第7回(1934年)アカデミー賞

弱小スタジオだったコロンビアの放った『或る夜の出来事』が、ひとつの作品で主要5部門(作品、監督、脚本、男優・女優)を独占するという、アカデミー史上にも希な快挙(1975年、『カッコーの巣の上で』で同記録が生まれた)を成し遂げた。

主演女優賞を受賞したクローデット・コルベールは、ブロードウェイの舞台女優で、知的なコメディエンヌとして知られていた。受賞が決まったとき、彼女は舞台出演のため汽車に乗ったところで、汽車は緊急停止され、彼女は慌ててタクシーでビルトモア・ホテルのセレモニー会場にかけつけたという。オスカーを獲得したことで彼女のギャラは3万5千ドルから30万2千ドルに跳ね上がり、当時としては最高給とりの女優になった。

このシーズンに10本の映画に出演した6歳の子役、シャーリー・テンプルに特別賞が贈られた。大不況に陥っていたアメリカを活気付け、あっという間に全米の人気者になると同時に、経営不振で倒産寸前だった20世紀フォックス社を立ち直らせた功労者でもあった。

映画は本格的なトーキー時代に入り、映画にとって「音楽」が重要な要素であることが認識されてきたため、この回から、ベスト・スコア賞(作曲賞)、ベスト・ソング賞(歌曲賞)、編集賞が新しく設立された。

全部門ノミネート&受賞一覧

作品賞 (History
或る夜の出来事
◇ 白い蘭
◇ クレオパトラ
◇ お姫様大行進
◇ コンチネンタル
◇ これがアメリカ艦隊
◇ ロスチャイルド
◇ 模倣の人生
◇ 恋の一夜
◇ 影なき男
◇ 奇傑パンチョ
◇ ホワイト・パレード
監督賞 (History
フランク・キャプラ (或る夜の出来事
◇ ヴィクター・シャーツィンガー (恋の一夜)
◇ W・S・ヴァン・ダイク (影なき男)
男優賞 (History
◆ クラーク・ゲーブル (或る夜の出来事
◇ フランク・モーガン (THE AFFAIRS OF CELLINI)
◇ ウィリアム・パウエル (影なき男)
女優賞 (History
◆ クローデット・コルベール (或る夜の出来事
◇ グレース・ムーア (恋の一夜)
◇ ノーマ・シアラー (白い蘭)
脚色賞 (History
或る夜の出来事
◇ 影なき男
◇ 奇傑パンチョ
オリジナル原案賞 (History
◆ 男の世界
◇ 愛の隠れ家
◇ 世界一の金持娘
撮影賞 (History
◆ クレオパトラ
◇ THE AFFAIRS OF CELLINI
◇ 砲煙と薔薇
室内装置賞
◆ メリィ・ウィドウ
◇ THE AFFAIRS OF CELLINI
◇ コンチネンタル
録音賞
◆ 恋の一夜
◇ THE AFFAIRS OF CELLINI
◇ クレオパトラ
◇ お姫様大行進
◇ コンチネンタル
◇ 奇傑パンチョ
◇ 模倣の人生
編集賞
◆ エスキモー
◇ クレオパトラ
◇ 恋の一夜
作曲賞
◆ 恋の一夜
◇ コンチネンタル
◇ 肉弾鬼中隊
歌曲賞
◆ The Cotinental (コンチネンタル)
◇ Carioca (空中レヴュー時代)
◇ Love In Bloom (彼女は僕を愛さない)
短編アニメーション賞
◆ もしもし亀よ(うさぎとかめ)
◇ HOLIDAY LAND
◇ JOLLY LITTLE ELVES
短編喜劇映画賞
◆ クカラチャ
◇ MEN IN BLACK
◇ WHAT, NO MEN!
短編実写映画賞
◆ CITY OF WAX
◇ BOSOM FRIENDS
◇ STRIKES AND SPARES
特別賞
◆ シャーリー・テンプル
(1934年の映画娯楽への顕著な貢献に対して)

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