文藝歴譜タイトル

村上 春樹 (1949.1.12−)
むらかみ・はるき
1949(昭和24)年、京都市伏見区生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。
1979年、『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。
1982年、『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞受賞。
他の代表作に、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞作)、
『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』などがある。

*読んだ著書*


国境の南、太陽の西
(1992年刊/講談社)

〔あらすじ〕
始は一人っ子として、ある欠落感をもっていたが、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。
それから25年。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな始の前に、かつて好きだった女性が現われて―。

〔感想〕
なかなか面白かった。性的な描写ばかりが続く序盤は、どうしようかと思ったけど(笑)だんだんと引き込まれていきました。
人は誰しも、望むと望まざるとに関わらず、それぞれの人生を、恋を生きていく。
その過程の中で一度喪ってしまったものは、二度と取り返すことができないのか。
そんな問いかけに対する答えのひとつが、この作品のような気がする。
村上春樹さんの名前は以前から知っていたけど、著書を読んだのはこれが初めて。ぜひ他の作品も読んでみたいと思う。

評価/★★★★☆


スプートニクの恋人
(1999年刊/講談社)

〔あらすじ〕
22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。それは、竜巻のような激しい恋だった。
恋に落ちた相手ミュウはすみれより17歳年上で、結婚していた。更につけ加えるなら、女性だった。
すみれはミュウに従ったヨーロッパへの旅の途中に疾走してしまう。
すみれに惹かれる青年教師はその捜索のためにギリシャに向かうのだが、そこで彼は不思議な体験をすることになるのだった…。

〔感想〕
これ、たしか著者の代表作のひとつなんですよね。全く理解できませんでした。というか、全然面白くない。
回りくどくて語彙を弄んでいるようにしか思えない比喩の繰り返しでテンポもよくないし、
登場人物(主には主人公の青年教師と、すみれ、ミュウ)の気持ちも全く理解できないし。
ストーリーの展開も意味深なようでいて、理解不可能。不可解な疾走が電話ひとつで解決しちゃうわけ?
『国境の南、太陽の西』は面白かったのに…当たり外れが大きい作家なのかなぁ。

評価/★☆☆☆☆


ノルウェイの森(上)
(1987年刊/講談社)

〔あらすじ〕
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから
小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。
僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。
限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

〔感想〕
超が3つつくぐらいの有名小説。有名すぎることもあって、今までなかなか手が出なかったけど
いつもの図書館に本を返しに行くと、「本日の返却」の棚にこの本があった。これも何かの縁かなと思い、借りてみることに。
上巻が終わった時点の感想では、全く面白いとは思えませんでした。
主人公の「ワタナベ君」に全く感情移入できないし、直子の不安定ぶりもいまいちつかみづらい…。
ちょっと風変りではあるけど、ミドリが一番実体感のあるキャラクターに思えました。

評価/★★☆☆☆


ノルウェイの森(下)
(1987年刊/講談社)

〔あらすじ〕
京都の療養所に入院している直子を見舞ったワタナベ。同室のレイコさんと三人で過ごす時間は、穏やかなものだった。
東京に戻ったワタナベは、学業とアルバイトの日々の中で、永沢先輩や、ミドリと過ごす中で
自分のありようを見つめなおしていくのだが…。

〔感想〕ネタバレを多く含みますのでご注意ください
世界的に名作の誉れ高い作品なので、声を大にしては言えないけど、なんというか…イマイチでした。
まず、主人公のワタナベに全く共感できない。主体性がなく、流されてばかり。文学を読み、常に斜に構えている感じだけど
中身の人間性は永沢先輩と大して差はないし、主人公としては、あちこちにふらふらしすぎ。
直子のことで思い悩んでいたけど…そうだ!ミドリでもいいじゃん!って、それはどうなの。
あと、何度となく出てくる直截的な性描写も、なんだかなぁという感じで…まるで官能小説みたい。
そういうことはつまびらかに描くのではなく、におわせるとか、比喩表現をするとか、そういう創造性が「文学」なんじゃないかと思うんだけど。
人が唐突に死にすぎるし、最後までモヤモヤしたまま終わったので、若干消化不良な感じでした。
直子も、「あの人のことはどうにかする」と言ってたわりに、一言もなくワタナベの元から去っていくんだもんなぁ。
そういう結論に至った理由は、レイコさんの独白の中にそれとなく書いてあるけど…スッキリしない。
村上春樹さん、かなりクセがあるんですね。気が向いたらまたほかの作品も読んでみます。

評価/★★☆☆☆