文藝歴譜タイトル

高野 和明 (1964.10.26−)
たかの・かずあき(男性)
東京都出身。ロサンゼルス・シティー・カレッジ映画科中退。
幼少の頃から映画製作に興味があり、映画やテレビの撮影現場で製作に携わる。
1989年に渡米し、ロサンゼルス・シティー・カレッジ映画科で映画演出・撮影・編集を学ぶ。
1991年に帰国し、映画やテレビの脚本家として活躍。
1996年、宮部みゆきの著作に影響され、小説を書き始める。
2001年、『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を満場一致で受賞し、作家デビュー。
2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞と第65回日本推理作家協会賞を受賞。

*読んだ著書*


ジェノサイド(上)
(2011年刊/角川書店)

〔概要〕
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。
創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。
ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか…。
同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。
暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。
イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
父の遺志を継ぐ大学院生と、一人息子のために戦い続ける傭兵。
交わるはずのない二人の人生が交錯する時、驚愕の事実が明らかになる。
それは、アメリカの情報機関が察知した、人類絶滅の危機―。

〔感想〕
なかなか面白かったです。まるで壮大な映画を見ているかのような構成、舞台展開だなぁと重いながら読んでたので、作家の略歴を調べてみて納得。ハリウッドで映画製作を学んでいたんですね。テーマはすごく壮大。人類の進化を軸に、その叡智をGIFT(贈り物)として難病克服に使おうとする人と、人類を脅かす脅威と感じて取り除こうとする人。知らず知らずのうちに、その流れに巻き込まれていく主人公たち。物語の全容がようやく見え始めたところで上巻は終わります。早く続きを読まなければ!

評価/★★★☆☆


ジェノサイド(下)
(2011年刊/角川書店)

〔概要〕
研人に託された研究には、想像を絶する遠大な狙いが秘められていた。
一方、戦地からの脱出に転じたイエーガーを待ち受けていたのは、人間という生き物が作り出した、この世の地獄だった。
人類の命運を賭けた二人の戦いは、度重なる絶対絶命の危機を乗り越えて、いよいよクライマックスへ―。
日本推理作家協会賞、山田風太郎賞、そして各種ランキングの首位に輝いた、現代エンタテインメント小説の最高峰。

〔感想〕
ものすごく面白かったです。かなり分厚い本だけど、ページを繰る手が止まりませんでした。
まるで一本の映画を観ているような、壮大なストーリー。綿密な取材に裏打ちされた、緻密な研究所の筆致。
その二つの大きな流れが、絶妙に交配していき、最後には驚きの結末を迎える…。
ほんと、すごい才能を持った作家さんだなと思いました。
この壮大なドラマは、ぜひ映画化してほしいな。ただ、邦画だと安っぽくなりそうなので、ぜひハリウッドで。

評価/★★★★★