
| 柴田 よしき | (1959.10.14−) |
| しばた・よしき 東京都生まれ。青山学院大学文学部フランス文学科卒。 書店勤務などを経て、専業主婦となり、本格的な執筆活動を開始。 平成7(1995)年、『RIKO−女神の永遠−』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。 以後、ミステリーを中心に、ホラー、伝奇、SFなど幅広く活躍、実力派の書き手として注目を集める。 |
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*読んだ著書*/シリーズ別著作リスト
観覧車
(2003年刊/祥伝社)
〔概要〕
失踪した夫の事務所を守り、素人ながら京都で探偵業を始めた下澤唯。
事務所を訪れる様々な依頼人たちの絶望に哀しみ、希望に癒される―。
〔感想〕
すごく面白かったです。短編連作集なんだけど、主人公の唯は失踪した夫の帰りを待ち続けながら
だんだんと年をとっていって。その心境がだんだんと諦めま境地になっていく様子が、すごく切ない。
そして10年が経ち、夫の失踪の秘密に手がかかりかけたところで物語は終わってしまうんだけど
続きが気になって仕方がない!!
評価/★★★★☆
フォー・ディア・ライフ
(1998年刊/講談社)
〔概要〕
新宿二丁目で無許可だが最高にあったかい保育園を営む男・花咲慎一郎。慢性的に資金不足な園のため、金になるヤバイ仕事も引き受ける探偵業も兼ねている。少年を助け、家出娘を探すうちに巻きこまれた事件の真相は、あまりにも切なかった…。稀代のストーリーテラーが描く極上の探偵物語。
〔感想〕
すごく面白くて、一気に読んでしまいました。全く前知識がなくて読み始めたので、暴力団とかヤクザ絡みの本と知って「失敗したかな」と最初は思ったんだけど。登場人物がみんなあったかくて、いい人で。主人公の“ハナちゃん”は次々と難題に巻き込まれていくけど、いろんな人の手助けや偶然が重なって切り抜けていく。その疲労感みたいなのが楽しい。読み終わるのが寂しいぐらいの物語でした。と思ったら、『フォー・ユア・プレジャー』という続編もあるようで。そちらも楽しみ。
評価/★★★★☆
フォー・ユア・プレジャー
(2000年刊/講談社)
〔概要〕
新宿二丁目の無認可保育園「にこにこ園」の園長でありながら、園の赤字を埋めるため、ヤクザがらみの裏の調査業を引き受けざるを得ない元刑事の花咲慎一郎。今度の依頼は、豊満ボディのOLが一夜を過ごしたお相手を捜し出すというもの。しかし、人捜しをするだけのはずが、愛する恋人が行方不明となり、元同僚が監禁され、あげくの果てには、妻に逃げられた男の世話までが降りかかる。偶然に思えたできごとの裏に潜む罠。花咲は無事脱出できるのか…?
保育園の園長にして私立探偵、子どもという天使とヤクザという悪魔を相手にした、究極の“二足のワラジ”生活を送る、花咲慎一郎シリーズ第2弾。
〔感想〕
前作同様、面白かったです。小説も映画も同じだけど、シリーズものの良さのひとつに、物語の舞台設定、人物紹介などが一通り完了した上で新しい物語を語れるということがある。このシリーズも、その良さを充分に活かしている。主人公の花咲も、周囲の仲間や女性たちも愛すべきキャラクターたちで。花咲は前作よりもちょっと情けなく、そしてそれ以上にカッコよくなっている。わりと分厚い本だけど、面白くて一気に読んでしまいました。最後はちょっと一気にまとまりすぎている気もしなくはないけど、あまり気にはならなかったかな。
シリーズはさらにもう1作、『シーセッド・ヒーセッド』がある模様。
評価/★★★★☆
シーセッド・ヒーセッド
(2005年刊/実業之日本社)
〔概要〕
新宿二丁目で無認可の保育園を切り盛りする園長・花咲慎一郎の副業は、ハイリスクな難題でも引き受ける私立探偵。次々と持ち込まれる面倒な事件の数々。ストーカーの脅迫、捨て子の赤ん坊、消えたダイヤモンド、大学教授のスキャンダルなど、絡みあう謎を解きほぐすうちに、立ち現れる意外な真相とは…。
保育園の園長にして私立探偵、子どもという天使とヤクザという悪魔を相手にした、究極の“二足のワラジ”生活を送る、花咲慎一郎シリーズ第3弾。
〔感想〕
面白かった。やっぱり好きです、このシリーズ。今回は長編ではなく、短編(といっても、なかなかのボリュームだけど)3編を収めたもの。それぞれの物語は微妙にリンクしてくるので、全く別のものではなくて、結局はひとつの流れなわけなんだけど。
今回はハナちゃんと依頼人の構図があくまでも軸になるので、ハナちゃんを取り巻く人物たち(理沙や、元妻・麦子や園の子どもたち)の出番は少なく、それがちょっと残念かも。
更なる続編を期待。
評価/★★★★☆
桜さがし
(2000年刊/集英社)
〔概要〕
中学時代から十年来の仲間である歌義、陽介、綾、まり恵の四人は、今は作家として京都郊外の山奥に独居する恩師・浅間寺のログハウスに招待され、その途中の山道で一組の男女と出会う。幸福そうに見えた二人だったが、一ヶ月後に心中死体で発見され……。
出会いと別れ、つらい恋、そして事件。四人に訪れる人生の岐路。古都の移ろいゆく季節の中、せつない青春群像を描く、傑作ミステリ連作集。
〔感想〕
すごく面白かったです。短編ですごく読みやすいし、事件がすべて解決せずに、その糸口がちょっと見えたあたりで終わるのもオシャレ。連作だからキャラクターたちもすごく生きているし、本の中で経過する時間がすごくいとおしい。すごく満足だけど、さらに続きを読みたい期待を込めて★4ツ。
どれ読んでも面白いなぁ。柴田よしきさん、僕の中で今一番旬な作家かも。
評価/★★★★☆
好きよ
(2002年刊/双葉社)
〔概要〕
「好きよ」。彼女はそのたった一言だけを遺してビルから飛び降りた。あなたが愛していたのは、誰?死の影に潜む“邪悪な存在”との戦慄の闘いの果てにある真実とは…。
〔感想〕
イマイチ。この作者の作品のラインナップには、オカルトものもあることは知っていた。だけど、唐突にその作品に当るとは。オカルトというか、ファンタジーチックな本作だけど、いまいち勢いに乗り切れずに読み終わってしまった。花咲慎一郎シリーズのような、普通の小説のほうがいいなぁ。
評価/★★☆☆☆
Miss You
(1999年刊/文藝春秋)
〔概要〕
東大卒、26歳の文芸編集者の有美は、業界では駆け出しながら、生真面目さと熱意で仕事は軌道にのりつつある。しかし、ある日突然同僚の女性が殺され、元流行作家の妙な電話を受けてから有美自身も狙われはじめた。事故か?人ちがいなのか?婚約者、新人作家、流行作家などの輪が平凡なヒロインを目眩く翻弄する…。
〔感想〕
ボチボチでした。ウムを言わさず、巻き込まれた事件に翻弄されるヒロインの心情は推してはかるべきって感じだけど、ちょっと一気に行き過ぎたっていうか…たった数日間の出来事で、慌しい感じもする。
最後に、また出てきた牛窓。『好きよ』で盛んに出てきた地名だけど、作者と何らかの関係がある場所なのかな?
評価/★★★☆☆
ア・ソング・フォー・ユー
(2007年刊/実業之日本社)
〔概要〕
新宿二丁目の無認可保育園「にこにこ園」を切り盛りする園長で、私立探偵のハナちゃんこと、花咲慎一郎のもとには、いつも一筋縄ではゆかないさまざまな事件が舞い込む。呪いの藁人形をもった高校生、ビルとビルの隙間に捨てられた赤ん坊、逃げたインコを取り戻したいOL、納骨前に消えた骨壷など、謎めいていて、とうてい金になりそうにない厄介な案件が、あれこれと持ち込まれる度、ハナちゃんはひたむきに解決へ向け、走り回る。解きほぐされてくる真実の底に、哀しい人間の生きざまが透けてみえてくるごとに、心優しい探偵は、悩み苦しむ。ときに震え、ときに嗚咽し、ときにむかつくハナちゃんの信念とは…子供の幸せを願ってやまない園長探偵が奮闘する中編4本立て連作ミステリー。
「ブルーライト・ヨコハマ」、「アカシアの雨」、「プレイバックPART3」、「骨まで愛して」。懐かしい歌謡曲の響きになぞらえた四つの物語。
保育園の園長にして私立探偵、子どもという天使とヤクザという悪魔を相手にした、究極の“二足のワラジ”生活を送る、花咲慎一郎シリーズ第3弾。
〔感想〕
いつも通り、安心して読める内容でした。今回は保育園の話題は少なめで、探偵業の方がかなりメインです。個人的には藁人形の話がほのぼのしていて好きかな。
いろいろ調べていて知ったんだけど、物語に登場するヤクザの若頭・山内って、「RIKO」というシリーズに出てくるキャラクターなんですね。好きな作家だし、他の著作も手広く読んでみようかな。
評価/★★★☆☆
回転木馬
(2007年刊/祥伝社)
〔概要〕
謎の失踪を遂げた夫・貴之のあとを継ぎ、探偵となった下澤唯。十年の月日を経て偶然彼を目撃した唯は、佐渡出身の渋川さわ子という関係者がいたことを突き止めた。だが、さわ子はすでに死去し、貴之はさわ子の娘・雪と一緒にいるらしいことだけが判明した。夫は唯を本当に裏切っているのだろうか?細い糸をたぐり追跡を続ける唯は、さわ子の友人だった佐野明子のもとを訪れた。彼女はさわ子から、死の間際に雪と貴之のことを記した手紙を預かっていたのだ。明子も死の床についていたが、唯の事情を知った彼女から、手紙の内容を明かされる。どうやら貴之と雪は、人に知られてはならない事情を抱えているらしい。失踪前日に起きたホームレスの不審死と関係が?手紙を手がかりに、唯は信州・蓼科へ向かうのだが…。
『観覧車』の12年後の世界を描く続編にして完結編。
〔感想〕
なかなか面白かった。長い年月を待ち続けて絶望の淵にいた唯だが、少しずつ、細い糸を手繰り寄せるようにして真相に近づいていく。待望の続編だっただけに期待が高かったんだけど、事件の真相がわりとありきたりなものに落ち着いていたのが残念。
評価/★★★☆☆
| 花咲慎一郎シリーズ | ||||
| 1 | フォー・ディア・ライフ | 1998/04 | 講談社 | ○ |
| 2 | フォー・ユア・プレジャー | 2000/08 | 講談社 | ○ |
| 3 | シーセッド・ヒーセッド | 2005/04 | 実業之日本社 | ○ |
| 4 | ア・ソング・フォー・ユー | 2007/09 | 実業之日本社 | ○ |
| 5 | ドント・ストップ・ザ・ダンス | 2009/7 | 実業之日本社 | − |
| 下澤唯シリーズ(完結) | ||||
| 1 | 観覧車 | 2003/02 | 祥伝社 | ○ |
| 2 | 回転木馬 | 2007/03 | 祥伝社 | ○ |