
| 住野 よる | (?−) |
| すみの・よる(男性) 大阪府在住。 「小説家は裏方で本より目立つべきじゃない」という理由で、年齢や経歴などを非公表としている。 高校時代より執筆活動を始める。「電撃小説大賞」に応募していたが一次選考に通らず、 「夜野やすみ」名義で、小説投稿サイト「小説家になろう」に『君の膵臓をたべたい』を投稿。 同作が話題となり、2014年に双葉社から書籍化されデビューするに至った。 |
|
*読んだ著書*
また、同じ夢を見ていた
(2016年刊/双葉社)
〔概要〕
学校に友達のいない少女、奈ノ花。彼女の友達は、放課後に会える女性たちだけだった。
尻尾のちぎれた黒猫、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。
彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。
「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。
〔感想〕
不思議なファンタジーでした。なかなか面白かったです。
全体を通して小学生・奈ノ花の一人語りなので、最初はとっつきにくいところがあり、好き嫌いがあるかもしれません。
小賢しいほどに口が立つ奈ノ花はクラスで浮いた存在で、周りの同級生たちとは溝があります。
そういう子供時代は僕自身にもなんとなく重ねてしまう部分があり…
中盤ぐらいからどんどん引き込まれていきました。
ある事件をきっかけに桐生くんが心を閉ざしてしまい、奈ノ花の置かれた環境も変わっていきます。
そこで彼女自身がすごく悩んで考えて、出した答えが胸を打ちます。
「幸せとは何か」。
それを真剣に考えることで、彼女自身が奇跡を呼び寄せたんでしょうね。
奈ノ花の出会う女性たちの中では、やっぱりアバズレさんが最もよかったです。
泣きながら何も言わず打ちひしがれている奈ノ花を抱きしめ、話を聞いてくれる。
そんな「いい大人」に子供の頃に出会うことができたら、いいですよね。
話題作の『君の膵臓をたべたい』も読んでみたいな。
評価/★★★★☆
君の膵臓をたべたい
(2015年刊/双葉社)
〔概要〕
偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていた。
【秘密を共有するクラスメイト】となった僕と彼女は、次第に時間を共有しあうようになっていく。
人と関りを持つことに興味を持てなかった僕は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…。
〔感想〕
すごく面白かったです。
『世界の中心で愛を叫ぶ』とかもそうだけど、話題が先行している作品というのは
フラットな視線で入っていくのがどうしても難しくなるよね。
簡単に「良かった」というと、世間の評価を鵜呑みにしているようにも思えるし
心をかたくなに閉ざしてハードルを上げてしまい「イマイチだった」と強がると、アンチに思えるし。
そうじゃなくて、他人や世間の評価に関わらず、自分がいいと思ったものは素直にいいと言いたい。
そういう意味でも、僕はこの作品がすごく面白かったです。
泣いたわけでもないし、感動したというのともちょっと違うけど、主人公二人の他愛もない会話のやり取りや
なかなかお互いに素直に気持ちをぶつけ合えない歯がゆさみたいなものに、高校生ならではのピュアさを感じたし。
僕にも少なからず、この主人公の【??】くんみたいなところがあるから
こうやって心を開いていくことの難しさって、よくわかるし。
大事なのは、自分で先入観を持って思いこんだりせず、飛び込んでいくことなんだよね。
ストーリー自体はわりとありがちな感じですが、やっぱり「共病文庫」の内容にはグッときたし
その後のエピローグ的な展開も良かった。
評価/★★★★☆