死体が発見され、担当した女性刑事のキャシーは自らの直感に従い、独自捜査を展開していくのだが…。 1924年、二人のインテリ学生が完全犯罪に挑んで全米中を震撼させた“レオポルド&ローブ事件”。アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作『ロープ』をはじめ、多くの映画の素材となった衝撃的な事件をモチーフに、周到な犯罪計画を実行する犯人と、彼らを執拗に追いつめる女性捜査官の息詰まる攻防を描いた犯罪サスペンス。 評価は正直、ボチボチ。二人の犯行が、タイトルになっているほど「完全犯罪」ではないことが緊迫感の緩い最大の原因かなぁ。体毛や繊維が発見され…というところは「おおっ」と思ったけど、嘔吐物が見つかったり、すぐ仲間割れしたり。第一、あっという間に二人のところまで警察がたどり着いてしまうのが『刑事コロンボ』的手法なんだけど、もう少し捜査側と犯人側に距離感があって、それが一気に詰まっていくという方が面白かったかな。あと、サンドラ・ブロック演じるヒロインの内面心理が事件にリンクされていくんだけど、そういう中途半端な二本立てはせずに、二人の事件だけに絞ったほうがよかった気がする。 |
120分/★★★☆☆ (2004年5月3日) |
間奏曲 | |
INTERMEZZO | |
1936年スウェーデン/ラブストーリー <監督・脚本> グスタフ・モランデル <原作・脚本> イエスタ・スティーブンス <出演> ヨースタ・エクマン イングァ・ティドブレッド イングリッド・バーグマン エリク・バーグランド ハンス・エクマン |
<ストーリー&コメント> 国際的なバイオリニストとして活躍するホルゲル・ブラントは、20年来の親友でもあるピアニストのトマスと共にコンサート・ツアーから2年振りに帰国した。ホルゲルには長年連れ添った妻がいたが、家庭的で内向的な彼女との間には溝ができつつあった。娘の誕生日で、娘のピアノ教師アニタの演奏に心酔し、共にツアーをしようと持ちかける。だが、その演奏だけでなく、若くて美しいアニタ自身にも惹かれるホルゲルだった…。 イングリッド・バーグマンのスウェーデン時代の主演作品。この当時21歳のイングリッドの輝ける美しさに惚れ惚れ。ほんと、綺麗だなぁ。 のちにハリウッドで『別離』としてリメイクされている。 |
90分/★★★☆☆ (2002年6月18日) |
間諜最後の日 | |
SECRET AGENT | |
1936年イギリス/サスペンス <監督> アルフレッド・ヒッチコック <脚本> チャールズ・ベネット <出演> ジョン・ギールグッド ピーター・ローレ マデリーン・キャロル ロバート・ヤング パーシー・マーモント |
<ストーリー&コメント> 1919年、戦時下のイギリス。作家のブロディはアシェンデンと身分を変え、英国軍のスパイとしてスイスへ赴く。目的は、敵国ドイツのスパイを発見し、抹殺すること。助手の「将軍」、偽の妻として派遣されたエルサと協力し、アシェンデンは諜報活動をすすめようとするのだが、殺人をもいとわない非情な任務に苦悩するのだった…。 イギリスの文豪サマセット・モームの短編『アシェンデン』の映像化。 スパイ活動に気乗りしない主人公はパッとしないが、その分ピーター・ローレ扮する「将軍」が異彩を放っている。アシェンデンが気後れする分、将軍はより行動力のある人物に思えます。ストーリーとしてはちょっと弱い部分もあるけれど、ホテル、協会、カジノ、山、列車などシーンが次々と変わり、ドキドキする展開を楽しめます。 映像としても、山小屋から望遠鏡で見つめる殺人シーンなど、ヒッチコックならではの演出を見せてくれます。 ヒロイン役のマデリーン・キャロル。この時期の女優さんは、本当にみんな綺麗です。女優が真に「銀幕の華」だった時代だよね。 |
86分/★★★★☆ (2002年12月18日) |
カンバセーション…盗聴… | |
THE CONVERSATION | |
1974年アメリカ/サスペンス <監督・脚本> フランシス・フォード・コッポラ <出演> ジーン・ハックマン ジョン・カザール アレン・ガーフィールド フレデリック・フォレスト シンディ・ウィリアムズ マイケル・ヒギンズ エリザベス・マクレー テリー・ガー ハリソン・フォード マーク・ウィーラー |
<ストーリー&コメント> サンフランシスコ。プロの盗聴屋のハリーは、受けた依頼には好奇心を持たず、淡々とこなすことを自らのルールにしていた。また、彼は自分自身のプライバシーを決して明かすことはなかった。だがある日、ハリーは依頼主への疑念から自らのポリシーを破り、録音テープを再生。するとそこには、殺人事件をほのめかす声が記録されていた…。 他人のプライバシーを侵すプロの盗聴屋が、一時の好奇心からやがて殺人事件に引き込まれていくさまを描いたサスペンス。 カンヌ映画祭グランプリに輝いた作品ですが、どこが面白いのか全くわかりませんでした。あまりにも静かで盛り上がりに欠けた展開は眠気を誘うし(実際に何度も途中で挫折した)、事件の背景も不透明。あのテープも、どう考えてもそんなに大したものには思えない。主人公が次第に心神喪失気味になっていくのも、被害妄想なのか現実なのか曖昧。主人公自身の背景がほとんど語られていないので、その苦悩に感情移入できないし。ニューヨークで何があったの?ボートの盗聴はどうやってやったのよ?(笑)気になる伏線っぽいのは、すべてスルー。得意の盗聴技術で最後には決定的な事件の解決を見るのかと思いきや、曖昧なまま完結。あんまりな終わり方に呆然でした。 ハリソン・フォードが若い!ここから宇宙へ旅立っていくんだね。 |
114分/★☆☆☆☆ (2004年10月2日) |
カンパニー・マン | |
CYPHER | |
2002年アメリカ/サスペンス <監督> ヴィンチェンゾ・ナタリ <脚本> ブライアン・キング <出演> ジェレミー・ノーザム ルーシー・リュー ナイジェル・ベネット ティモシー・ウェッバー デビッド・ヒューレット カリ・マシェット スコット・マクレーン アン・マリー・シェフラー マシュー・シャープ ネルソン・タインズ |
<ストーリー&コメント> 勤勉で平凡なビジネスマンのモーガン・サリバンは、刺激を求めてハイテク企業デジコープ社に転職、産業スパイとなった。盗聴の任務を順調にこなすものの、同時に謎の頭痛に苦しめられるようになる。そんなある時、彼の前に謎めいた女リタが現れる。彼女はサリバンに、全てはデジコープの陰謀だと告げるのだが…。 『ELEVATED』、『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督の5年ぶりの映画監督作品。今作は、人間の意識を題材に、現実と作られた記憶との間で混乱する男を描いたSFサスペンス。 期待は大きかったけど、まぁまぁの作品だったかな。スタイリッシュな映像は相変わらず素晴らしいけど、オチもどこかで観たことのあるような感じだったし、内容はものすごく新鮮というものではなかった。 今回は出てないのかな?と思ったけど、終盤になってやっぱり登場しました、デビッド・ヒューレット。前述の2作品にも出演している“レギュラー”。監督のお気に入りの役者さんなんでしょうね、きっと。 『チャーリーズ・エンジェル』のルーシー・リューが、エキゾチックな美女を好演。今まであまり気にならなかった女優だけど、赤毛のショートカットの今作ではなんだかよかったです。 脚本を担当しているブライアン・キングは『北北西に進路を取れ』のファンらしく、その影響が所々にかいま見える。特に、タクシーを降りて道路標識を見上げるところとかね。 |
95分/★★★☆☆ (2004年2月9日) |
がんばれ!ルーキー | |
ROOKIE OF THE YEAR | |
1993年アメリカ/スポーツコメディ <監督・出演> ダニエル・スターン <出演> トーマス・イアン・ニコラス ゲイリー・ビジー エイミー・モートン ジョン・キャンディ |
<ストーリー&コメント> 12才の少年ヘンリーはシカゴ・カブスの熱狂的大ファン。ある日、彼は飛んできたフライを捕ろうとして転倒し、骨折してしまう。4ヵ月後、彼の腕は腱の異常収縮で時速160qの豪速球を投げられるようになっていた。その豪速球を見込まれたヘンリーは、史上最年少のメジャー・リーガーとしてカブスにスカウトされ、一躍チームを連勝へと導いていく…。 くだらない。あまりにもくだらなすぎる。見るべきところはなにひとつなかった。発想が陳腐すぎる。たとえ豪速球を投げられるようになったとしても、速球だけで活躍できるほどメジャーは甘くないぞ。 主演の子役の屈託の無さが逆に腹立たしく思えた(笑) |
104分/★★☆☆☆ (2002年4月2日) |
管理人 | |
THE CARETAKER | |
2020年ドイツ/ドラマ <監督・脚本> Roland Puknat <脚本> Vivien Sali <出演> Tim Porath Catherine Seifert Bjorn Meyer Michael Prelle Johanna Polley |
<ストーリー&コメント> 1930年代、ドイツ・ハンブルク市最大の美術館。盛大な個展も開かれていた前衛芸術家アニタ・レーの作品だが、時代が変わり、ナチスドイツに没収されようとしていた。美術館で働くヴィルヘルムは、なんとか作品を守ろうとするのだが…。実際の史実に基づいた物語。 アニタ・レーという作家のことも、その作品群を守ったヴィルヘルム・ヴェルナーという管理人のことも全く知りませんでした。ちょっとサスペンス調の影が多い作品だけど、描いている物語はとても素晴らしいものですね。 |
18分/★★★☆☆ (2024年2月24日) |