文藝歴譜タイトル

森 絵都 (1968.4.2−)
もり・えと、本名・森雅美。
1968(昭和43)年、東京都生まれ。2004年、社会人入学した早稲田大学第二文学部を卒業。
日本児童教育専門学校を卒業し、アニメーションのシナリオを手がける。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。
同作品で翌1991年、第2回椋鳩十児童文学賞も受賞。
1999(平成11)年の『カラフル』は第46回産経児童出版文化賞を受賞、映画化もされ、ベストセラーに。
その後も数々の作品で多数の文学賞を受賞、児童文学にとどまらず幅広い層に支持されている。
2006(平成18年)、『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞。

*読んだ著書*


永遠の出口
(2003年刊/集英社)

〔あらすじ〕
私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった――。誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。グレかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。その小学3年から高校3年までの9年間を、1970年代、1980年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。
著者初の大人向け物語。第一回本屋大賞第四位作品。

〔感想〕
とても面白かったです。紀子という少女の成長を描いた物語なんだけど、ただそれだけなんだけど、どこか共感できてしまうんだよね。それは僕が、紀子と同じように物事を感じられた時代を過ごしてきたからなんだと思う。些細なことに驚き、感動し、怒り、泣いた時代。誰もが心の奥にひっそりとしまってある箱の中のそういう部分を、ちょっとだけ振り返ったような。そんなテイストでした。
各章それぞれが短編としても優れているけど、ひとつの流れを構成したときにぴったり当てはまってパズルが完成したような気分。

評価/★★★★☆


風に舞うビニールシート
(2006年刊/文芸春秋)

〔あらすじ〕
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。

  1. 器をさがして
  2. 守護神
  3. 鐘の音
  4. ジェネレーションX
  5. 風に舞うビニールシート

〔感想〕
佳作を集めた短編集。直木賞を受賞した作品ですが、なかなか面白かったです。どのストーリーも、主人公がしっかりと自分を持った人々で。物語の舞台も、「洋菓子店のマネージャー」や「仏像の修復師」など、なかなかお目にかからないようなものばかりで新鮮でした。特に好きだったのが「ジェネレーションX」。主人公のツッコミに笑わせてもらいました。起承転結、さらにオチもお見事。表題作の「風に舞うビニールシート」は、逆にちょっと世界が広がりすぎて掴みずらいところがあったかな。

評価/★★★☆☆